「守りの人事から攻めの人事へ」 – 攻めのHRビジネスパートナーモデル 第2回


こんにちは。SAPジャパンの籔本レオです。「守りの人事から攻めの人事へ」というテーマで人事領域に関連するトレンドや考え方を紹介しています。前回は「攻めの」HRビジネスパートナーモデルについて陥りがちな失敗例等について紹介させていただきましたが、今回はHRBPの役割、ビジネス側、HR側のそれぞれの認識について紹介したいと思います。

(第1回はこちら)

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 HRBPに求められる役割

 HRBPに求められる役割についてどのようなことをイメージしますでしょうか。HRBPの経験のある方の中でも業種/会社、カウンターとなる組織、HRBP設置の目的等によって定義は異なることが多いと思います。以下、うまく機能していない場合も含めて役割を6つに分類してみました。

 1)戦略的アドバイザー

  • 社内コンサルタントとして、人事面からの課題の特定、解決の支援
  • 全体最適観点での組織設計、要員計画の提案、支援
  • マネジメント層とのコミュニケーションが中心

2)マネジメントサポート

  • ビジネス側が主体となる施策実行における、人事領域に関わる依頼対応
  • マネジメント層への人事領域に関わる報告(人事KPIの定期レポート等)
  • マネジメント層とのコミュニケーションが中心

 3)人事制度の浸透

  • 人事制度・ルールの教育及び定着化
  • 人事戦略及び人材育成の考え方等の啓蒙活動
  • マネジメント層からスタッフ層までの幅広いコミュニケーション

 4)従業員相談対応

  • 従業員からのキャリア・労務に関わる相談対応
  • 労務問題の解決
  • スタッフ層とのコミュニケーションが中心

 5)問い合わせ対応

  • 従業員からの人事関連問い合わせ対応 (人事制度、給与計算、人事関連手続きについて等)
  • スタッフ層とのコミュニケーションが中心

 6)定型業務サポート

  • 人事関連定型業務の遂行
  • 従業員サービスの各種手続き等の代行を含む
  • スタッフ層とのコミュニケーションが中心

みなさまのHRBPに対するイメージも、上記いずれかもしくは複数にあてはまると思います。HRBPは「1)戦略的アドバイザー」、「2)マネジメントサポート」のみをすべきという考えもあれば、営業拠点、工場等の現場を担当しているHRBPは「3)人事制度の浸透」、「4)従業員相談対応」が主たる役割と認識しているかもしれません。実際の動き方として、「5)問い合わせ対応」、「6)定型業務サポート」になってしまっているケースもあるかもしれません。また、「HRシェアードサービス」が長年蓄積したナレッジを活用するために、現場マネージャ、スタッフ層のサポートまで機能範囲を広げる場合もあります。

定義の仕方が異なるのは間違いではありませんが、実際、HRビジネスパートナーモデルがうまく機能していないと感じられている企業においては、「HRBPへの期待(設置の目的)」、「HRBP自身によるHRBPの役割認識」、「ビジネス側によるHRBPの役割認識」、及び「実際のHRBPの動き方」の4つのすべてもしくは一部が異なっています。裏を返せば、この4つを合わせることがHRビジネスパートナーモデルを機能させることができます。

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HRBP role

HRBPの役割

 

ビジネスが期待していること

上記4つの要素のうち、HRからもっとも見えにくいのが「HRBPの役割についてのビジネス側の認識」です。実際にビジネス側はHRBPにどのような役割を期待しているのでしょうか。これまでさまざまな企業でうかがった内容を整理すると、以下のような期待、要望をもっていることが多いようです。

定型業務サポート

  • マネージャが行う人事関連定型業務の引き取り(人事関連手続き、データ入力の代行等)

 問い合わせ対応

  • 従業員からの人事関連の問い合わせ対応(制度内容、手続き方法等)

 従業員相談対応

  • 休職者とのコミュニケーション
  • 長時間労働者、メンタルヘルス不調者との面談
  • 労務問題解決(労基署対応含む)

