実績データからだけでは見えない『意外な消費者心理』を見える化し活用する方法


SAPジャパンの瀬尾です。暑い毎日が続きますが、読者の皆様はいかがお過ごしでしょうか?

7月10日のニュースリリースをご覧になられた方も多いと思いますが、今回はソーシャルデータのビジネス活用を支援する「SAP Social Media Analytics by NetBase」をご紹介したいと思います。FacebookやTwitterをはじめとしたクラウド上で展開されるソーシャルメディアのデータをリアルタイムで分析するためのソリューションです。

売上実績データやコールセンターの苦情データだけでは見えない『消費者の意外な心理』をソーシャルデータ分析でどう見える化し意思決定につなげていくか、事例を交えて説明したいと思います。

消費者のつぶやき分析から生まれたヒット商品

最初に、ソーシャルメディアのデータを分析することの重要性を示す、典型的な事例をご紹介します。

あるヨーグルトメーカーでは、POS経由で上がってくる売上データの分析から、既存の商品ラインナップの中ではプレーン味が売れ筋商品であることが共通認識となっていました。一方、パイナップル味のヨーグルトは売れ行きがかんばしくありません。つまり、POSデータの分析だけを見ると、パイナップル味は消費者から支持されていない『売れない商品』なわけです。ところが、この会社が同ソリューションを使って、ソーシャルメディア上のつぶやきを分析してみると、まったく違う結果が出てきました。パイナップル味のヨーグルトについてのつぶやきを抽出してみると、「店に置いていない」「買うことができなかった」という声が多くあり、消費者はこの商品を買わないのではなく、買えないという状況が明らかになったのです。そこで、パイナップル味の商品を増産して供給量を増やしたところ、それまでは売れないと考えられていたこの商品が爆発的なヒットを記録したのです。

もう1つは、デザートメーカーのコマーシャル事例です。同社ではプロモーションの一貫として、過激な表現を含むTVコマーシャルを特定の地域に展開しました。すると、同社のコールセンターには「表現が過激すぎる」「子供に見せられない」「コマーシャルを止めるように」という苦情が殺到しました。一度はコマーシャルの中止を考えた同社でしたが、ソーシャルメディア上のデータを分析したところ、「面白いアイデアだよね」といった賛同のつぶやきが意外に多いことがわかりました。結果、このTVコマーシャルを使ったプロモーションは継続され、大きな成果を上げることができました。

ここからわかるのは、POSや基幹システムのデータから読み取れる実際の取引データを元にした傾向値と、実際の市場の反応(とくにSNSをベースにした市場感情)は異なることがあり、ソーシャルメディアなどで発信されるつぶやきなどの中に、真の消費者の心理が隠されていることがままあるということです。一見、脈絡がなさそうに見えるソーシャルメディア上の膨大なデータも、的確な分析によって大きな価値を生み出すことができるのです。

消費者の感情レベルまでソーシャルデータをリアルタイムに分析

SAP Social Media Analytics by NetBaseは、米国NetBase社が開発したクラウド型のソーシャルメディア解析サービスを、SAPが自社ブランドとして再販するものです。独自の自然言語解析技術によって、該当テーマの検出頻度やポジティブ/ネガティブ判断、感動や情熱のような感情、購入や返品などの消費者行動、さらに製品サービスに対する意見などの分析を行うことができます。

たとえば、「リステリンは辛いからこそ殺菌力がある」という文を考えてみましょう。単に“殺菌”という言葉だけでは、ネガティブな意見なのかポジティブな意見なのか区別がつかないと思います。しかし、「辛いからこそ殺菌力がある」という文であれば、ポジティブ、つまりプラスの反応であることがわかります。言葉を的確に区切り、それぞれがどの言葉にかかるのかを解析することで、このような感情の度合いのようなレベルまで判断することが可能となります。

『オリンピック』とともにつぶやかれたテーマ。左は大きさで登場回数を表し、右は感情(緑がポジティブ・赤がネガティブ発言)と共につぶやかれている回数を大きさで表す。

ソーシャルメディア上には、数億、数十億というデータがあります。この中から、マーケティング上で必要となる特定のテーマに関わる消費者の感情やつぶやきなどを抽出して提示できるのが、本ソリューションの特長です。さらに、単につぶやいている人の数だけでなく、影響力の大きい人の発言を高く評価するという『クラウトスコア』も表示可能なため、より効果的な分析結果を提供することができます。

SAP Social Media Analytics by NetBaseの分析対象となるメディアには、Facebook、Twitterなど世界的に展開されているソーシャルメディアのほか、amebloや価格.com、楽天などをはじめとする57万を超える日本固有のサイト(ドメイン)も対象にしています。ソーシャルメディア上で日々交わされるデータをリアルタイムで分析し、過去12カ月間の蓄積されたデータがいつでも利用できるようになっています。本ソリューションのユーザーには、ウォール・ストリート・ジャーナル社など著名な顧客が数多く含まれています。

基幹業務で蓄積される定型的なデータだけでなく、ソーシャルメディア上の非定型データの分析は、今後ますます重要なビジネス課題となることが予想されます。SAP Social Media Analytics by NetBaseは、まさにこうしたニーズに応えるソリューションなのです。

次回は“ビジュアル・インテリジェンス”とも呼ばれる、最新のダッシュボードを使ったリアルタイムなデータ探索をテーマにお話させていただこうと思います。

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