クラウドをめぐるSAPとマイクロソフトの協力関係が新たなステージへ


Bill_Satya

米国フロリダ州オーランドで開催中のイベント「SAPPHIRE NOW」において、マイクロソフトとの注目すべき新たな取り組みが発表されました。

弊社CEOビル・マクダーモットによる基調講演の中で米マイクロソフト社のサティア・ナデラCEOが壇上に登場、デジタル変革によって私たちの生活や社会がどう変わっていくかについて語り合った後、両社の新しい協業について紹介がありました。協業の正式な発表はプレスリリースが出ていますので、あわせてご確認ください。

SAP and Microsoft Usher in New Era of Partnership to Accelerate Digital Transformation in the Cloud” (May 17, 2016)
(デジタル変革をクラウドで加速させる新しいパートナーシップを明らかに)

今回の発表の軸は3つです。以下、順に見ていきましょう。

1. Microsoft Azure上でのSAP HANAのサポート拡大
SAP HANAは認定されたハードウェア環境でのみ稼働保証がされていますが、本校執筆時点でAmazon Web Services(AWS)、Huawei、そしてマイクロソフトのAzureの3社だけはIaaSとして動作がサポートされています。

SAP製品とAzureとの連携およびクラウドをめぐる両社の協業の歴史は長く、国内でも2年前に『SAP ジャパンと日本マイクロソフト、クラウド分野で協業』として発表しています。

しかし、ことSAP HANAについてはAzureでのサポート範囲は限定的でした。AzureでサポートされるSAP HANAは、基本的には開発者エディション(本番環境での利用不可)、ビジネスインテリジェンス機能(OLAP)、および機能限定版の「SAP HANA One」のみであり、ERPのような業務アプリケーションをHANAに載せてAzureで利用いただくことはできませんでした。(詳細情報→『SAP on Microsoft Azure』)

今回の発表は、SAP S/4HANAを含むSAP HANAの本番環境がAzureで使えるようになる、という宣言です。SAP HANAをプラットフォームとしたERPのIaaS利用といえばこれまではAWSがほぼ唯一の選択肢でしたが、今後はAzureも選べるようになるため、お客様から見たシステム構築の柔軟性が高まります。(なお、マイクロソフトのブログでも本件について解説があります → “Azure offers market leading support for SAP HANA workloads“)

2. SAPのクラウドソリューションとMicrosoft Office 365の連携
SAP製品とマイクロソフトのオフィス製品の連携はこれまでも盛んに行われています。たとえば、OutlookとERPの連携やオフィス製品からSAPのデータを参照・分析するツールなどが両社協力のもと生まれてきましたが、今回の発表はクラウド時代にふさわしく、SAPのSaaSソリューションとOffice 365がシームレスに連携するようになる、というものです。具体的には、タレントマネジメント/人事管理ソリューションであるSAP SuccessFactorsや経費精算・管理ソリューションであるConcur、さらには購買・調達ソリューションのSAP Aribaなどとの連携機能が今年の第3四半期以降にリリースされる予定です。冒頭でお伝えしたSAPPHIRE NOW基調講演では、両社CEOが見守る中、SAP SuccessFactorsやConcurとOutlookの連携デモが披露されていました。

3. SAP FioriのカスタムアプリをIntuneで管理
デバイスやアプリケーション管理基盤を提供するMicrosoft Intuneによって、SAP Fioriのクラウド版(SAP HANA Cloud Platformを活用)の管理ができるようになるというものです。これは、IntuneからOffice 365のモバイルアプリと同様にSAP Fioriも扱うことができるようになることを意味し、Microsoft System Centerなど同社の管理基盤を活用しているお客様には朗報でしょう。

SAPでは、4月にIBM5月初旬にはAppleとの戦略的な発表を行いました。これらグローバル企業との強固なパートナーシップに加えて、今回はマイクロソフトとの取り組みを発表させていただき、お客様のデジタル変革の支援を最強のパートナーとともに継続的に進めています。