SAPは使いづらい?!デジタルネイティブが本音で語る 進化したSAPのUIとは?


初めまして、SAPジャパンでプリセールスをしております濱田と申します。本ブログでは、デジタルネイティブ(1990年生まれ)として育った者の観点から、SAPのユーザーインターフェースについて思うところと、このブログでも何度か紹介されてきましたが、SAPの最新のインターフェース製品であり、私の担当でもあるSAP Fioriについて簡単にご紹介させていただきたいと思います。

SAP GUIとの出会い

いきなりですが、皆さんがもしSAPをお使いになったことがあれば、初めてSAP GUI(SAP R/3など多くのSAP製品で使われている標準画面)をご覧になったときに、どう思われましたか?

図1:SAP GUIにおける受注登録画面

図1:SAP GUIにおける受注登録画面

私が初めてSAP GUIと出会ったのはさかのぼること約1年前、入社後の研修で初めて受注登録の画面をみたときですが、とても複雑そうだな、というのが正直な感想でした。狭い画面にびっしりボタンとタブが配置されており、1つの注文にどれだけの作業をするのかと身構えました。しかし実際の動きをみていると、ほとんどは使わないものばかりです。それでも画面に並ぶ機能の多さゆえに、このユーザーインターフェースを使うには、そのための手順を覚えなければなりません。さらに、ある箇所の入力をまちがえると、そこを修正するまで微動だにしない仕組みのおかげで、それを知らなかったころはPCがフリーズしたのかと何度も思いました。入力をキャンセルすることすら許してくれない時もあります。また、きれいなポップアップやドロップダウンなどは一切出てこず、入力フィールドが無数に埋め込まれた画面には、なんて古い画面なのかと感じました。

これが当時SAPの標準画面だったSAP GUIに対する正直な私の第一印象でした。それでも時間がたち、さまざまなトランザクションに触れるにつれ、SAP GUIの画面は、実は非常に精巧にできていることがわかり始めました。たとえば、あまたのタブはすべての情報をOne Placeで管理する目的のために存在するのであり、それにより異なるロールの方が同じ画面を見ながら操作ができ、システムの利便性を高めます。入力ミスをした際に動かなくなるのは、入力の正確性を高めるものですし、無数の入力フィールドは、マウスを一切使うことなく、エンターキーのみでフィールドを遷移していき、高速に入力処理を行うことを可能にします。これは多数の伝票処理などにおいて特に力を発揮します。SAP GUIがSAP GUIたるゆえんは、そういったプロフェッショナルのためのユーザビリティーを求めた結果でした。

しかし、こういった良さはありつつも、時代によってUIに求められるニーズは変化しより高度なものになります。SAPでは近年、業務システムのシンプル化をスローガンとして活動を行っていますが、これはUIに関しても例外ではなく、さらに使いやすいUIを目指して開発を進めています。そしてUIのシンプル化に対するSAPの答えが、SAP Fioriと呼ばれるUIコンセプトです。

新たなSAPインターフェース、SAP Fiori

図2:SAP Fiori

図2:SAP Fiori

SAP FioriはSAPシステムのUIをHTML5、Javascript、CSSといったオープンな技術で作成し、Webベース(HTTP)でSAPシステムにアクセスするSAPの新しいUIコンセプトです。このSAP Fioriの特長を今回は大きく4つに分けてご紹介したいと思います。

 (1)直観的なインターフェース

SAP Fioriは単純にHTML5などでSAP GUIの画面を書き直したものではなく、それらをより直観的に使えるように再構成しています。SAP GUIの画面は、画面内により多くの機能と情報を盛り込むことでシンプルさを確保していますが、SAP Fioriは、ユーザーの役割と業務フローに応じて機能を細かく切り分けることで、従来とは違った形でのシンプル化を図っています。

そのように機能を切り分けることで入力フィールドやボタンは最小化され、システムに初めて触れた方でも、何を行えば何が起きるのかが一目でわかるようになっています。(図3休暇申請の図参照)

また、データのビジュアル化を行うことにも努めています。図4は、ある特定の製品の在庫・入庫・出庫予定を把握するための画面です。SAPユーザーの方には在庫所要一覧と言えばわかりやすいと思います。従来は数値であったものがバーで表示されわかりやすくなっています。この画面ではこうしてグラフィカルに在庫の状態が把握できるだけでなく、在庫の不足を事前に察知したのち、それに対するアクションをシステムが提案してくれる機能もあり、いずれかの選択肢を選ぶとその結果をバーが動いてプレビューとして表示します。

図3:SAP Fiori(休暇申請)

図3:SAP Fiori(休暇申請)

図4:SAP Fiori(MRPコックピット)

図4:SAP Fiori(MRPコックピット)

(2)業務分析と業務処理の融合

従来は業務分析ツール(OLAP)と業務処理アプリケーション(OLTP)は異なるシステム上に存在し、それぞれでインターフェースも異なっていました。しかしSAP Fioriでは、業務処理を実行するためのアプリケーションに加え、業務に関するさまざまなKPIを分析・監視するアプリケーションも一つのインターフェースで用意されています。これにより、変化する業務KPIをリアルタイムで表示し、異常値が見つかった場合にはシステムをまたぐことなく、それに対処するための業務処理を行うことが可能となっています。これは今まではハードウェアの能力の制限上できなかったことであり、インメモリーデータベースであるSAP HANAを通じてはじめて可能となっています。

(3) 異なるSAPシステム(ERP、CRM、SRMなど)のインターフェースの統合

上記で述べた業務分析と業務処理の関係と同様に、従来はERP、CRM、SRMなどは異なるログイン画面から異なるインターフェースでシステムにアクセスしていました。しかし、SAP Fioriではシステムへのアクセスポイントをローンチパッドとよばれるポータル画面の中に統一し、1つのログイン画面から、複数のシステムの機能に共通のデザインのインターフェースを通じてアクセスすることができます。

図5:SAP Fioriローンチパッド

図5:SAP Fioriローンチパッド

(4)モバイルデバイスからのシステム利用

SAP Fioriはレスポンシブデザインと呼ばれる技術を採用し、同一のコードでPC、タブレット、モバイルといったあらゆる画面サイズに自動的に対応し動作します。それにより、モバイル利用による業務効率の向上はもちろん、開発の生産性も大幅に向上します。また、デバイスは異なってもコードは同一であるため、すべてのデバイスで共通のインターフェースを通じてアプリケーションを利用でき、迷うことなくすぐに利用することが可能になります。

 

このように、SAP Fioriは、(1)直観的なインターフェース、(2)業務分析と業務処理の融合、(3)異なるSAPシステムのインターフェースの統合、(4)モバイルデバイスからのシステム利用を通じて、誰もが・いつでも・どこでも・どのシステムでも利用できるという、圧倒的にシンプルなシステム利用の形を提供しています。

以上、デジタルネイティブの視点からSAPのインターフェースについて思うところと、最新のSAPのインターフェースソリューションについて述べさせていただきました。SAPはインターフェースに対する課題に積極的に取り組んでおり、SAP Fioriのコンセプトに基づいたアプリケーションを今後も増やしていくことで、ユーザーにとってより使いやすいシステムとなれるよう開発を行っています。そしてそれが、企業のITのシンプル化と真のリアルタイム化に貢献するものと考えています。

今後はこのSAP Fioriのアーキテクチャーなど技術的な側面について詳しくご紹介させていただこうと考えています。

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