従業員数5名のISVでもSAP HANAプラットフォームでソフトウェアビジネスに付加価値を。小規模ISV向けOEMプログラムのご紹介

作成者:John Stark 投稿日:2015年6月8日

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Group of entrepreneurs working in creative office spaceSAPは全世界で1万社を超えるパートナー企業とそのエコシステムを形成しており、それらの経験豊富なパートナー企業は、SAPのOEMプログラムを通して、自社の製品にSAPのソフトウェアを組み込み、追加し、新たな価値を加えて、ユーザー企業に提供しています。

すでに多くのパートナー企業によってこのOEMモデルが採用されているものの、これまでは主に大規模パートナーが中心となっている側面があり、独立系ソフトウェアベンダー(ISV)には少しハードルが高いものでした。そこでSAPは、コミットメントレベルが低く、契約形態も柔軟な新たなISV向けOEMプログラムを、日本市場向けに本格展開いたします。SAP SQL Anywhereなどのデータベースから、BIソリューション、SAP HANAベースのクラウドプラットフォームまでをカバーするISV向けOEMプログラムを提供することで、パートナー企業のさらなるビジネス拡大を期待しています。

新たなイノベーションを短期で実現するパートナープログラム

日本市場に向けて本格展開を進めているISV向けOEMプログラム「SAP PartnerEdge Program for Application Development」は、すでにグローバルでは2年半前から展開している実績あるプログラムです。このプログラムと従来のOEMプログラムとの大きな相違は、売上へのコミットメントが不要、SAPへのロイヤリティの支払いはソフトウェアの販売が発生した時点で支払う、という点です。しかも、支払い枠が固定されている委託契約ではなく、パートナー企業とSAPが決められた分配で分け合う「レベニューシェア」契約を採用しているため、投資コストを最小限に抑えることが可能です。

つまり、これまでより少ないリスクでSAPの豊富なソリューション群を自社製品に組み込むことが可能になります。さらにこのプログラムには、開発ライセンスが含まれるため、開発時やプラットフォームへの展開時には、SAPからのさまざまな支援が提供されます。

このISV向けOEMプログラムで提供されるSAPのソフトウェア製品は、従来のOEMプログラムと同様、データベース、モバイル、分析ツール、中小企業向けERP(SAP Business One)、教育・マニュアル作成ツールまでカバーされています。ソフトウェア製品だけでなく、SAP HANAをベースとするクラウドプラットフォームSAP HANA Cloud Platform(SAP HCP)も提供されるため、パートナーはSAP HCP上でアプリケーションを開発して、クラウドサービスをいち早く立ち上げることが可能になります。

従業員数5名のISVSAP HANA プラットフォームで自社ソフトウェアビジネスの価値を向上

すでにISV向けOEMプログラムを採用しているパートナーは65社あり、そのうちの95%は従業員数200名以下の企業です。この中には、従業員数5名の企業がSAP HANAプラットフォーム を利用して営業分析アプリを開発した例もあります。規模が小さくても気軽にISV向けOEMプログラムに参加して、市場における自社製品・サービスの価値を高めることが可能です。

新たに開発したソフトウェア製品やモバイルアプリはSAPのオンラインストア「SAP Store」で公開することができ、マーケティングに関する支援もSAPから提供されます。SAP StoreではパートナーソリューションをSAPの顧客全体にアピールすることになるため、新たなビジネス機会の獲得も期待できます。

これまで日本においてもOEMプログラムを活用して、具体的な成果を生み出している日本企業が多数存在します。その事例をいくつか紹介します。

介護支援ソフトのデータベースに自己管理性の高いSAP SQL Anywhereを採用して、同社の開発効率向上と顧客の運用負担を軽減

福祉・医療関連のオリジナルソフトを企画・開発・販売するエヌ・デーソフトウェア株式会社では、同社が提供している介護支援ソフト「ほのぼの」シリーズのデータベースに、アプリケーションへの埋め込みやすさと自己管理性の高さを評価して、SAPの自己管理型データベース「SAP SQL Anywhere」を採用しました。OSやプラットフォームを問わず、少ないリソースでデータベース管理者を置けない場所でも利用できる自己管理型SAP SQL Anywhereを用いることで、同社の開発効率向上と顧客の管理負荷軽減に貢献しています。同社は、SAP SQL Anywhereの採用をオンプレミス版から始め、クラウド版、オンデマンド版へと拡張しながら、サービスのラインナップ拡張を計画しています。

