カタカナ英語を操る賢い人事


こんにちは。SAPジャパンの荻野まどかです。

昨今、カタカナ英語が急増していますが、人事領域も例外ではありません。我々は、カタカナ単語の意味を、安易に考えがちですが、実は意味をしっかり理解しているわけではなく、ただ、漠然と捉えていることが多いようです。人事査定でよく耳にする言葉に「コンピテンシー」という単語があります。これは、実際、何を指しているのでしょうか。あなたにとって、「コンピテンシー」とは?と聞くと、多くの方が「英語の能力」「C言語」など、スキルセットを挙げられます。しかし、スキルだけでは、コンピテンシーとしては不完全です。

無題(能力あっても見ているだけでは、コンピテンシーはありません。)

「コンピテンシー」は、英語圏の国々でも学術的には解釈が分かれ、統一されていません。従来、He is competent.といえば、あたえられた仕事をこなせる、程度の意味で、標準であればよかったのです。その上には、He is an expert.などの表現がありました。現在、成果主義にシフトし、タレントマネージメントが広まることにより、標準以上のものを求められるようになりました。この言葉は、いろいろな側面を持つ言葉で、使い方によって、人事部の実力の差が出てくるところです。巧みな人事部門はあらゆる角度からコンピテンシーを分析します。

 

 発揮能力こそコンピテンシー

最近では、コンピテンシーとは「優秀な成果を発揮する行動特性」とまでいわれていて、求められているものが「優秀な成果」というようにより高いものになっているようです。そして、個人の企業に貢献する知識、技術、能力の組み合わせが、どのように成功に結びついているか、を推し量るようになっています。適切な能力や性格を持っていても、持っているだけでは、潜在性があるだけで、業績として発揮されず、コンピテンシーはなくなります。   以前、南米に海外駐在員を2名同時に派遣した日本企業の方にお話を伺ったことがあります。同等の語学力レベル、知能レベル、技術レベルを持つ二人を同じ国に派遣したが、実績に大きな差が出るケースがあった。どうしてなのか、ということでした。つまり、同じ語学力、能力やスキルを持っていても、海外に出た時にコンピテンシーがある人とない人に分かれることがある、ということです。これは、おそらく、赴任前に環境順応性、異文化の理解度や適応性、自ら異なるグループへ飛び込む姿勢など、能力以外のところで、才能を発揮できる要素を推し量ることを見逃していた、と思われます。   ここでお判りになるように、適切な能力や性格を持っていても、業績として発揮されなければ、目的を速やかに達成することはできません。コンピテンシーは現在取っている行動様式を表していますので、「できる」という可能性を秘めたものではありません。つまり、もっている知力などを現在、行動に示していない場合、発揮能力が欠けていることになり、結果、コンピテンシーはなくなります。逆に、TOEIC600点に満たない程度の得点であっても、英会話が抜群であれば、意思の疎通が必要な駐在員のコンピテンシーとしては、あがります。

無1題(能力を発揮して見せて、初めてコンピテンシーがあることに。)

 

企業におけるコンピテンシー例

前回、リーダーシップについて書きましたが、それと同様、コンピテンシーも各企業の目的や職種、職務により異なります。しかし、昨今では企業によって、部署、役職に関わらず、組織のコンピテンシーを設定しているところもあります。これは、Core Competencyと呼ばれるものです。各部門や職種のコンピテンシー以前にその企業の人間すべてに当てはまるべき基本的なところを押さえておこう、というものです。 組織文化に関わってくるので、多くの企業が独自のものを造り出そうとしています。 例えば、米国のオンライン業界でよく言われることは、新技術を他よりも早く出すことが生死を分けるため、バグテストに時間をかけて、万全たる製品を追求するよりも、人より先に新製品を出すことを目指せ、ということです。じっくり念入りにテストを行っていては、似たような技術はすぐに他から出てしまうからです。一方、アメリカ食品医薬品極(Food and Drug Administration)の認可が必要となる薬品業界は、試験に試験を重ねて、慎重に製品を開発しなければなりません。製品に欠陥が生じれば、人命に損傷をあたえ、裁判などで大きな損が発生します。 このように目的が大きく異なる会社では、働く人々に求められるものが、まったく違ってきます。ざっくりですが、前者は、「スピードのあるアイディアマン」などが求められる一方、後者は、「慎重なテスト計画を練ることができる人」が求められるでしょう。しかし、これだけではありません。どんなに、能力や性格がぴったりの人がいても、それは、潜在性があるだけで、このままでは、会社にとって有益とはいえません。実際に仕事の現場で会社の目的にそって発揮しているかどうか、行動で見せているかによって、個人のコンピテンシーは異なってきます。

 育てるコンピテンシー また、コンピテンシーは動的ですから、環境を整え、経験を積み、常に勉強をしていれば、発揮能力は上がります。そのため、人事部はコンピテンシーを見極めるだけでなく、皆さんのコンピテンシーを上げる努力も欠かしていません。人事部は、皆様の潜在性を見抜き、機会を与え、動機を与えるように管理しています。研修管理などもその一環です。これらの結果、発揮能力がさらに上がることになります。 このように書くと簡単そうですが、コンピテンシーの定義付けや振り分けは大変です。

SAP SuccessFactorsのタレントマネージメントはこのような複雑なコンピテンシー管理をお助けします。

また、9月6日に行うSAP SuccessFactors のユーザーイベント、VIPイベントでは、このような議題について弊社の専門家たちと人事部の方々が話しあっていただく絶好の機会です。次回は、どのような議題がでたのか、お話できればと思います。お楽しみに。

 

ご質問はチャットWebからも受け付けております。お気軽にお問い合わせください。