FAQで理解しよう!SAP S/4HANA Financeの疑問にお答えします


SAP市瀬です。

SAP S/4HANAがリリースされてから、約7か月経ちました。

会計アプリケーション領域においては、2014年12月に「SAP Simple Finance」、そして2015年11月に「SAP S/4HANA Enterprise Management」がリリースされています。

「えーっと、SAP ERPの新しいやつだよね。FIとかCOとかの最新版、でしょ?」

-ちょっと待ってください!

本ブログでは、SAP S/4HANA Financeの数々の疑問についてQA形式で紐解いていきたいと思います。

 

Q)SAP Simple FinanceとSAP S/4HANA Finance、SAP S/4HANA Enterprise Managementの関係は?

A) SAP Simple FinanceとはSAP S/4HANA Financeの旧称です。これは会計領域に特化したイノベーションでした。その約1年後、販売、購買を始めとする会計以外の領域を含めたより広い業務領域をSAP HANAに最適化したSAP S/4HANA Enterprise Managementをリリースしました。この中にも会計機能が存在しており、前述のSAP S/4HANA Financeと共に、デジタルビジネスを支える会計領域のコアアプリケーションとして両製品が存在する位置づけとなります。

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基本的にはSAP S/4HANA Enterprise Managementがメインストリームとなります。ただし、お客様の状況(例えば、既にSAP ERPをお使いのお客様で、ロジスティクス領域への影響を最小限に抑えた形で会計領域に特化してSAP S/4HANAを導入したい場合)によってはSAP S/4HANA Financeを選択いただくことも可能です。

 

Q) SAP S/4HANA会計関連領域は、従来のSAP ERPと比較して何が変わったのですか。

A) まず、SAPはSAP BusinessSuite powered by SAP HANAという形で、SAP ERPをSAP HANA上で稼働することを実現し、ソースコードの見直しも行われ、ハイパフォーマンスでの業務処理を実現する基盤を提供しました。
SAP S/4HANA FinanceおよびSAP S/4HANA Enterprise Managementでは、さらにデータ構造の仕組みそのものが見直されています。例えば、「ユニバーサルジャーナル」と呼ばれる新たな統合明細テーブルが用意され、従来複数帳簿(テーブル)が存在することで生じてしまっていた冗長性を排除し、ひとつのテーブルで複数帳簿の明細を管理できるよう見直しが行われました。
この変更は、SAP HANAの上でアプリケーションを稼働させる以上の価値をもたらしました。構造が最適化することで単純にパフォーマンスが向上することだけではなく、かつ従来存在していた複数帳簿間の照合作業も不要になったため、業務時間が大幅に短縮化しています。

 

Q) 機能的な部分では、従来のSAP ERPと比較しどのような違いがありますか。

A) 主な拡張領域としては、財務会計/管理会計領域資金管理領域財務計画領域です。
財務会計/管理会計領域では、前述のユニバーサルジャーナルや、グループ経営管理基盤構築に向けた新しいアプローチであるセントラルファイナンス等、単なる会計システムとしてだけでなく、グループ経営管理基盤としても活用いただけるための数々の機能が拡張されています。
資金管理領域においても、銀行口座管理機能や資金計画機能の充実等、数々の機能拡張が行われました。
財務計画領域では、SAP BusinessObjects Planning and ConsolidationがSAP S/4HANAに統合され、SAP ERPのマスタやトランザクションデータを直接参照しての財務計画ができるようになりました。

 

Q) SAP BusinessObjects Planning and Consolidationを使用したい場合は、SAP S/4HANAが必須になるのでしょうか。

A) SAP BusinessObjects Planning and Consolidationは、SAP BPC optimized for SAP S/4HANA(旧称 Integrated Business Planning for Finance)によりSAP S/4HANAと統合して使用することができ、これにより、ERP財務計画機能を使用する場合のユーザビリティが向上しました。
ただし、従来通りSAP BusinessObjects Planning and ConsolidationをSAP S/4HANA上で使用せず、スタンドアロンとして使用することも可能です。SAP BPC optimized for SAP S/4HANAのメリットは、SAP ERPと密接に統合した財務計画機能を使用できることですが、一方SAP ERPに依存しない形で自由に計画業務を行いたいケースもあるかと考えます。この場合は自由度の高いスタンドアロンでのSAP BusinessObjects Planning and Consolidationを使用することができます。
お客様の要件に応じ、どちらが適するかを選択いただくことが可能です。

 

Q) FI(財務会計)、CO(管理会計)といった括りはなくなるのでしょうか。

A) 先の質問でもあった通り、各帳簿の明細はユニバーサルジャーナルに様々な切り口を持って統合されて保持されますが、モジュールの括りは今まで通り変わらず、財務会計、管理会計、固定資産管理・・・といった括りで今後もコミュニケーションおよび機能をご利用いただくことが可能です。
ユニバーサルジャーナルによって、従来モジュール間でバラバラだった粒度や項目、データ更新タイミングが統合されることにより、複数モジュールを跨る分析が格段に行いやすくなりました。これは、SAP S/4HANAになったからこそ感じていただけるメリットです。

 

Q) SAP S/4HANA Enterprise Managementで、ロジスティクスと会計の連携は変わらないのでしょうか。

A)  SAP S/4HANA Enterprise Managementでは、ロジスティクス領域のデータ構造も最適化されましたが、ロジスティクス領域と会計領域との連携は、トランザクションデータ(仕訳データ)に関しては従来通りAccounting Interfaceを経由することになるので、基本的には変わりません。
ただし、機能差分が一部存在します。例えば、与信管理に関しては、従来の販売管理(SD)/債権管理(FI-AR)側の機能ではなく、SAP Credit Managementの機能をご使用いただくようになり、複数システムを跨いだグループレベルでの与信管理を行うこともできるようになっています。

 

Q) SAP S/4HANA Enterprise Managementでは、得意先マスタと仕入先マスタがなくなる、というのは本当ですか。

A) 従来のSAP ERPで使用されていた得意先マスタ・仕入先マスタですが、SAP S/4HANA Enterprise Managementではビジネスパートナーマスタを使用し、その中で得意先・仕入先をロールで管理する仕組みに変わっています。
従来の得意先・仕入先を使用する場合はオブジェクトに冗長性がありましたが、ビジネスパートナーを使用することにより、冗長性を排除してシンプル化することに成功しました。ビジネスパートナーを使用することで、各種マスタの登録・変更・照会の入り口がひとつにまとまり、顧客、仕入先等をセントラルに管理できるようにもなり、業務の煩雑性を排除することにも貢献しています。

 

いかがでしたか?SAPの会計ソリューションは、「Simple Finance」そして「SAP S/4HANA Finance」「SAP S/4HANA Enterprise Management」と、デジタルビジネス時代で経営管理基盤となるべく確実に進化を続けています。本ブログがSAP S/4HANA Financeの意義/価値を改めて確認いただくための一助となれば幸いです。

なお、SAP S/4HANA Financeの最新バージョン、SAP S/4HANA Finance 1605が5月にリリースされました。詳細は次回以降のブログでご紹介する予定です。

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