SAP® Business One, version for HANA国内初導入
作成者:吉田 彰 投稿日:2016年1月5日
SAP R3がSAP S/4HANAに進化ををしてきたように、中堅・中小企業のお客様や、大手企業の子会社向けにSAPが提供している「SAP Business One」も進化を辿っている。
SAP Business Oneは5万社以上、150カ国以上で利用されているERPであり2015年末にVersion9.2がリリースされるが、SAP Business OneはSAP S/4HANAと同様にリアルタイムプラットフォームであるSAP HANAに対応したバージョンが存在する。
そして中央官庁を中心に地方行政機関、民間企業において、シンクタンク業務を行っている株式会社リベルタス・コンサルティング様にSAP Business One, version for HANAの国内初導入が決定した。同社は2015年10月にICTコンサルティングの業務領域拡大の為に新たなグループ会社設立を行った結果、営業活動も含めた業務改革の必要性が生じた。
グループ全体の経営を効率化するとともに、これら3つのビジネス領域の強みをより発揮し、さらなる生産性の向上を実現する新しい経営基盤の構築を検討。
その結果、リアルタイム基幹業務システムの「SAP Business One, version for SAP HANA」を採用することを決定した。
豊富な実績を持つ日立システムズをパートナーとして選択し導入を行う。
では、SAP Business One, version for HANAが持つ機能を整理する。まずSAP Business One, version for HANAの大きな特色にBusiness Intelligenceとの融合が挙げられる。従来のBusiness Oneに加え、会計・予算・コストを含む42のKPIと21のダッシュボードが組み込まれており、経営者やマネージメントに気付きを与える。
さらに財務・購買・販売の為のインタラクティブな分析レポートが組み込まれ、ドリルダウン等により問題を深掘りし早期発見が可能となる。

Business One ver for HANA ダッシュボード
また日々のオペレーションを図式化したWorkbench(上図:左中央)により業務の流れを明確にする事が出来る。これらのインターフェイスはSAP S/4HANAと同様にFioriベースので実装されている為グラフィカルで使い勝手が非常に良い。
予測についても同様に強化され、中小企業では特に経営者が頭を悩ます事が多いキャッシュフローのシミュレーションが可能となる。このシミュレーションでは受注前のオーダを組み込んだキャッシュフローのシミュレートを行う事が出来る。
加えて需要変動の大きな企業には生命線となるATP(Available to Promise Time:納期回答)や在庫の引当シミュレーション等が企業活動を大きくサポートする。

Business One ver for HANAシミュレーション
この様にリアルタイムプラットフォームであるSAP HANAの特性を活かし従来のBusiness Oneの機能を大幅に強化した「SAP Business One, version for SAP HANA」は業務の最適化だけではなく企業活動全体の最適化を可能にし、最大の目的である”企業の成長”に寄与する事になる。
これから多くの企業が「SAP Business One, version for SAP HANA」を採用していくであろうと考え、クラウド基盤の整備やインテグレーション・ハードウェアを含めたパートナー様と一丸となったチーム体制を強化していきたいと考えている。