複雑な業務を戦略的に捉えるため、DB移行自動化ツールでSAP HANAへの移行をわずか3週間で完了したサフラン


サフランは、ノルウェーに本社を置くソフトウェア会社で、プロジェクト計画と管理を専門としている。プロジェクトというのは、大規模な建設や製造に関するもので、建物、インフラ、油田、航空機など、扱う対象は多岐に渡っている。SAPPHIRE NOW + ASUG ANNUAL CONFERENCEで行われたセッションでは、顧客企業にソフトウェアを提供する会社が、どうSAP HANAへ移行したかと、その際に利用された移行自動化のサービスについて紹介された。

データベースを見直すべき2つの要因

photo1サフラン・アメリカCEOのディーン・エドムンドソン氏によると、プロジェクト管理ソフトウェアの市場では、標準的なデータベースを見直す動きが高まっているという。そこにはふたつの要因があるという。

ひとつは、今後データ量が膨大に増えることだ。2020年には世界のデータ量は50倍になると言われているが、建設などのプロジェクトも例外ではない。もうひとつは、現在プロジェクト管理が直面している問題だ。プロジェクト全体のうち、予定通りに完成するのはたった15%、また予算内で収まるプロジェクトは30%しかないという現実だ。プロジェクトの規模が拡大し、その内容も複雑化する中で、こうしたギャップを縮める方法がない。また、どうにかしなければならないと導入したソリューションも、満足できるものでなかったというケースがほとんどだという。

そこで、同社が目をつけたのがSAP HANAだ。同社はこれまでもSAPのソフトウェアを利用しており、また顧客の中にもSAPユーザーが多かった。SAPにSAP HANAへのデータベース移行に関して相談したところ、SAPのパートナーであるロルタを勧められ、データと分析プラットフォームを統合するロルタの『SmartMigrate』というツールを利用して移行が行われた。

SAP HANAで業務を戦略的に捉えることが可能に

SAP HANAへの移行が終わった今、サフランのシステムではこれまでにない方法でプロジェクトを分析することができ、それによって戦略的な判断を下すことが可能になったという。たとえば、プロジェクトポートフォリオマネージメントのソリューションでは、次のようなことができる。

下は、ある会社が自社プロジェクトについて、期間内に竣工したもの、竣工できなかったもの、予算内に収めたもの、収められなかったものを分布図にしたものだ。これを見るだけで、この会社は過半数のプロジェクトを期間内、予算内に収めていることがわかる。

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次に、ここで出てきたプロジェクトを別の指標で分布させると、経営に関わる新たな側面が見えてくる。そのプロジェクトのリスクや利点、企業目標との合致といった点で分布し直したのが下の図だ。報酬が大きく成功を収めた右上のプロジェクト、報酬が大きいが成功しなかった右下のプロジェクト、手堅いが報酬の低い左上、そして報酬も成功率も低い左下のプロジェクトの分布がわかるのだ。

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もし、ここで企業判断として、成功率の高いプロジェクトだけに絞ろうとするならば、さらに上段のプロジェクトを詳細に分析することが必要になるだろう。個々のプロジェクトを管理するだけでなく、プロジェクト全体を見渡してリスク管理したり、トレンドを分析したりすることもできるようになる。プロジェクトのデータが、戦略的な判断に利用されるのだ。

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これは一例だが、SAP HANAへの移行で、同社はプロジェクトやプロジェクト全体のポートフォリオを多角的な視点から分析し、計画することが可能になった。

もうひとつ、この移行で目的にしていたのは、多くのアプリケーションを単一のビューで操作できるようにすることだ。プロジェクト管理には数多くのアプリケーションが関わっているが、これまでは各プロジェクトにそうしたアプリケーションを個別に入れ込むような方法で運営を行ってきた。だが、SAPとサフランのシステムを統合したことで、ユニファイドビューが可能になり、すべてがひとつの統合されたプロセスの中にまとめられるようになった。

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ロルタのラジェシュ・ラムチャンドラン氏によると、SAP HANAへの移行は、自社のデータ量や、求めるトランザクションの処理スピードなどに基づいて、総合的に捉える必要があると述べる。同社の移行自動化ツール『SmartMigrate』は、SAP HANAのために最適化したものだったという。

SAP HANAへの移行は、ウィザードを利用しながら、ビジネスウェアハウス、データベース、アナリティクス、アプリケーションへと段階を追って行われる。移行先は、オンプレミス、クラウドいずれにも対応する。これまで移行をサポートした例では、67もの異なるデータベースを抱えた企業もあったという。サフランの移行はかなり速く進められたと、エドムンドソン氏は言う。「移行には3~4カ月かかると覚悟していましたが、それが1カ月で済むと言われて驚きました。ところが、実際にはたった3週間だったのです」と、そのスムーズさを語っている。

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ロルタは、データ量による固定価格で『SmartMigrate』サービスを提供しており、オラクルSQLからSAP HANAへの移行は3万~6万ドルが典型的なコストだという。移行を簡易にするこうした自動化のツールが出てきたのは、時代の要請とも言えるかもしれない。

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