SAP S/4HANAをさわってみよう- SAP Cloud Appliance Libraryトライアル環境のAWSへの展開

作成者:山澤 雅史 投稿日:2016年8月25日

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SAPジャパン 山澤です。

SAP S/4HANA(以降S/4HANA)に関する情報がいろいろな形で発信され、自社導入の検討などが行われ始めていると思います。既存に環境をお持ちであれば、どのような移行方法があり、そのためにどのようなツールが用意されているか? また現在使用しているSAP ERPからどこが変わるのか? 等々 検討調査事項も多岐にわたりますが、やはりそこはエンジニアの性でまずは触ってみたいという方もいらっしゃるかと思います。 以前のBlog記事で「SAP S/4HANAをさわってみよう。14日間の無料体験環境で試せるシナリオ」が紹介されていますが、今回は 本年4月に SAP Cloud Appliance Library(CAL)で提供を開始しているSAP S/4HANA, on-premise edition 1511 FPS01トライアル環境のアマゾンウェブサービス(AWS)上への展開について紹介したいと思います。

SAP Cloud Appliance Libraryについてはこちらの記事もご参照ください。

事前準備 

まず前提として、CALを展開できるサービスプロバイダのアカウントの作成などが必要になってきます。今回のS/4HANA トライアルでは 対応プロバイダがAWSとなっているためAWS上にアカウントを作成し準備を行います。

AWSのトップページより新規作成もしくは既存アカウントでサインインしてください。  Amazon_Sign_in

次にIdentity & Access Management(IAM)からグループ作成お及びロールの設定、さらにユーザ作成とグループへのユーザ割り当てを行います。

Amazon_ias

グループの作成とロールの割り当て

Amazon_ias_group

必要なロールは以下となります。

・AmazonEC2FullAccess
・AmazonVPCFullAccess
・ReadOnlyAccess
AWSAccountUsageReportAccessAmazon_ias_group_role

ユーザの作成とグループへの追加 

ここで作成したアクセスキーとシークレットアクセスキーは、後ほどCALの設定で使用します。作成したユーザを先のグループに追加します。

Amazon_ias_user_group

以上が AWS側で必要な作業となります。

(注)この作業は特にS/4HANA トライアルに限らず他のCALのソリューションにおいても同様です。

CALにおける作業 

CAL上のS/4HANA トライアルへのアクセスは CALにログイン後、ソリューションの一覧から選択(S/4などで絞り込み後が容易です)することも可能ですし、SAP S/4HANA Trialの紹介ページから飛ぶことも可能です。

CALのソリューション一覧からの選択

CAL_Start_11

SAP S/4HANA Trialのサイトイメージ

S4_traiL_1

いずれのケースにおいても ソリューション選択後に以下のような 契約条項(Terms and Conditions)が表示されます。 こちらに同意頂くことで以降の作業を進めることが可能です。 また、30日間のカウントに関してはこの同意後からカウントされますのでご注意ください。

S4_traiL_Agreement

続いて展開を行うAWSの情報を設定していきます。

ここで、事前設定で作成したユーザのアクセスキーなどの情報を入力します。

CAL_sol_s4_3

TEST Connectionを押し、展開するリージョンなどの情報を入力します。

Createを押し、構築を開始します。

注)特に理由なき場合には日本の場合はap-northeast-1の選択でよいと思います。

CAL_sol_s4_4

開始すると、ステータスが”activating”と表示され、およそ1時間弱で展開が完了します。

CAL_sol_s4_6_1

展開が完了した後、表示されているインスタンスを選択すると詳細情報が確認できます。

(注)ここで概算コストが示されていますがあくまで特定条件におけるAWSコストになりますので、自身の責任でインスタンスの管理を行ってください。

CAL_sol_s4_8

画面上位にあるConnectを選択すると、下記のようにWindows Remote Desktop(RDP)接続と SAP GUIによる直接接続の選択画面が出てきます。選択に応じてリモートデスクトップもしくは SAP GUIなどが立ち上がり、接続を開始します。

(注)Networkの構成やProxyの設定により、接続が行えない場合にはNetwork管理者に相談するか、もしくは上記に示される外部接続アドレスを使用して接続を試みてください。

CAL_sol_s4_9

以下 リモートデスクトップで接続後、Fiori Launchpadを起動、及びSAP GUIを起動した参考画面となります。

ユーザ情報などの初期画面, Fiori Launchpadのログイン画面,   Fiori Launchpad

CAL_sol_s4_12_1

 SAP GUI

CAL_sol_s4_16
以上で、S/4HANA トライアル環境の構築及び確認の完了です。 今回ご紹介したS/4HANA トライアル構築手順のより詳細な資料は こちらか、上記で案内したS/4HANA Trialの紹介ページから確認することが可能です。

まとめ

SAP S/4HANAのトライアル環境をAWSに展開する手順を紹介しました。事前の準備含めてもおよそ2時間もあれば、この環境構築が可能です。

SAP S/4HANAの環境を容易に構築することができるサービスとしてSAP Cloud Appliance Libraryは大変有効だと思います。

また、本トライアル環境は30日経過後もS/4HANAライセンスをお持ちの場合、CALのサブスクリプションを購入することで継続利用が可能です。継続してPOCやトレーニング環境としての活用も可能です。

是非、プロジェクトの一環として活用を検討してみてはいかがでしょうか?

 

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