クリエイターのタレント管理で次世代を目指す人事


 クリエイターのタレント管理で次世代を目指す人事

クリエイターというと、通常、広告やエンターテインメント関連の企業しか思い出しません。しかし、実際は、自動車産業、自転車産業、医療機器産業、金融産業などの多くの企業にクリエイティブの部門があります。自転車制作会社でも、世界で一番早い自転車を作成するために、日夜デザイナーやエンジニアたちは創造力を駆使しています。金融業界でも、新しい金融商品を考え出さなければなりません。企業目標や文化に合うようにアイディアを具体化して、可視化する作業を行います。企業の次世代産業の育成は優秀なクリエイターたちのタレント管理をうまく行うことにより、彼らの創造力を最大限伸ばせてやれるかどうかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。 

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SAP SuccessFactors の影にはDr. Steven Huntあり。彼は、30年近くに渡って、人材育成のためのシステムデザインや環境設定などを分析しています。彼によって、何百もの企業が生産性を向上し、それらの社員たちが企業に積極的に関わろうとする意識を高めるようなシステム導入を行えるようになりました。著名な書籍も何冊も執筆されています。そのHunt博士によると、クリエイターのタレント管理は、クリエイターのいない部門のタレント管理システムと同じ環境設定をしていては、うまくいかない、ということです。

クリエイターには高い目標を

クリエイターに一番必要なものは、具体的、且つ、やりがいのある目標設定だ、とHunt博士は開口一番言いました。簡単に達成できる目標や、「やれるだけやって、楽しくやればいい」的な目標、もしくは「全く目標がない」ものより、かなり高い実績を上げるそうです。最終的な目標にどのくらい近づけるか、また、どのくらい貢献しているかを彼らが明確に理解することで、クリエイティブ力は上がります。また、ある程度の競争力がある方がクリエイティブ力をより一層発揮させるそうです。

Hunt博士は、目標が大切な理由は、戦略的方向性を示すことで、組織が一体化することだ、と述べています。そして、業務に関してフィードバックを行うことでクリエイターがどの程度目標に向かって前進しているのか理解できます。何かを達成した時に大きな満足感が出ますので、それが目標を持つ動機づけとなり、必要な場合には、報酬のようなものも動機付けに使われます。そして、達成すれば、なんと言っても、自信につながります。クリエイターの次への糧となります。

Digital tablet displaying blueprint --- Image by © Wavebreak Media Ltd./Corbis

図面も創造力を現実化する一つの手段

クリエイターを育てるには、上司が鍵となる

しかし、実際は、クリエイティブ部門も毎日の目先のことに追われがち。「この写真をもっと明るくきれいにしてくれ」、とか、「この部品を変更して」など大局的でないことに集中します。これは、例えば、多少カメラ機能が改良された携帯電話や音が多少静かになった洗濯機は達成できるかもしれませんが、次期のビジネス発展に結びつくような製品、例えば、初めて携帯電話が世の中に出た時のような、大きな驚きを伴う製品は生み出されないでしょう。もっと大きな創造力をはぐくみ、育て、企業の次の事業に結びつくようなものを造り出せるような人を育てるには、どうしたらよいのでしょうか。

Hunt博士によると、大きな具体的な目標を設定して、そこまで到達する方法は、管理せず、自主性を尊重することだ、と言います。つまり、写真をきれいにして、というより、「君の次の目標は、低空飛行できる自転車を作成することだ。それは、1年後には必要。」と目標と期限を与え、そこにどのように辿り着くかは、一切指示しないことだそうです。でも、そのまま、黙って、結果が出るのを待っているわけではありません。いかに低空飛行できる自転車を作成する目的が企業にとって重要で、将来に結びつくのか上司は、説き続けます。そして、上司が彼らの障害物を取り除き、必要な資源やアドバイスをタイムリーに与える一番の味方と理解してもらうことが必要です。

これによって、自分たちクリエイターは企業のどこに存在し、中枢となっているのか感じ取ることができるようになります。そこで、初めて自信を持つことが可能になり、より一層、自分の創造力を発揮できるようになるそうです。Hunt博士は、これは、家を建てる時のようなものだ、と言っています。クライアントは自分の好きな家をいつまでに欲しいか、いくらか、というくらいしか基本的には興味がありません。どのようにデザインするか、など完成させるための方法は建築家に任せます。そして、それでこそ、建築家の創造性は発揮されます。

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想像から、このような建築物を建てられるクリエイターって凄い!

Hunt博士は、歩くタレントマネージメントの事典のような方ですが、とても暖かい人間味のある博士です。このような例はありますか?と聞けば、すぐにいくつかの例が出てきます。まだまだ、他のいろいろ事例や人事部門の解決方法を知っている博士です。是非一度皆様と対話できるような場を設けていきたいと思います。お楽しみに!

主な著書は、以下です。

“Commonsense talent management: using strategic human resources to increase company performance” (Wiley Press, 2014)

“Hiring success: the art and science of staffing assessment and employee selection” (Wiley Press, 2007).

Dr. Hunt is a recognized expert on strategic human resources experienced with system design for a variety of human capital management applications. Dr. Hunt has played a pivotal role in the implementation of systems that have improved productivity and engagement of millions of employees working for hundreds of companies ranging from small startup organizations to the largest employers in the world. He is an author of the famous text books,   “Commonsense talent management: using strategic human resources to increase company performance” (Wiley Press, 2014) and “Hiring success:  the art and science of staffing assessment and employee selection” (Wiley Press, 2007).

 

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