アプリケーションの開発・実行を効率化するSAPのPaaS

作成者:山澤 雅史 投稿日:2015年4月6日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

はじめまして、SAPジャパンの山澤と申します。市場の変化やお客様のニーズに素早く対応し経営の舵取りを行うためには、ITインフラの高度化は避けては通れない課題です。SAPでは、そうした課題に立ち向かうシステム開発者向けに、アプリケーションの開発・実行を迅速に行うためのプラットフォーム“SAP HANA Cloud Platform(HCP)”をパブリックなPaaS(platform as a service)として提供しています。

この記事では、SAP HANA Cloud Platformの概要についてご紹介したいと思います。

クラウドサービスにおけるSAPのPaaSの位置づけ

まず、PaaSとしてのSAP HANA Cloud Platformの位置づけを確認するために、クラウドサービスの分類を整理していきます。

クラウドコンピューティングは、開発、実行、運用のあらゆるサイクルにおいて、いまや無くてはならないものとなりました。ネットワーク環境の充実によって仮想化や自動化の技術が発展し、ハードウェア(ストレージなどを含むコンピューティングリソース全般)を含むITインフラをネットワーク経由でスピーディに提供するのがInfrastructure as a Service(IaaS)です。要求されたリソースを従量課金型(利用期間に応じて料金を支払う方式)で提供することで、利用者は自身でハードウェアを購入・運用を行う必要がなくなり、そこに従事していたリソースを他に活用することを可能しました。

また、アプリケーションをネットワーク経由で提供するSoftware as a Service(SaaS)は、ソフトウェアの開発や保守・不具合修正といったシステム運用業務の削減・集約を可能にするとともに、必要な機能を迅速に利用することを可能にしました。

そして、自社に必要なアプリケーションの機能を迅速に開発、実行するためのプラットフォームをクラウドサービスとして提供するのがPlatform as a Service(PaaS)です。開発者はこのPaaSを利用することで、ビジネスの要求に応じた迅速な開発に集中することができるようになります。Blog1_Slide1

SAP HANA Cloud Platform の主な利用用途

このSAP HANA Cloud Platformの主たる用途は アプリケーションの開発です。開発するアプリケーションは、大きく以下の3つに分類できます。

1.新規アプリケーション

インメモリープラットフォームSAP HANAをベースとした、高速かつ多彩なライブラリーを活用するアプリケーションやIoT(Internet of Thing)のプラットフォームとして活用

2.オンプレミスの拡張アプリケーション

データセンターなど自社の環境で稼働するアプリケーションとデータ連携を行いつつ、外部に対して情報を提供するようなアプリケーション

3.クラウドアプリケーションの拡張

たとえば、SuccessFactorsのようなクラウドベースの人事管理アプリケーションの機能を追加で拡張するケース

Blog1_Slide2

SAPクラウド戦略におけるSAP HANA Cloud Platformの位置づけ

ここで、SAPのクラウド戦略におけるSAP HANA Cloud Platformの位置づけについて整理しておきたいと思います。SAP HANA Cloud Platformは先に記述したように、クラウド上で稼働するアプリケーションの開発や実行を行うパブリックなPaaSであるため、自社でアプリケーションを開発することもパートナーが開発することも可能です。

一方、SAP ERPをはじめとするSAP HANAベースのSAPアプリケーションをSAPのデータセンター上に構築し、その運用保守すべてをSAPが引き受けるというマネージドクラウドサービスがSAP HANA Enterprise Cloudです。

Blog1_Slide3

SAP HANA Cloud Platformの概要

その名が示す通り、このSAP HANA Cloud Platformは、SAPのインメモリープラットフォームであるSAP HANAがベースとなっています。したがってSAP HANA Cloud Platformでは SAP HANAが持つ高機能な(計画、地理情報、予測、テキスト検索などの)エンジンや分析ライブラリーなどの機能を活用したアプリケーションの開発が可能です。(SAP HANAの詳細な機能に関してはこちらを参照ください)

また、クラウドで実行するアプリケーションの迅速な開発を容易にするために、データ永続化、接続、IDやドキュメント管理などのような多くの共通のプラットフォームサービスのセットを提供しています。さらにSAP HANA Cloud Platformでは、より上位のサービスとして 特定の用途で必要とされる特別なサービスの提供もしています。詳しくは次回以降でご紹介していく予定です。

SAP HANA Cloud Platformをご紹介する連載の第1回は、ざっくりとSAP HANA Cloud Platformの概要をお伝えしました。次回以降では、このプラットフォームを活用されているお客様の事例や、皆様に実際にお試しいただく方法についてご案内していきたいと考えています。

SAP HANAの最新情報に触れていただけるよう、SAP HANAプラットフォームに特化した国内初となるテクノロジーイベントの開催を予定しています。SAP HANA Cloud Platformセッションもございますのでご興味をもたれた方はぜひ以下のイベントへの参加をご検討ください。

SAP Tech JAM
~ 開発先駆者が拓くITの新時代・SAP HANAの祭典 ~

≪開催概要≫
【日時】2015年5月20日(水) 10:00~19:00 (受付開始 9:30)
【会場】ベルサール神田
【主催】SAPジャパンジャパン株式会社
【参加費】無料・事前登録制
【定員】300名
【詳細・お申し込み】  http://www.sap.com/japan/techjam/

≪プログラム≫
開発者、技術者向けイベントとしてその内容を吟味しており、従来からのSAP技術者のみならず、SAP HANA上でオープンな技術を活用して新たな価値創造を目指す方々にもお応えできるよう、また、SAP S/4HANAの技術情報も盛り込むなど、魅力あるコンテンツ満載となっています。

(本内容は SCNのBlog ” SAP HANA Cloud Platform – Setting the stage (Part 1)” の内容を基に抄訳、意訳したものです。 ご興味のある方はぜひ原文もご参考ください。)

ご質問はチャットWebからも受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

●お問い合わせ先
チャットで質問する
Web問い合わせフォーム
電話: 0120-554-881(受付時間:平日 9:00~18:00)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

連記事

SAPからのご案内

SAPジャパンブログ通信

ブログ記事の最新情報をメール配信しています。

以下のフォームより情報を入力し登録すると、メール配信が開始されます。

登録はこちら