需要予測を支援するアプリをSAP HANA上に開発して新たなビジネス機会を目指す

三井物産を親会社に持つSI企業の三井情報株式会社(MKI)は、OEMプログラムを用いてSAP HANA上で市場における需要予測を支援するアプリを開発。新たなビジネス機会の獲得を目指しています。

同社がクラウドベースのSAP HANAプラットフォームを活用して開発したオリジナルアプリは、「リテール向け需要予測」と「リテール向け顧客行動分析」と「SAP HANA向けの全文検索」の3つで、自社でプラットフォームを用意するよりはるかに容易にかつ短期間での構築を実現しました。

1つめの「リテール向け需要予測アプリ」では、エンドユーザーのシステム内にあるマスターデータ、POS データ、購買データ、在庫データ、出荷データなどを需要予測システムに取り込みます。データは高速なSAP HANAに転送され、指数平滑法、ARIMAモデル、回帰分析などの分析アルゴリズムを適用しながら需要を予測します。その結果、注文処理の自動化による労働力の節減や在庫の適正化など、さまざまな業務プロセスの改善が実現します。

2つめの「リテール向け顧客行動分析アプリ」は、店舗に来客した顧客の位置情報を、Wi-Fiアクセスポイントと連動した位置解析エンジンで取得。測位した位置情報をSAP HANAと連携し、リアルタイムで動線分析を行います。これによって店舗における客導線の改善や、顧客へのタイムリーなクーポンの提供が可能になります。

3つめの「SAP HANA向け全文検索アプリ」は、SAP HANAのテキスト分析機能を利用した長文検索システムです。ユーザーがWebアプケーションから長文テキストを入力すると、SAP HANAがバックグランドでテキストを単語に分解して登録します。その結果、ユーザーは分割された語句を検索するだけで元の長文を、より高速に探し出すことが可能になります。

IoT時代を迎え、自己管理型データベースやビッグデータ分析へのニーズが拡大

現在、日本でOEMプログラムに参加している企業の3分の2が自己管理型データベースであるSAP SQL Anywhereを採用しています。SAP SQL Anywhereの特長は、アプリケーションに埋め込みやすく自己管理型のためゼロメンテナンスの点にあります。それでありながら数万ユーザー、数テラのデータまでサポートする柔軟性と堅牢性を確保し、一方で軽量なため、サーバーに限らず、デスクトップPC、ノートPC、スマートフォン、組み込み機器など幅広い範囲で使用することができます。近年のIoTの流れを受けて、デバイスで稼働する自己管理型データベースのニーズは拡大しており、SAP SQL Anywhereのデバイスコンピューターでの利用は年々増えています。SAP SQL Anywhereにはこの自己管理性を活かしたクラウド版もあり、ISVがこれからクラウドサービスを開始するなら、開発・運用管理の負担の少ないSAP SQL Anywhereは必須のデータベースといえるでしょう。

そのほかの採用実績としては、レポート作成アプリケーションのSAP Crystal Reportsを含むSAP BusinessObjects、データウェアハウス専用データベースのSAP IQ、インメモリーデータベースSAP HANAなどがあります。IoT化の流れを受けて、ビッグデータ分析へのニーズは今後も拡大されることが予測され、ビッグデータ関連のアプリ開発を手がける企業にとってもメリットが得られる可能性が高くなります。ソフトウェア製品ではデータマイニングソフトのSAP InfiniteInsightなども提供中で、ビッグデータ対応も容易です。

さらに今後、SAP HANAクラウドプラットフォームのSAP HCPへのニーズが拡大していくことが予測されています。上述した規模の小さなパートナーでも、いち早くクラウドに対応していることを対外的に発信することで、市場での優位性を確保することが期待できます。

こうした新しいビジネスをご検討されて見ませんか?

今回ご紹介したISV向けOEMプログラムへの申し込みは簡単で、セルフサービスでの申し込みにも対応しています。さらにパートナー向けコミュニティーも用意されていることから、ネットワークを通じたビジネス機会の拡大に向けてご活用いただけるはずです。このISV向けOEMプログラムの詳細は、2015年5月20日に開催されたSAP HANAプラットフォームに特化した国内初となるテクノロジーイベントSAP Tech Jamで紹介され、日本でも本格展開を開始いたしました。このISV向けOEMプログラムにご興味をもたれましたらぜひお問い合わせください。

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