3年で9倍になるビジネスを支えるITインフラとは?- SkullcandyのクラウドERP導入事例


みなさん、はじめまして。SAPジャパンの加藤です。1998年にSAPに入社してからSAP一筋だったのですが、2009年に某クラウドベンダーに転職しまして、先日SAPに出戻ってきました。当然の流れでSAPが提供するクラウドERPであるSAP Business ByDesignを担当することになりました。これから定期的に、SAP Business ByDesign(ちょっと長いので、以下ByDesignと略します)のご紹介をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

突然ですが、Skullcandyってご存知ですか?ヘッドホンとかイヤホン好きな方には有名なブランドだと思うのですが、アメリカのヘッドホントップブランドの一つです。

 

こんな感じですので、ストリート系のブランドですね。正直今までのSAPとはちょっと遠い感じです(笑)。なんでこんな話をしてるかといいますと、Skullcandyは2008年からByDesignのユーザでして(ByDesignがリリースされたすぐ後ですね)、クラウドERPの利用イメージを皆さんに持ってもらうには、なかなかいいショーケースだと思いますので、今回はそのストーリーを紹介したいと思います。

Skullcandyって?

Skullcandyは2003年にアメリカのユタ州で設立されたオーディオメーカーで、イヤホン、ヘッドホン、あとはゲーム用のヘッドセットを製造・販売しています。スノーボードやスケートボードのようなアクティブなスポーツを楽しむ層に、ライフスタイルの一部としてカラフルなファッション性に優れる製品を提供するという、「ストリート系」のヘッドホンの先駆者となる企業ですね。新しいコンセプトが受け入れられて、2006年には900万ドル(10.8億円)だった売上は、2008年には8,000万ドル(96億円)まで成長しています。3年で約9倍!です。(とりあえず1ドル120円で換算してます)

ただこの時点でのITインフラは、ExcelとQuickbooks(USで有名な個人事業者や中小企業向けの会計ソフトです)でした。ここからさらに成長するためのドライバーとして、Skullcandyは以下の要素を挙げています;

  • サプライチェーンを完璧にすること
  • M&Aによる成長
  • IPOによる資金調達
  • ビジネスをグローバルに展開すること

3年で9倍の規模になるビジネスを支えるには?

ExcelとQuickbooksでこれらを実現するのはかなり難しいのはお分かりかと思います。マニュアル作業が多すぎて人を増やさない限りビジネスの規模を拡大できませんし、プロセスの正確さや透明性にも欠けています。これらは急成長する企業が共通して直面する課題です。


「いつの間にか、仕事の量が一人ではこなせないレベルになっていたんだ。二人や三人がかりでないと一つのタスクの処理もできなくなっていた。複数の人間がマニュアルベースで仕事をし始めると、今何が起きているのか、情報を追っていくのは極端に難しくなるんだ」
(Beth Siron, ERP implementation coordinator)


そこでSkullcandyでは今後の成長を支える新たなプラットフォームの選定に入りました。選定の基準となったのは以下のポイントです。

  • 何よりもITが成長の制約となってはいけない!インフラ規模を拡大しなくてもビジネスの拡大が可能なスケーラビリティ
  • サプライチェーンの領域(特に需要予測と供給計画)におけるベストプラクティスの活用
  • IPOが可能なレベルの内部統制が組み込まれたシステム
  • (当然ですが、)IT投資額をビジネスの規模に見合ったものに抑えること

どうでしょうか。従来型のオンプレミスERPでも可能なポイントもありますが、投資額の抑制とスケーラビリティ(ビジネスの規模は毎年2倍とか3倍になっていきます)を両立するのは結構な難題かと思います。海外の新拠点展開も1年とか2年とかかかっていたのでは、全く話にならないので、やはり3か月程度で拠点を立ち上げていくスピード感が必要になります。

なぜクラウドERPを選んだのか?

そこで選ばれたのが、クラウドベース、かつSaaS方式ですぐに使えるERPであるByDesignです。

ByDesignでカバーされる業務領域

ByDesignでカバーされる業務領域

でもSkullcandyの方もSAPを提案されて最初は面食らったらしく、「え、SAPだって?めちゃめちゃでかい会社だろ?ほんとに大丈夫なの?」というコメントもあったそうです。でも、ByDesignが彼らの要件にしっかりフィットすることがわかると、「Skullcandyはまだ小さいし、なによりオフィスでスケートボードしてるような会社だ。でもそんな自分たちのためのソリューションがSAPみたいな会社にあるなんて、おもしろいね」とポジティブな評価をしてくれています。

SkullcandyがByDesignを評価しているポイントは、毎年倍になっていくビジネスを支えるITインフラとしてクラウドが最適なこと、SAPがこれまで蓄積してきたサプライチェーンのプラクティスがすぐに使えること、そしてビジネスにかかわる全ての情報が一つのシステムにすべて集約されていることです。ByDesignは業務を単に処理するだけでなく、そのデータの分析まで一つのシステムで完結できます。いくつかSkullcandyの方の声を紹介します。


「一番のメリットは会社の中で何が起きてるかすぐにわかることだね。今までは、その場その場でいろんなレポートを作らないといけなくて、そのためにものすごい時間を使っていた。今は、利用可能在庫や出荷トラッキングの番号なんかはセールスが自分でアクセスできるようになった。このメリットは本当に大きいよ、一番大事な顧客サービスの改善に時間を使えるようになったからね」(Beth Siron, ERP implementation coordinator)

SAP Business ByDesignにはビジネスのすべての情報が一つのシステムにまとまっていて、会社の中の誰もが、世界中のどこからでもアクセスできる。エラーのリスクも減ったので、スプレッドシートでなく、本当に大事な自分たちの顧客にフォーカスできるようになった」
(Jeremy Andrus, President, Skullcandy)


ちょっと長くなりましたので、今回のByDesign導入ストーリーの紹介はこのあたりにしておきたいと思います。クラウドERPの活用イメージをすこし持っていただけたでしょうか?このストーリーがお客様の生の声として、ビデオになっています

あと、わかりやすいストーリー仕立てとなったビデオもあります。両方とも英語のままで恐縮ですが、見ただけでもSkullcandyという会社のカルチャーがよくわかります(笑)。

ちなみにSkullcandyは2011年にNASDAQに上場し、2014年の売上は2億5000万ドル(300億円)まで成長しています。一見順調に見えますが、実は2013年に売上が30%!落ちてます。次の2014年にはまた20%近くの成長を遂げているのですが、ここにもITが大きな役割を果たしています。その話はまた次の機会にお話ししたいと思います。

ByDesignはこういう急成長するビジネスだけでなく、中堅企業や大企業の海外拠点展開にも役立っています。そういった海外拠点展開の話も次回以降紹介していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。ちなみに少し前ですが、ByDesignを使ったヒルティ社の海外拠点展開のブログ記事もこちらにアップされてますので、興味のある方はご覧になってください。

※本稿は公開情報をもとに筆者が構成したものであり、Skullcandy社のレビューを受けたものではありません。


あとひとつお知らせですが、11月から12月にかけて3回、ByDesignを紹介する1時間ほどのオンラインセミナーを開催予定です。ByDesingの事例や概要デモをお見せいたします。ネットにつながる環境があればどこからでも参加可能です。ByDesignに興味があるお客様、パートナー様はお気軽にどうぞ。

2015年11月5日(木)15:00-16:00
2015年11月19日(木)15:00-16:00
2015年12月10日(木)15:00-16:00

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