従来のBI活用を「インメモリー」と「モバイル」がどう変える?


SAPが目指すアナリティクスソリューションの中で、前回ご紹介した「高いユーザビリティ」「オペレーショナルBIの実現」に次いで重要な視点となるのが、情報活用の多様化とスピード化のニーズに応える「インメモリーによる高速処理」と、場所と時間を選ばないリアルタイムな情報活用を実現する「モバイルアナリティクス」の2つです。 今回は、従来のBI活用を「インメモリー」と「モバイル」がどう変えるかについて説明したいと思います。

 

インメモリーとBIの組み合わせが変える従来の情報活用

他のブログ記事でも紹介されていますが、現在、SAPではインメモリーテクノロジーによる「超」リアルタイムソリューションに注力しています。ご存知の通り、膨大な業務データの分析活用を目的として、これまで構築されてきた情報活用基盤は、各種業務データから必要なものを抽出・変換してRDB(リレーショナルデータベース)に格納し、夜間バッチなどの処理でDWHを最適化(RDBのインデックス処理やデータマート作成など)し、必要とされるタイミングまでに最新のレポートを準備するのが中心でした。

従来のRDBを使ったテクノロジーでは、こうしたバッチ処理の性能に限界があったため、本当は2年間の業務データを見たいのに1カ月分しか見られなかったり、より多くの項目をもとに多角的な分析を行いたいのに、システム上の制約から分析項目を絞らざるを得ないという実状があります。

しかし、これまでディスクからメモリーに読み込む形で行われていた処理を、最初からメモリー上に搭載して行えば、計算処理時間は従来に比べ圧倒的(数百倍)に短縮化されます。

それによりDWHの最適化(パフォーマンスチューニング)に関わる構築の在り方が大幅に変化し、昨今はこうした捨てざるを得なかった期間のデータや項目も含め、何よりも情報活用の速度が劇的に高速化されます。このソリューションの中核となるソリューションがSAP HANAです。

バッチ処理を介するため1日待たないと内容が把握できないという状況から、今この瞬間の明細データからリアルな情報が収集できれば、その価値は計り知れません。また、明細データを余計な加工をすることなく活用するため、ビジネスの変化に合わせて分析対象が変更された際も、今までにないスピードで情報基盤を変更することができます。

SAP HANAのインメモリーテクノロジーをバックエンドに、ユーザーが使用するフロントエンドとしてSAP BusinessObjects BIを連携することで、このような世界を実現することが可能となります。

この一例として、世界最大級の消費財メーカーのP&Gさまでは、以前は“数日”かかっていたマネージメントレポート(経営数値管理)の提出におけるデータ処理が、インメモリーテクノロジーの導入によって“数秒”に短縮されました。これによって、よりきめ細かなセグメント管理ができるようになり、同社では今後、全世界で展開される製品に対するブランド別・商品別の損益分析にこの技術を展開する計画です。

同様にドイツ銀行さまでは、インメモリーテクノロジーの導入によって、顧客別クロスセル分析が、以前の45分からわずか 5秒に短縮されました。この成果は、それまでのDMに依存したプロモーションスタイルの変革にもつながり、顧客との対面商談時にリアルタイムでの提案を行えるようになりました。

この代表的な2つ成功事例のほかにも、すでに数百社のお客さまが、SAP HANAがもたらす「超」リアルタイムによって、劇的な導入効果を上げています。

モバイルアナリティクス活用の際に考慮すべきこと

次にモバイルデバイス上でビジネスアナリティクスや各種業務システムを利用する際に、考慮しなければいけないモバイルデバイスマネジメント(以下MDM)について、SAPがご提供できるソリューションについて説明させていただきます。

現在のビジネス環境において、これまではPCを使って行っていたERPを代表とする各種業務システムやBIシステムを、モバイルデバイスを通じて、いつでもどこからでも利用可能にすることで、劇的なスピード化とリアルタイム化が図れています。(詳細はモバイルソリューションのコーナーをご覧ください)

同時に、企業ではセキュリティを含め、人とともに自由に移動するスマートフォンやタブレット端末など、モバイルデバイスを効率的に管理するための基盤整備が欠かせません。これらのモバイルデバイスの直感的かつ迅速な管理を実現するソリューションがAfariaです。

まずはこちらのビデオをご覧ください。

モバイルアプリケーションからセキュリティの管理まで、1つの管理コンソールで一元的な管理を実現するAfariaは、モバイルデバイスに関するさまざまな問題解決を支援します。たとえば、ある営業エリアでモバイルデバイスを使っている人のモバイル利用に関する情報を取得したいという要件があったとします。

SAPのモバイルアナリティクスでは、自分が現在いる場所からたとえば半径500km以内にいる人たちが使用しているデバイスの情報を、グラフィカルなユーザーインターフェイス経由で表示することができます。これらはデバイスのGPS機能とAfariaの機能を使って実現しており、どのクライアントがどこにいるかをSAP BusinessObjects上に即座に表示することができます。

また、さらにデータを掘り下げていって、特定の人が特定のデバイスで何分通話しているか、どれ位のサイズのデータをやり取りしているかという点までも把握することができます。これにより、通話よりもデータ通信によるコストが非常に大きい利用者について、「契約形態をデータ通信重視のプランに変更することでコストメリットが得られる」といった判断を下すことが可能となります。

この他、SAPのモバイルアナリティクスでは、管理機能として、ソフトウェアのリモート更新、モニタリング、端末/アプリケーション、セキュリティ機能として、データバックアップ、セキュリティポリシーの強制適応、セキュリティ上の脅威をモニタリング、アクティビティログの取得など、さらに、万が一端末を紛失してしまった場合には、同端末の利用停止、リモートロック、アクセス停止、リモートワイプ(端末上のデータ消去)などができるような利用停止機能も提供しています。これによりデバイス紛失時の情報の漏えいを事前に防ぐことが可能になります。

モバイル環境での各種分析作業など、ビジネスにおけるモバイルデバイスの活用機会が増えるに従い、激増が予想されるさまざまなリスクに対し、これらの管理機能は非常に有効なものとなります。

こうしたSAPのアナリティクスソリューションが創出する新たな価値と、皆様の実際の業務の中でどのように活用し、メリットを享受いただけるかという点については、今後もこのブログで最新情報をお伝えしていきたいと思います。ご期待ください。

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