 人事ポリシーの浸透

  • 人事制度、手続き等の追加説明会(小規模開催)

 マネジメントサポート

  • 人事関連データの提供(従業員リスト、勤怠/時間外データ、人件費データ等)
  • 要員計画・人件費計画の予実績の報告
  • 人材配置のサポート(人がほしい、人を出したい)
  • 組織変更、ポジション/ヘッドカウント追加のサポート

 

HRBP側が認識している役割と相違があるように思われるのではないでしょうか。「定型業務サポート」については、業務効率化のための電子化、セルフサービス化により人事部門の関わり方を縮小している領域となることが多く、「問い合わせ対応」についてはHRビジネスパートナーモデルではHRシェアードサービス、HRヘルプデスクの役割となります。HRBPとしては求められる役割ではないと認識していると思われますが、ビジネス側に役割定義が浸透していない場合、人事部門はバックオフィス部隊という印象が強く、定型業務サポートの要望が多くなるようです。

また、お気づきかもしれませんが、冒頭のHRBPに求められる6つの役割の1つである「戦略的アドバイザー」が出てきていません。ビジネス側から「マネジメントサポート」としての要望は出てきますが、HR側が主体的に動く戦略的アドバイザーとしてはあまり期待されていないようです。

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HRBPが自発的にすべきこと

HRBPがビジネス側から戦略的アドバイザーとして認識されるためにはどのように動くべきなのでしょうか。HRBP、ビジネス側の両者においてHRBPの役割の認識を合わせることは重要ですが、戦略的アドバイザーとしてビジネスに貢献するには、認識合わせに加え、積極的に施策の提案、推進をしていくことが重要です。ビジネスへの貢献としては、全社レベルの経営戦略・中期経営計画、担当事業/部門レベルの事業戦略と整合した形で、HRBPとしてすべきことを検討していくことになりますが、検討の参考としていくつか例をあげておきたいと思います。

1)ビジネスプランの最適化

  • 事業部主体で進めると部分最適になりがちな要員計画への事業横断での提案(HRBPの横の連携による最適化)
  • トップダウンアプローチでのヘッドカウント最適化の提案

 2)効果的・効率的な採用

  • 募集ポジションに対して、社外だけでなく、社内他部門を含めた最適な候補者の発掘
  • 募集元マネージャに対しての採用状況のレポーティング/見える化
  • 募集から採用決定までにかかる日数、採用満足度等の採用KPIの設定とモニタリング

 3)後継者計画、ハイポテンシャル人材の育成

  • 後継者計画のためのポジション選定、候補者発掘のサポート
  • 候補者、ハイポテンシャル人材に対しての育成プランの検討
  • タレントレビュー/人材開発計画のサポート

 4)目標設定、評価プロセスの適正化

  • 目標設定の従業員教育、評価者教育
  • 従業員の目標設定内容のレビュー
  • 評価プロセスへの参画、レビュー

 5)学習管理の効果創出

  • 従業員のキャリアプランを意識した学習計画、研修の割り当て
  • ビジネス貢献につながる研修効果の測定

 6)従業員エンゲージメントの向上

  • 従業員エンゲージメント向上の施策検討
  • 従業員を最大活用するための環境(制度、プロセス、ツール等)の整備

 7)データ分析

  • HRダッシュボード/人事関連レポートの提供
  • 人事関連データの分析及び分析結果からの課題整理、施策の提案

 

上記は一部の例ですが、このような内容をHRBP側から積極的に提案していくことにより、ビジネス側から戦略的アドバイザーとして認識されるようになると考えます。ビジネス側は人事領域の専門家ではないので、HRBPが提案できるサポートをメニュー化するだけでも気づきを与えるきっかけになるはずです。

以上、2回にわたって、「攻めの人事」としてのHRビジネスパートナーモデルを紹介しました。「守りの人事から攻めの人事へ」変わる参考となれば幸いです。

 

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