SAP S/4HANAの新機能MRPコックピット ~ 欠品を予測し対策をシミュレーション

作成者:桃木 継之助 投稿日:2015年7月31日

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SAP桃木です。こんにちは。このブログでは、SAP S/4HANAの新機能の一つであるMRPコックピットを紹介したいと思います。SAP S/4HANAの特徴のひとつは、業務遂行と分析/洞察の一体化です。その端的な例として、新機能のMRPコックピットを見てみたいと思います。

MRP(Material Resource Planning)は、生産計画を立てる際に部品表(BOM)を展開し在庫の所要量を計算することが核となる機能です。需要が変動するなかで、生産計画の担当者は欠品が置きないように、部材の手配など計画を修正していきます。このMRPの処理が、SAP S/4HANAの即時集計の機能を用いて大きく変わりました。

MRP処理担当者は、今後の欠品予定を即時に把握し、欠品に対する対策候補を把握し、各対策の効果をシミュレーションして、迅速に対策を講じることができるようになります。

具体的にどのような処理ができるのか、画面を参照しながら見ていきましょう。

1. 欠品が生じる商品の確認

まずMRP処理担当者は、自分が担当している製品が、新たに入ってきた受注によって、いつ欠品になるか即時に把握をします。

画面右側「利用可能在庫」の欄で、赤く表示されている箇所が欠品発生の日程です。
ここでは今後21日間を見ています。(確認する期間は自由に変えられます)
一列目の商品は、6月15日に発生し、数量80個。最優先で対応すべき商品であることが分かります。

欠品監視_2

 2. 欠品の時期と期間と数量の把握

それでは、この最優先の商品の詳細を確認してみましょう。
受注の数量と生産の数量の差分から欠品が生じる過程を見てみます。
時期、期間、数量の情報を一目で把握することができます。

在庫所要量一覧_2

 3. 対応策の推奨の確認

欠品に対して対応策を考えたいと思います。対策を講じる欠品を指定するだけで、推奨する対応策をシステムが提示してくれます。この推奨案は、システム内に保持する部材の納入リードタイムなど複数のデータから自動的に計算されたものです。

ここではプラントの変更や、在庫の転送など複数の対応策があることが分かります。各対応策の推奨度合いは★の数で表されます。

対応策_2

 4. 対応策のシミュレーション

各対応策をクリックすると、いつ在庫が補充され欠品を回避できるかを一目で把握することができます。上の図では、6月16日に90個の品不足、さらに6月20日には180個の品不足の予定でした。下の図では、在庫を転送するという対応策により、6月16日時点で180個の在庫を転送することで、欠品を回避できるということが分かります。

シミュレーション_2

5. 対応の実施

適切な対応策を決めたあと、すぐに対応策の指示をシステムに入力します。
在庫の転送であれば、在庫転送の日付と数量を入力します。
調達する際は、仕入先、数量、日程を入力します。
(一時的に仮保存しておきたい際は「あとで依頼」とすることもできます)

購買発注_2

さて、ここまで新機能のMRPコックピットを見てきました。実際の画面を見たい方はYouTubeにデモ動画をアップしていますのでコチラをご覧ください。

MRP処理担当者が、今後の欠品予定を即時に把握し、欠品に対する対策候補を把握し、各対策の効果をシミュレーションして、迅速に対策を講じる、といった一連の業務に際し、SAP S/4HANAがどのように業務や意思決定を支援してくれるかをご理解いただけたかと思います。

SAP S/4HANAの特徴のひとつである、業務遂行と分析/洞察の一体化の例としてMRPコックピットをご覧いただきましたが、このような新機能がSAP S/4HANAには詰まっています。

これまでの記録をするためのシステムから、業務や意思決定の品質を向上する“業務遂行と分析/洞察の一体化”へ。基幹システムの姿も大きく変わってきていますね。

【参考情報】
MRPコックピットを含む、SAP S/4HANAの詳細資料は以下からダウンロードできます。
https://www.sapjp.com/blog/archives/resource/solution-collection-2015-summer

しなやかな需要対応が競争力を高める――SAP HANAが実現する高速MRP
https://www.sapjp.com/blog/archives/mrp-saphana

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