【JSUG Leaders Exchange Interview】 経営とIT部門の距離を縮めるために

作成者:JSUG Leaders Exchange投稿日:2015年1月20日

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Business Meeting「JSUG Leaders Exchange」(以下、JSUG LEX)の参加企業の皆様から、企業価値向上を支えるデータ活用についてのお話をうかがう連載企画。シリーズの最後を飾っていただくのは、カルビー株式会社で代表取締役社長兼CEO、CIOを務め、現在は戦略コンサルティングファーム 株式会社中田康雄事務所の代表取締役としてご活躍の中田康雄氏です。JSUG LEXがスタートした当初からの中心メンバーとして活動に携わって来られた中田氏に、「経営に貢献するIT」のあり方や課題、目指すべき方向などをうかがいます(聞き手:SAPジャパン 濱本 秋紀)。

経営とIT部門の距離を縮める

─私たちは常に、JSUG LEXを単にITを語り合う場ではなく、経営に資する価値を生み出すための場にしたいと考えています。草創期からご尽力いただいてきた中田さんご自身、ITがどのようにして経営に貢献すべきか、根本のお考えをお聞かせいただけますか。

中田 当たり前のように語られがちな「経営に貢献するIT」ですが、現時点ではまだまだ実現できていないことが多いと感じています。その理由は、基幹システムのようなオペレーショナルな部分にITの主体が集まってしまい、あるべきIT部門の姿が遠くなってしまっているからです。その結果、利益への貢献度が見えず、経営との距離が遠くなってしまっています。経営とIT部門は、もっとお互いに身近な存在として位置づけなければなりませんし、まずはそういう問題意識を持つことが必要です。

─中田さんの視点からご覧になって、ITが経営に役立っている会社は実際にどれぐらい存在していますか。

中田 正直なところ、まだ全体の2割程度の印象です。しかし、クラウドの浸透などもあり、業務部門が主体的にITを活用する事例が増え始めています。ITは、経営や業務部門が主体となってうまく活用すべきですし、またそうした取り組みにITを活用しない手はないと考えています。というのも、経営改善の取り組みには必ずと言っていいほどITが関わってくるからです。従って、新しいビジネスの創造やビジネスプロセスの構造変革を図る場合、経営側がリーダーシップをとりながら、同時にIT部門もその一員として主体的に参謀役を担っていく必要があります。

経営とテクノロジーを融合させるために 

─一口にIT部門と言っても、会社のカルチャーによってさまざまな立ち位置にあり、役割も異なります。IT部門が経営陣の参謀役を果たす上で、ジョブローテーションなども含めて、どのような形がもっとも望ましいとお考えでしょうか。

中田 ITの世界の中だけにいると、経営の動きや業務環境の変化に疎くなりがちです。その意味で、ジョブローテーションは非常に有効だと思います。しかし同時に、常に最新のテクノロジートレンドに目配りしておくことも、当然ながら大切です。普段からこうした学習・研鑽があってこそ、いざというときに経営への貢献につながっていくものです。そうしたことに取り組むうえで有効なのが、全社横断的なITプロジェクトへの参加でしょう。テクノロジーがわかる人と経営がわかる人とが同じ方向に向けてプロジェクトに取り組むことで、事業を実際に動かしながら相互理解が進むからです。

─まさにERP導入プロジェクトなどは、そうしたIT部門と業務部門が協働作業を通じて相互理解を深める恰好の場だと思います。一方、すでにERPなどを導入済みで、しばらくは大きなプロジェクトが見込めない会社では、IT部門と業務部門のコミュニケーションも難しくなるのでしょうか。

中田 決してそんなことはないと思います。企業には、必ず中期経営計画があります。この実現のために、当然いくつかのタスクフォースが生まれるわけですが、ここがチャンスなのです。会社というのは、常に力を結集して取り組むべき課題を2つや3つかかえているものです。もしそれが見えていない場合、IT部門が率先して「この問題に取り組まないと、中期経営計画を実現できない」「そのために私たちIT部門はこういうことができる」くらいの働きかけをしなければいけません。

─そのためには、IT部門も全社の経営戦略を深く理解しておく必要がありますね。

中田 まさにその通りです。しかし一方で、そもそも経営戦略そのものが明確でない企業も少なくありません。「目標」は立てるが、そこにいたる道筋、つまり経営戦略をしっかり作らないといけないのです。これはまさに経営の仕事であって、そうした意味でも、IT部門と経営は常に寄り添いながら前に進むべきなのです。

─ありがとうございました。次回は経営に貢献する IT部門のあり方を探る具体的なヒントについてお伺いしたいと思います。

■略歴
中田 康雄(なかた・やすお)氏
株式会社中田康雄事務所 代表取締役

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慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了。2005年 カルビー株式会社 代表取締役社長兼CEO、CIOに就任。2009年、株式会社中田康雄事務所を設立して、代表取締役に就任。JSUG Leaders Exchange立ち上げ当初からの中心メンバーの1人として、現在も精力的に活動に参加している。

 

 

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