一滴の水も無駄にしない

インドは、同国史上最悪とされる水不足の危機に苦しめられている。

危機の原因は一つではなく、気候変動、広範囲での雨不足、人口増加、汚染物質の放流、貯水不足、不十分な衛生管理と下水処理など、様々ある。

これらの問題のすべてを、人の力で解決することは難しいが、多くは変えられる。たとえば、水資源の浪費を徹底的に排除すれば、枯渇は避けられるはず───。

その考えの下、水保全に心血を注いでいるのが、インドにおける配水管・貯水ソリューションのリーディングカンパニー、Vectus Industries(Vectus)だ。Vectus社は、ともに困難に立ち向かうパートナーとしてSAPを選択した。

一滴の水も無駄にしない──。

Vectus社の想いを、SAP S4/HANAが支えている。

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水の保全=命の保全

インドの人口は13億人(2016年)。うち1億6,300万もの人が、安全な水を十分に手にできていない。伝染病の21%が、劣悪な品質の水に関係しているという。

それだけに、貴重な水を失うこうことは重大な問題だ。とりわけ、インドの乾季は長く、飲み水の枯渇は人の命にかかわる。しかもこの時期、水が必要なのは人だけではなく。農地でも貯水の利用が欠かせない。

Vectus社の水保全の取り組みに、立ち止まっている余裕は一切なかった。

13億人

2016年のインドの人口

2050年には
17億人に達すると
見込まれている

1億6,300万

安全な水を手に入れることができていない人の数

伝染病の21%は
水問題に関係している

水のバイタルサインを監視する

水の枯渇を是が非でも阻止する──。Vectus社が、そのゴールに向けて突き進むなか、常に動きを鈍らせてきたのがレガシーシステムだった。

Vectus 社はそれをSAP S/4HANAに切り替えた。その変革によって、コア業務をスピーディにデジタル化し、モバイル/IoT技術を水保全に活用し始めた。

これにより、水不足に拍車をかける水漏れがどこで、どのように発生しているか、あるいは起こりうるかを特定する能力を手に入れたのである。

変革のソリューション

Vectus社が、SAPの技術を活用して開発したのは、配管工向けのモバイルアプリだ。このアプリを活用することで、配水管の水漏れ修繕・防止に必要とされる重要情報にアクセスことが可能になる。

よりよい暮らしを

このアプリによって、配管工は、灌漑システムや配水管の水漏れ個所/原因をすばやく特定し、適切、かつ迅速に対処できるようになった。結果として、より多くの水を、より多くの人や農地に行きわたらせる可能性が大きく拡がった。

よりよい地域を

今、世界中のさまざまな場所で、灌漑システム・配水管、蛇口からの水漏れが、水不足を深刻化させている。Vectus社とSAPは、そうした場所にも水保全のソリューションを提供し、農業、公共機関、医療、地域社会、そして人々に貢献していく。

よりよい世界へ

きれいな水を手に入れることができれば、人々は感染症や伝染病のリスクの少ない、より健康な生活を送ることが可能になる。農家は生産量を増やすことができ、より多くの人に食べ物を提供できる。そして最も重要なことは、世界中の国々が将来の世代に貴重な水資源を残せるようになることである。

水不足に喘ぐすべての場所へ

水保全のソリューションを水不足に喘ぐすべの場所に展開する──。
Vectus社の想いは今、大きな広がりを見せている。その始まりはSAP S/4 HANAによる業務プロセスのデジタル化。それによってVectus社は課題解決の糸口を見出し、水保全の革新ソリューションを一挙にかたちにした。

業務プロセスをデジタル化し、インメモリ技術によって膨大な情報から「今、何が起きているか」をリアルタイムに可視化する──。SAP S/4 HANAのソリューションは、社会問題の解決に向けて懸命の努力を続ける多くの企業に、より多くの、そして確かな成果をもたらしている。