中小企業のサプライヤーも大企業と同じ舞台に立てるビジネスネットワークの今


2015年5月5日から3日間にかけて米国フロリダ州オーランドにて開催されたSAPPHIRE NOW + ASUG ANNUAL CONFERENCEでは、「マイクロフォーラム」と呼ばれるセッション形式がある。

通常のセッションでは、比較的大きなサイズのシアターや会議室でスライドを利用して講演が進むが、このマイクロフォーラムはインダストリー関連ブースに隣接して設けられたオープンなアルコーブで行われるためライブ感がある。また、限られたスペースで行われるため親密感があり、ちょっと立ち寄ってみようかという気軽さもあるのが特徴だ。

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自社の購買業務をアリバのビジネスネットワークに統合した実例を話し合うこのセッションも、そんなマイクロフォーラムのひとつだ。

企業間における間接材売買のプロセスを完全自動化

2012年にSAPが買収したアリバ(Ariba)が運営する「アリバ・ネットワーク」は、主に間接材を売買するマーケットプレース*である。年間総額7000億ドルの物品やサービスの売買が行われる場であるアリバは、取引のスタートから完了まで、つまり提案書から契約、発注、請求書、支払いまでの一連の手続きを一貫して自動化するプラットフォームで、現在世界で170万社が利用している。

*マーケットプレース
商品の売り手となる企業と買い手となる企業を結びつけて、調達業務や販売業務を電子的に進めるインターネット上の取引所のこと。

今回のSAPPHIRE NOW + ASUG ANNUAL CONFERENCEでは、劇団のシルク・ド・ソレイユもアリバを利用していることがビデオで披露された。同劇団は衣装用の素材や舞台装置用の建材などをアリバ・ネットワークで調達。世界中の会社との膨大な取引を効率的に行えると評価していた。

さて、このマイクロフォーラムには、大企業と中小企業両方の立場からアリバを利用するようになった契機やその体験が語られた。

IBMでグローバル・オンラインコマースソリューション・コンサルタントを務めるボブ・ブルックス氏は、かつてアリバに在籍していたという経歴の持ち主である。現在IBMでは、アリバを利用して150社の顧客企業に納品を行っており、年間40億ドルの取引を行っているという。

最初の顧客になったのは、通信会社のAT&Tだった。当初は、技術的な話題や顧客サービスに関する話題をやりとりしていたが、そのうち実際の取引を開始するようになり、それをアリバ・ネットワークで行うようになった。アリバ・ネットワーク利用前の取引は、大企業らしくEDI(電子データ交換)が要請され、また紙のやりとりも多量にあった。その煩雑さを避けるためにアリバを利用したのだ。

一方、cSubsは社員25人の企業だ。企業のコンテンツ購読管理をサポートするソフトウェアサービスを提供している。同社が最初にアリバを利用したのは2006年のことで、顧客企業からの要望を受けてのことだった。その後、アリバ・ネットワークに「パンチアウトカタログ」を載せ、顧客がそこから効率良くコンテンツを管理できるようにした。現在、同社の売上の35~40%はアリバを介したものだという。ことに、注文書をそのまま電子請求書に転換できる「POフリップ」のしくみが便利だと評価している。

アリバ・ネットワークの特徴のひとつは、このようにIBMのような大企業もcSubsのような中小企業も同じようにサプライヤーとして肩を並べることができる点だ。ブルックス氏は、「アリバは、小さなサプライヤーを探し出して助けてくれるしくみです」と説明する。買い手企業と売り手企業が共有する目的を遂行できるよう、双方にとってWin-Winになるように仕組まれたプラットフォームだということだ。

プロセスが見えるようになって、小規模企業のサプライヤーの心配も減らす

これまで、小規模なサプライヤーは納品をして請求書を送っても、支払いが心配になり、請求書が相手の手元に到着したのかどうかまで気になってしまうことがあっただろう。だが、アリバを利用すると、現時点で何が起こっているのかが透明になり、そうした心配がなくなる。

ブルックス氏はこうも言う。「小規模なサプライヤーはアリバを使う利点がよく理解できないことも多いのですが、注文の変更など面倒なことに対応するうちに、伝票が机の上に放置されたままになるなど、結局損をするということはよくあります」。人手の少ない中小企業だからこそ、アリバのようなツールで効率化を図り、大企業と同じ競争力の土台に立てることの利点があると言える。アリバ・ネットワークを利用すると、運用経費が60%削減され、取引のサイクルが50~75%短縮され、売上は5~30%拡大することが、同社が顧客を対象として実施したベンチマークの結果から明らかになっている。

このマイクロフォーラムに参加した10人足らずの人々は、みなアリバ・ネットワークの利用を検討しているという。彼ら参加者にとっても、こうした親密なマイクロフォーラムは、講演者の経験や知識を共有しやすい設定であっただろう。

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