SAP HANA Cloud Platformで予測解析アプリケーションを容易に作成するPredictive Services


 

SAPジャパンの山澤です。

数回にわたりSAP HANA Cloud Platform(HCP)の紹介をさせていただき、その中でGamification ServiceForms as a Serviceなどのサービスについての紹介をさせていただきました。 今回は2月にリリースされたHCPのPredictive Servicesについてご紹介をしたいと思います。

SAP HANA Cloud Platform Predictive Services(以下、HCP Predictive Services)は HCP上のアプリケーションに機械学習を利用した予測分析の機能を容易に組み込むことができるサービスです。

HCPはSAP HANA のフル機能を活用可能なクラウドのPlatform as a Service (PaaS)であり、SAP HANAの機能にプラスしてアプリケーション開発のための各種サービスを提供していることは以前にご紹介いたしました。

このSAP HANAは70を超える予測解析アルゴリズムをPredictive Analysis Library(PAL)として提供しており高度なデータ分析を可能にするとともに、Automated Predictive Library (APL) として機械学習エンジンが実装されているため、データサイエンティストに頼らない高度な分析アプリケーションの構築を可能にしています。(これらの詳細については割愛しますが、ご興味のある方はこちらを参照ください。) 従来HCP上でのPredictive機能を紹介する際には SAP HANAがもつこれらの機能についてご説明することが多かったかと思います。

HCP Predictive Services 概要

今回紹介するPredictive ServicesはこのAPLの機能を HCPアプリケーションからRest Webサービスで呼び出すことで機械学習機能を組み込み、既存アプリケーションや新規のアプリケーションに予測機能の付加を行うことで新たな価値を持つアプリケーションの構築を容易にするものです。

Predictive Servicesの各々のサービスは具体的なビジネス要求に合致するビジネス洞察を提供するため、ユーザの業務ワークフローに予測値を密接に連携することで新たな可能性を開きます。

顧客、開発者やパートナーは複雑なモデリング、もしくはデータサイエンティストの高度なスキルは要求されません。 HCP上で解析モデルをどのように作成するかなど予測ライブラリの実装の詳細を掘り下げる代わりに、アプリケーション開発に注力することが可能です。

また、他の利点としてREST APIをいろんなプログラミング言語で使用できることです。JAVAとかHTML5のようなアプリケーションからこれらを活用するアプリケーションをユーザに提供することができます。

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サービス詳細

Predictive Servicesは HTTPSを介してデータのCRUD(Create(生成)、Read(読み取り)、Update(更新)、Delete(削除)) オペレーションをサポートし、JSONのフォーマットで要求や結果のやり取りをします。

また、Predictive ServicesはクラウドアプリケーションとしてSAP HANA Cloud インスタンス上に展開されます。いったんサービスが展開されると、SAP HANA データベース上にスキーマが生成され、サービスによって使用されるデータ(例えばサービスコールヒストリーやジョブ結果)がストアされます。 データリソースはSAP HANA データベーステープルにストアされたデータセットです。それらはPredictive Servicesを使用する前にSAP HANAデータベーススキーマに登録されなければなりません。

Predictive Servicesは同期、非同期の実行をサポートします。長時間を要するモデルに関して非同期時実行によりユーザへの影響を少なくすることが可能です。

Predictive Servicesの最初のバージョンは開発者にとってシンプルに利用でき、ビジネスアナリストによる理解が容易であり、高度な分析の詳細ではなく、ビジネスの要求に対してフォーカスすることを一つのゴールとしています。そのために、最初のアプローチとしてPredictive Servicesは標準の設定が サービスに対して必要十分なアルゴリズムを活用するよう実行されます。上級ユーザは 予測アルゴリズムがモデルでどう実行するかを制御するために、オプショナルなパラメータを使用することができます。 例えば変数自動選択機能を使用や、変数記述の収集、または不要な情報を含むカラムの無効化などです。

アーキテクチャ図

Predictive_app

提供サービス

Predictive Servicesの初期のリリースのおいては 以下のサービスを提供します。 また、将来のロードマップとしてさらなるモデルの追加が計画されています。

Dataset サービス:

Predictive Servicesで使用するデータセットの生成、管理、検索などを可能にします。

  • 他のSAP HANA スキーマの中にストアされたデータセットを登録
  • データセットと変数情報の読み出し、など

Scoring equation サービス:

データセットから予測モデルの構築や予測モデルのスコアリング式のエクスポートを可能にします。

  • 予測モデルをアプリケーションに統合
  • 予測モデルを新規データ上で適用

Key influencers サービス:

データセットを分析し、ターゲットに対して影響を持つ変数を導き出し、これら変数を貢献度に出力します。

  • ターゲットに対する各変数の貢献度
  • 変数値のカテゴリー別貢献度
  • モデル構築から除外された変数の一覧

Forecast サービス:

時系列の分析から検出されるトレンド、周期性と変動をベースにした将来値の予測を可能にします。

  • 参照日付から時系列の次の値を予測
  • 例)予測デマンドをベースにした、どれくらいの製品が注文されるかの計算

Outliers サービス:

異常値検出としてターゲット予測から著しく異なったレコードをデータセットから割出します。

  • 満たされていない属性、慣例に沿わないプロファイルの検出
  • アクティビティをベースにした不正なトランザクション可能性の検出

What-if simulations サービス:

変更によって最も影響のある変動が何かを割り出します。計画的アクションと、予想と比較した重大な偏差結果をシミュレートします。

  • 突発的なアクションの影響の割出として、追加のコスト、ワークロードの再見積もりなど
  • 計画されたアクションとその影響の隠れた関連を調査、確認することによる潜在的洞察の増加

 

まとめ

SAP HCP Predictive Servicesは、パートナーと開発者がビジネス・プロセスに予測能力モデルを組み込むことを容易にするクラウド・ベースのサービスです。

これらのサービスは、SAP HANA Cloud Platformの上に最適化されて構築されています。Predictive Servicesを利用して、ビジネスに予測分析の活用を是非取り入れてみてください。