介護・福祉分野のベストセラーソフト「ほのぼのシリーズ」の評価を支えるSQL Anywhereの差別化ポイント


インストールや運用が簡単で、モバイルから中・大規模システムまで対応可能な自己管理型データベースSAP SQL anywhere(以下、SQL Anywhere)が、SAPのOEMプログラムの中で参加企業の3分の2に採用されているのをご存知でしょうか。今回はその中で、医療・福祉の分野で大きな実績を持つNDソフトウェア株式会社に、SQL AnywhereをOEM導入した成果やメリットについて伺ってみました。

管理者不要のSQL Anywhereが介護業務にもたらすアドバンテージ

医療・福祉関連のオリジナルソフトウェア製品の企画・開発・販売までを自社で手がけるISVとして、業界トップクラスのシェアを誇るNDソフトウェア株式会社(以下、NDソフトウェア)。同社の主力製品として2万超のユーザーを持つ介護支援ソフト「ほのぼのシリーズ」にはすべてSQL Anywhereが採用され、PCからモバイルまで統一されたデータベース環境を提供しています。

SQL Anywhereを自社製品のデータベースに採用した一番の理由として、同社のICT事業部 ITソリューションセンター センター長を務める山口孝弘氏は「簡単で誰にも使いやすいこと」を挙げます。介護・福祉系のユーザーには、ITの運用に慣れていない方も少なくありません。そこで同社ではパッケージ開発に際して、介護業務に必要な機能を十分に備え、誰もが簡単に使えること、しかもエンドユーザーがまったく手を加えなくてよい仕組みを作ろうと考えました。

「当然データベースも扱いやすく、管理者によるチューニングなども不要でなくてはなりません。その点で、SQL Anywhereはすべての条件を満たしていると判断したのです」(山口氏)

具体的な評価ポイントとして、①インストール/アップデート時のデータベースのインストールが自動化できる、②テーブル構造の設定なども、すべてインストーラひとつで完結できるといった点を挙げています。また、高機能と使いやすさを両立できるデータベースを自社で開発するのは容易ではありません。それよりも実績のある製品を比較・選択してパッケージ化する方が、より効率的で品質向上にもつながると山口氏は明かします。

OEMプログラムの情報提供や技術サポートをフル活用

NDソフトウェアが「ほのぼのシリーズ」にSQL Anywhereを採用したのは2000年。OEM製品としては、すでに15年間の利用実績があります。

「SAP傘下に吸収される以前の、Sybase時代から利用してきました。OEMプログラムへの移行にあたっては、ユーザーの操作性や利便性に大きな変化が生じないように、それまでの製品開発・販売・サポートのスキームがそのまま移行できるような契約にしてもらいました」(山口氏)

またOEMプログラムへの移行後は、SQL Anywhereに関するQ&Aやコンサルティングの提供などが契約に付随して提供されるようになったのも、自社単独で導入・開発していた時にはなかったメリットです。こうしたSAPからのサポートや新情報は継続的に提供されており、「ほのぼのシリーズ」の開発にあたっても、さまざまな技術分野にわたるサポートが実施されました。

具体的には、製品に必要なBI分野などの技術について、SAPの技術者が山形県南陽市のNDソフトウェア本社を訪れて説明するなど、「フットワークよく対応してくれた」と山口氏は振り返ります。また2014年にはSAP主催による「OEMパートナーサミット」への招待を受けたといいます

「この機会にOEMプログラムを利用している同業者の皆さんと交流ができたことが大変よかったと感じています。パートナー同士の情報交換やOEM向け製品の情報などが得られたのは大きな収穫でした」

在宅介護の新たな需要にも柔軟に対応するSQL Anywhere

ここでSQL Anywhereが採用されている「ほのぼのシリーズ」について、もう少し詳しくご紹介しましょう。同シリーズは社会福祉事業者の業務を対象にした、およそ80製品ものラインナップで構成されています。代表的な製品としては、介護・福祉系業務サービスのほとんどを網羅した「福祉業務支援ソフトほのぼのNEXT」はもちろんの事、介護の現場でどこでも簡単に素早く記録入力が行えるタブレット用クライアントソフト「ほのぼのTouch Care Palette」、Android端末を使った訪問介護サービス向け「ほのぼのTouch訪問アプリ」などがあり、これらのデータ収集先としてSQL Anywhereがデータベースとして搭載されています。

ユーザーは介護・福祉の幅広い業務分野にわたりますが、とりわけ近年は在宅介護での需要が増加しつつあります。いまや入居施設の待機者は52万人にも及び、自宅での介護、いわゆる在宅サービスのニーズが劇的に増えているのです。

「これからは在宅介護のひとつである訪問介護や訪問看護といったサービスで働く職員様をサポートしていく、モビリティへの対応が重要な課題の1つになってきます。そうした中、簡単で使いやすく管理者がいなくても運用できる自己管理型データベースのSQL Anywhereは、当社のソフトウェアを選んでいただく上での大きな差別化ポイントになると考えています」

この自己管理型データベースならではのメリットは、エンドユーザーの利便性だけでなく、ISV側にもサポートの負荷軽減をもたらし、より本質的な企画・開発のエネルギーの確保につながると山口氏は付け加えます。

クラウドベースのより安価で使いやすいソリューションを追求

現在の技術トレンドを受けて、NDソフトウェアでもクラウドは最重要テーマの1つだと山口氏は強調します。ユーザーからのクラウド対応を望む声も日増しに増えており、同社ではSAPからSAP HANAについての情報提供を受けるなど、前向きな取り組みを進めています。介護報酬制度の変更で介護業界は厳しいコスト対応を迫られています。同社としても、これまで以上にコストパフォーマンスに優れたソリューションを提供していかなくてはなりません。

「市場競争力という点からも、お客様に『便利な機能を安く利用できる』と感じていただける、クラウドを活用した安価で高機能なソリューションを開発し、アピールしていきたいと考えています」。

そうした取り組みの一環として、山口氏はクラウドをベースとした高機能なビジネスアプリケーション開発のためのプラットフォーム「SAP HANA Cloud Platform(HCP)」にも注目しています。これはSAP HANAを中心に多彩な開発サービスコンポーネントをクラウド上で提供する、ビジネスアプリケーションに特化したグローバルな開発プラットフォーム(PaaS)で、日本国内でも2015年4月から本格的な展開がスタートしています。

「HCPにはSAPの実績ある製品群の機能が集約されているので、信頼性も十分です。これまでのSQL Anywhereを通じたパートナーシップの蓄積を生かしつつ、HCPを当社のニーズにどうマッチさせていけるか検討していきたいと考えています」

今後のビジネスの成長に向けて、在宅介護の拡がりなどを視野に入れたモバイルデバイスや、IoTを利用したサービス提供。また業界での高いシェアを活かした情報分析・活用の可能性に向け、SAPとの協業関係をさらに発展させていきたいと語る山口氏。SQL Anywhereを軸にした新しいソリューションにチャレンジしようと考えているSAPパートナーの皆様にとって、NDソフトウェアの取り組みは、これからの重要なヒントを示してくれるでしょう。