SAP HANA導入・運用時の不安を払拭する品質管理、テストソリューションとは
作成者:鈴木 功彦 投稿日:2015年5月1日
数多くのお客様やパートナーとの会話を通じて感じることは、SAPソフトウェアをはじめて導入されるお客様や、すでにSAPをお使いで新しいバージョンやプラットフォームへの移行を計画されているお客様におけるIT部門担当者や責任者の方々にとって、「新しいシステム」の導入・運用に関する共通の不安のようなものがあるのではないか、ということです。特に、現在SAPが推進しているインメモリープラットフォームであるSAP HANAのような革新的な新テクノロジーの導入ともなると、以下のような懸念をお持ちの方も少なくないと考えています。
- SAP HANA導入のメリットを早く、確実に出すことができるのだろうか?
- 導入前に期待(計画)したパフォーマンスを出せるのだろうか?
- 移行にあたってデータの整合性は大丈夫だろうか?
- テスト工数はいったいどれくらいかかるものなのだろうか?
- システム全体の品質はどう担保すればいいのだろうか?
SAPでは、このようなお客様の不安や懸念を取り除くために、品質管理やテストに特化した「Quality Assurance Solutions」をご用意しています。
テストの自動化や管理効率化をエンド・ツー・エンドで支援
SAP HANAを導入することで、その圧倒的な処理スピードによりITのみならずビジネスの変革がもたらされることが期待できますが、一方、導入現場に目を向けますと、採用した各機能が問題なく(計画通りに)動作するのか、利用部門から要求されている性能がはたして出るのか、移行に伴うデータの整合性は担保されているのかなど、IT部門はさまざまな懸念を抱えることになります。これらの懸念を払拭するためにとるべき重要なアクションのひとつは十分な質と量のテスト(試験運用)ですが、テスト実施時には予定外の工数がかかることがあります。たとえば、懸念点として挙げられていた項目が1回のテストでクリアになれば良いのですが、実は多くのケースではテストを実施した結果何らかの問題が発見され、その問題の改修作業を行った上であらためてテストを実施するという作業が繰り返されることになり、多くの工数と時間を費やす恐れがあります。
また、性能の検証にあたってはシステムにある程度の負荷をかけた状態でテストを実施する必要がありますが、現実的にそのような負荷をどういう方法で発生させれば良いのかという点も課題となります。さらに、無事に運用を開始できたとしても、システムのアップグレードやパッチの適用などシステム変更にともなう回帰テストが必要となり、IT部門は移行時と同様の課題に継続的に直面することになります。
導入前後の不安解消のためにテストを実施するのだけれど、そのテスト自体が非効率であるとさらなる懸念を生じてしまう、という負のスパイラル…。このような状況を打破するためにSAPではテストの自動化やその管理の効率化に力を入れており、自社開発の製品やビジネスパートナーが提供するソリューションを組み合わせて、お客様を全力でサポートしています。それが、Quality Assurance Solutionsです。
では具体的に見ていきましょう。Quality Assurance Solutionsは、テスト自動化、テスト管理、テストデータ自動作成といったツールで構成される、トータルテストソリューションです。
SAPから提供するテスト自動化ツールは、機能要件を検証するための「機能テスト」から、非機能要件であるパフォーマンスやセキュリティを検証するための「負荷テスト」「セキュリティテスト」まで、プロジェクト内で必要なあらゆる種類のテストの自動化を実現でき、繰り返し実行されるテスト作業の効率を飛躍的に高めることができます。
SAP Quality Center by HPで万全の品質管理を
これまでご紹介したSAPのテスト自動化ツールと、Hewlett Packardが提供する統合品質管理ツールである「SAP Quality Center by HP」とを連携させれば、各自動テストツールで作成したテストスクリプトをいつでも再利用できる形で一元的に保存でき、テストの効率が劇的に向上します。
【参考記事】
システム開発・運用現場の理想と現実。「出たとこ勝負」から脱却するためのヒントとは?
https://www.sapjp.com/blog/archives/3543
海外企業のシステム開発現場に学ぶ“日本人気質”に似た「品質へのこだわり」
https://www.sapjp.com/blog/archives/3897
SAP Quality Center by HPでは、ビジネス要件からITシステム要件、テストケース(自動テストスクリプト)、テスト実行結果、不具合情報といった、品質管理に関するさまざまな角度からの情報をトレーサビリティが担保された形で保持することができるので、「ビジネス側から見て重要なシステム機能はどれ」で、「それを検証するためのテストケースはいくつ割り当てられて」いて、「それぞれのテストはどのような結果だったのか」、「ビジネスに対してインパクトのある不具合は検出されているのかどうか」といったことを容易に把握することができるのです。
SAP Quality Center by HPの優位性は、2015年5月20日に東京・神田で開催される「SAP Tech JAM」の日本ヒューレット・パッカードのセッション『HANA導入・運用の不安を払拭する!HPのミッションクリティカルSAP HANAソリューション』でも詳しくご紹介します。ご興味のある方はぜひ当イベントへ足をお運びください。(イベント詳細は文末に記載しています)
テスト効率をトータルでサポートするSAP
SAPでは、テストを実行に使用するデータを実運用環境から「必要な分だけ」「工数をかけずに」、検証環境へコピーし、品質の高いテストデータを準備するツールであるSAP Test Data Migration Server (SAP TDMS)や、仮想化環境を利用して必要なテスト環境を迅速に準備できるSAP Landscape Virtualization Management、およびシステム連携環境において連携先のサービスをシミュレーションする機能を持つSAP Service Virtualizationなど、テスト環境を効率的に準備するためのソリューションもあわせて提供しており、お客様環境におけるテスト作業の効率化をトータルでご支援します。
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~ 開発先駆者が拓くITの新時代・SAP HANAの祭典 ~
≪開催概要≫
【日時】2015年5月20日(水) 10:00~19:00 (受付開始 9:30)
【会場】ベルサール神田
【主催】SAPジャパンジャパン株式会社
【参加費】無料・事前登録制
【定員】300名
【詳細・お申し込み】 http://www.sap.com/japan/techjam/≪プログラム≫
開発者、技術者向けイベントとしてその内容を吟味しており、従来からのSAP技術者のみならず、SAP HANA上でオープンな技術を活用して新たな価値創造を目指す方々にもお応えできるよう、また、SAP S/4HANAの技術情報も盛り込むなど、魅力あるコンテンツ満載となっています。
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