SAPのPaaSでコールセンターやWebサイトの短期システム開発を実現したダノン社


SAPジャパンの山澤です。前回の記事では、SAPのPaaSであるSAP HANA Cloud Platform(HCP)の概要、利用用途、SAPクラウド戦略における位置づけなどをご紹介しました。

クラウドと言えば、早期にプロジェクトを開始する俊敏性や、コンピューターリソースの割り当てを必要に応じて容易に変更する柔軟性などが大きな利点の一つですが、SAP HANA Cloud Platformはこれらに加え、ユーザーフレンドリーなインターフェースの構築を短期に実現したり、他のアプリケーションとの容易な連携を可能にするなど、技術者の方にとってうれしいさまざまな特徴があります。

この記事では、これらの特徴を最大限に活用して、短期アプリケーション開発を実践されたGroupe Danone(ダノン社)の事例についてご紹介します。

本社同様の環境を遠隔地でも素早く構築

ダノン社といえば、ヨーグルトを真っ先に思い浮かべる方が多いと思います。実際に同社の起源はヨーグルトにあり現在も主要製品の中心ですが、グループ全体では世界最大手の食物、飲料と機能性食品メーカーの一つとして位置付けられています。

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パリに本拠を置くダノン社にとって市場の拡大は大きな命題です。また、ダノン社の成長計画において、地域特性に合わせたブランド戦略を実地することは重要な要素です。そのため、同社におけるシステム基盤の整備が不十分な発展途上国においても、同様の品質・サービスレベルを確保する必要があります。それらの地域において多くの人々が携帯電話を保有しており、クラウドの利点を活かすことでダノン社は顧客とつながることができます。 

ダノン社が最初に取り組んだクラウドプロジェクトは 同社が南アフリカに拠点を構える顧客コールセンターです。受注から支払までのサイクルを一つのシステムで管理することが可能なシステムを、本社同様の環境で遠隔地でも構築しました。同社は、クラウドによる開発の俊敏性や、クラウド上に展開されるシステムへのアクセシビリティを活かすことで、プロジェクトを素早く推進することができました。

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セキュリティの気になるデータ連携も安全に

ダノン社のドイツで運営されるオンラインストアでは、SAP HANA Cloud Platform上で製品マスターや、製品イメージ、栄養価、価格などの情報を管理するSAPシステムと、製品カタログを統合して利用しています。これを実現するのがSAP HANA Cloud Connectorです。

SAP HANA Cloud Connector

SAP Cloud Connectorでは、HCP上に構築したクラウドアプリケーションとオンプレミスとの安全な通信経路を構築することが可能です。オンプレミスファイアーウォールに対してクラウドからの外部アクセスを許可するといった設定を行う必要はなく、クラウドアプリケーション、コンピューターリソース、SAP HANA Cloud Connectorで使用するクラウドアプリケーションなどのきめが細かい制御を可能にします。

たったの2カ月でアプリケーション開発を実現

ダノン社では、アプリケーション開発サイクルに関してもSAP HANA Cloud Platformの恩恵をうけており、その開発サイクルは当初の計画に比較して非常に速く行えるようになっています。最新のビジネスウェブアプリケーション開発のために利用されたUI development toolkit for HTML5 (SAPUI5)は、開発者の技術習得を効率化しており、最初のアプリケーションの開発はおよそ2カ月で完了しています。

UI development toolkit for HTML5 SAPUI5)によるアプリケーション開発

SAP HANA Cloud Platformを使用して、クラウド上でのHTML5の軽量なアプリケーションの開発実行を容易に行うことが可能です。SAP HANA Cloud Platform上で行うHTML5アプリケーションの開発は、JAVAアプリケーションの開発に比べて敷居が低く、SAPUI5で開発したアプリケーションはオンプレミスやオンデマンドのRESTサービスに接続が可能で、連携アプリケーションを容易に構築することができます。

ユーザーの需要によってリソースを調節する能力は、クラウドサービスにおける重要な利点ですが、SAP HANA Cloud Platformを利用することで、信頼性が高くスケーラブルで安全な基盤を利用しながら小規模に利用を開始することができ、発展に合わせた調達も可能になります。

今後の展開

ダノン社では今後SAP HANA Cloud Platformの使用を拡大し、FacebookとTwitterのようなソーシャルネットワークのデータを結合して、SAP HANAデータベースでそれらの分析を行う予定です。それらのソーシャルデータから得られる消費者の声を集約し、意思決定につなげるデータ活用を行いながら、新しい市場機会を調査していきます。

SAP HANAによる高度な分析

SAP Predictive Analysis Library (PAL)は、クラスター分析、分類分析、アソシエーション分析などの広範囲にわたる分析アルゴリズムを実装するアプリケーションのアドオンセットです。そして、複雑で重い分析計算がアプリケーションサーバーの代わりに、DBで直接実行されるので、非常に高いパフォーマンスとともに最適化されています。SAP HANA Cloud Platform上で、PALのフルパワーを使うことができます。

「SAP HANA Cloud Platformにより、大変美しくユーザーにとって使い勝手のよいアプリケーションを迅速に開発することができます。そして、消費者のデータを直接我々のバックエンドシステムに接続することで新しい可能性を広げています。また、これらのデータを分析するためインメモリーデータベースであるSAP HANAを活用しています。」ダノン社のディレクター・ソフトウェア・アーキテクトのラルフ・シュタインバッハはこのように話しています。

そのほかにも、SAP HANA Cloud Platformは、IoTの基盤SAPのスポーツビジネスの基盤など幅広い領域で活用されています。ご興味のある方は合わせてご一読いただければ 広範囲にわたる活用例をご確認いただけると思います。

今回はクラウド開発基盤であるSAP HANA Cloud Platformのメリットを最大限に生かしながら、かつSAP HANA Cloud Connectorによるオンプレミスとの安全な接続やSAPUI5による短期間でのアプリケーション構築を実践されているダノン社の事例を紹介させていただきました。次回も引き続きSAP HANA Cloud Platformが提供する特徴的なサービスについてご紹介したいと思います。

SAP HANAの最新情報に触れていただけるよう、SAP HANAプラットフォームに特化した国内初となるテクノロジーイベントの開催を予定しています。SAP HANA Cloud Platformセッションもございますのでご興味をもたれた方はぜひ以下のイベントへの参加をご検討ください。

SAP Tech JAM
~ 開発先駆者が拓くITの新時代・SAP HANAの祭典 ~

≪開催概要≫
【日時】2015年5月20日(水) 10:00~19:00 (受付開始 9:30)
【会場】ベルサール神田
【主催】SAPジャパンジャパン株式会社
【参加費】無料・事前登録制
【定員】300名
【詳細・お申し込み】  http://www.sap.com/japan/techjam/

≪プログラム≫
開発者、技術者向けイベントとしてその内容を吟味しており、従来からのSAP技術者のみならず、SAP HANA上でオープンな技術を活用して新たな価値創造を目指す方々にもお応えできるよう、また、SAP S/4HANAの技術情報も盛り込むなど、魅力あるコンテンツ満載となっています。

※本稿は公開情報をもとに筆者が構成したものであり、ダノン社のレビューを受けたものではありません。

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