データの統合・連携がもたらすデジタルヘルスケア - 第6回:ヘルスケアソリューション最新情報はぜひSAPPHIRE NOW 2016で!


昨年、2015年5月5~7日にフロリダ州オーランドで開催されたSAPPHIRE NOW 2015の基調講演は、SAP創業者のひとりであるハッソ・プラットナーからの弊社ヘルスケアソリューション開発の歴史の紹介と、ドイツ国立腫瘍医療センター(NCT : National Center of Tumor Diseases Heidelberg)のクリストフ・フォン・カーレ教授によるMedical Research Insight(MRI)のライブデモでした。このとき紹介されたMRIは、その後SAP Foundation for Healthの一部として2015年12月8日にリリースされました。このように、SAPPHIRE NOWは弊社の最新ソリューションの紹介やその後のソリューション戦略の発表の場です。昨年ヘルスケアのトピックが基調講演を飾ったことに続き、今年もヘルスケアソリューションはSAPPHIRE NOWのメイントピックになることは間違いありません。そこで第6回の今回は、昨年のSAPPHIRE NOW以降のこの1年を振り返り、5月に開催されるSAPPHIRE NOWで発表予定のヘルスケアソリューションをご紹介します。

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2015年の基調講演

NCTとSAPは2013年1月よりMedical Explorerの開発において協業を開始しています。昨年の基調講演では、ハッソ・プラットナーによりクリストフ・フォン・カーレ教授が檀上に招かれました。その模様は以下の動画でご覧いただけます。8分11秒間の動画のうち、2分2秒より、教授によるゲノム解析のデモの部分と個別化医療の取り組みについては日本語字幕付きでご紹介しています。

2016年の目玉トピックは?

 前回お届けした記事のダボス会議では、アメリカ合衆国バイデン副大統領が、アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO: American Society of Clinical Oncology)のCancerLinQのテクノロジーを提供している企業のリーダーとして弊社CEO ビル・マクダーモットを紹介しました。

2010年、ASCOはCancerLinQ構築の検討を開始、2012~2013年にプロトタイプ開発、2013年にデータガバナンスとアドバイザリーコミッティーを確立、2014年に機能要件定義を行いました。

アメリカにおけるがん治療の難しさのひとつに、がん治療に関するすべての情報が非常に限られており、臨床試験に参加する患者のうちのわずか3%の情報に限られ、残りの必要な情報は電子カルテ記録の中に封印されてしまっているという事実があります。これを100%にすることでがん患者に対する治療のあり方を根本的に変えていこう、これがCancerLinQの考え方です。そしてそのためには膨大な医療ビッグデータを扱うことのできるプラットフォームが必要になります。

2015年、ASCOはSAP HANAのテクノロジーをCancerLinQのプラットフォームとして採用し、既に50万人のがん患者の電子カルテ記録がSAP HANAに格納されています。バイデン副大統領のCancer Moonshotがいよいよ動き出します。このトピックは間違いなく今年の目玉のひとつです。

CancerLinQについては、ASCO作製の動画をご覧ください。

未来のビジネスモデルのヒント

実は、昨年10月からのデジタルヘルスケア連載で取り上げたトピックのほとんどは昨年のSAPPHIRE NOWで発表されたものを元にしています。

第1回:先駆者のDNAを受け継ぐ医療管理機関Mercy Healthcare Systemの挑戦

第2回:ハイデルベルク大学病院で始まったプレママの心に寄り添うコネクテッド・ケア

第3回:ゲノム情報に基づいたがん治療福利厚生プログラム - SAP社の個別化医療実践

このうち、ハイデルベルク大学病院のコネクテッド・ケアは昨年の時点ではまだ試作段階でしたが、その後製品化され、先週、3月21日にSAP Health Engagementとしてリリースされました。今年のSAPPHIRE NOWはその正式なお披露目の場となります。このソリューションは、ケアしたい患者の特性や対象の疾病によってさまざまな応用が考えられ、通信機能付医療機器と連携させることでヘルスケアIoTの実装が可能になります。また、そのしくみや基盤の運用は、新たなサービスビジネスモデルの創出を予感させます。

テクノロジーの活用によって患者も医療従事者の方々もその行動様式が変わり、また医療サービスの形態も変わっていくことでしょう。なによりも期待できるのは、患者と医療従事者の方々の満足度の向上と医療コストの削減という、相反する課題を併せて解決する可能性があることです。

もちろん今後もデジタルヘルスケア事例をこの連載で皆様にお届けする予定ですが、最新の動向にご興味がおありの方は、ぜひSAPPHIRE NOWにお越しください。

特別なユーザエクスペリエンスを

SAPPHIRE NOW 2016は、5月17~19日に、昨年と同様、フロリダ州オーランドで開催されます。既に数多くのセッションが用意され、それらは広大な会場で並行して行われることから、それぞれのお客様がご自身のAgendaを作成し、効率的に回っていただくしくみになっています。それだけでなく、ご要望があれば先進的な取り組みを実際に行った方々との個別ミーティングのアレンジを、可能な限りやらせていただいています。

まずは以下のSAPPHIRE NOW 2016のリンクよりお申込みいただき、個別ミーティングをご希望の場合はぜひお近くのSAP社員にお問い合わせください。

http://events.sap.com/sapandasug/en/home.html?bc=1

皆様のご来場を心よりお待ちしています。

出典:

アメリカ臨床腫瘍学会ホームページ