SAPは”アウトカムエコノミー”時代の企業をどのようにご支援できるのか?

作成者:上硲 優子投稿日:2016年10月20日

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皆様はじめまして。SAPジャパン上硲です。
本ブログには「デジタル化」や「デジタル変革」といったテーマの記事が数多くありますが、もしかすると、それらのキーワード検索によってここにたどり着いた方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回はそんな「デジタル化」によって生み出されたビジネスモデルである”アウトカムエコノミー(Outcome-based Economy)”に関するお話をさせていただきたいと思います。

アウトカムエコノミーとは何か?

blog_pic1”Outcome”という単語を辞書で引くと「結果」や「成果」と出てきますが、「アウトカムエコノミー」とはまさに、単なる製品やサービスの販売から、それらによって提供される定量化された成果によって対価を得るビジネスモデルです。
弁護士の成果報酬なども当てはまるかと思いますが、製造現場を例に挙げると、ここでいう「定量化された成果」とは、例えば「エネルギー削減量・率」や「機器の稼働時間」などを思い浮かべていただければよいでしょう。古くからマーケティングの世界で言われている格言に「ドリルを買いに来た人が欲しいのはドリルではなく穴である」というのがありますが、まさにその言葉で表現されるコンセプトではないでしょうか。

「単に製品・サービスを売るのではない」という意味では以前から「(モノ売りに対しての)コト売り」や「ソリューションビジネス」という概念がありました。ただ、アウトカムエコノミーではよりダイレクトに「顧客の求めている測定可能な結果(measurable outcome)」そのものが提供価値となるため、「モノ売り→コト売り→コトの結果売り」と変遷しているといえます。
顧客側の立場に立って考えてみると、自分が求めているものに直結するため、支払う対価の妥当性や納得感がより高まるビジネスモデルです。しかし、一方で企業・メーカー側に立ってみると、自分の手を離れたものに対する責任を負うため、リスクが高すぎて対応しづらい、手を出しにくいビジネスモデルでもありました。
それが、インダストリアルIoT(IIoT)や予測分析などの技術を活用することで、顧客側の機器自体だけでなく、天候をはじめとする周辺の状況をモニタリングし、顧客と合意した目標を達成するための対応策(部品交換など)を行えるようになってきました。その結果、リスクのバランスを以前より取りやすくなってきており、顧客満足度の向上や他社との差別化をはかるための施策の一つとして、各社での検討がはじまっている状態だと考えております。

アウトカムエコノミーに必要な仕組みとは?

それでは、アウトカムエコノミーに対応するためにはどういった仕組みが必要なのでしょう?

顧客の環境からリアルタイムでデータを収集、解析することで顧客が求める結果に導くように提案や微調整を行うための基盤は当然ながら必須になってきます。SAPでは、IoTシナリオを実現するために必要な開発基盤をSAP HANA Cloud Platformでご提供しています(SAPジャパンブログ:企業のためのIoT(Internet of Things:モノのインターネット)、その全体像とは もご参照ください)。

しかし、必要なのはそれだけでしょうか?

詳細は業界によっても異なってくるでしょうが、例えばハイテク業界を例に考えてみると、下記のようなことも併せて検討しなくてはならないのではと思います。

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ハイテク業界(複合機など)を想定したアウトカムエコノミー対応

なぜならば仮に顧客設備のデータを収集、分析できたとしても、例えば

  1. 顧客の目標に基づく「測定可能な結果」をベースとした課金モデルの定義
  2. 製品やサービス、利用実績(機器)など複数データソースをまとめた請求
  3. 顧客の課題を解決するために適切な機器・ソリューションの選定と見積

などが行えないと、顧客目標の実現を的確に実現するための提案をしきれない、適切な対価の計算処理に問題が生じるなどの可能性が出てしまうからです。

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SAP S/4HANAを中核に据えたSAPソリューションの全体像

また、当然「必要な時に、必要なモノ・サービスをお届けする」というのも従来通り必要です。提供するソリューション(製品・サービス)が複雑になればなるほど、関わるサプライヤーやパートナーが増えるため、モニタリングや調整は困難になってきます。さらに、提供ソリューションの構成や関係者の複雑性は、収益状況の可視化の難易度をも上げていきます。

それらの問題に対応するために、SAPでは次世代基幹システム(ERP)であるSAP S/4HANAをデジタルコアとして中核に据え、サプライヤーや顧客、機器とのデータやプロセス連携を通じて企業のデジタル化、ひいてはアウトカムエコノミーへの対応を支援できるようになっています。

また、併せて下記では上で記載した1.、2.、3.を実現するためのSAPソリューションもご紹介させていただければと思います。

1.および2.:SAP Hybris Billingで実現する柔軟な課金ロジック定義と請求の統合
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柔軟な課金から後続の請求、会計処理までをカバーするSAP Hybris Billing

本ブログでは「アウトカムエコノミー」の文脈でご紹介していますが、それ以外にも通信業界などに多く見られる従量課金シナリオに対応するために、SAP CRMやSAP ERP(現在ではSAP S/4HANA Enterprise Management)との連携ソリューションとして、課金ロジックを定義するためのSAP Convergent Chargingや、SAP ERP(SAP S/4HANA Enterprise Management)上の機能としてSAP Convergent Invoicing(統合請求)およびContract Accounting(契約未収金/未払金管理)をご提供しております。これにより、顧客との契約明細が分割されて処理されたとしても、再度請求データを取りまとめ、その単位で値引きなどを実行することができます。
また、課金ロジックについては標準で提供されているひな形や関数を組み合わせるというパラメータ設定型の仕組みを提供することで、短期・容易・柔軟なシステム構築や変更を行っていただけるようになっています。

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3.SAP Congifutation, Price and Quote (SAP CPQ)による製品選定

既にSAP製品をご利用されている場合、「SAPには製品選定機能があるじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。確かに、SAP ERPには製品選定(バリアントコンフィギュレーション)という機能があり、あらかじめ定義しておいた仕様の属性を選んでいくことで価格計算や部品の選択ができたりしました。ただ、単なる製品の仕様選定から、最近は複数製品で構成されるモノのシステム提案やサービスまで含めたソリューション提案など、組み合わせが複雑になってきました。

コマースサイト(hybris)に統合されたSAP CPQ選定機能のイメージ

コマースサイト(hybris)に統合されたSAP CPQ選定機能のイメージ

また、選定業務を行うシーンにも変化がありました。ERPの製品選定機能は主にバックオフィスで利用されることを想定していましたが、例えば代理店ポータルやEコマースサイトなどからパートナー/代理店、顧客といった社外の関係者がアクセスすることも想定しなくてはいけなくなったのです。
そのため、より使いやすい画面での選定と、より柔軟なモデリングを行うためのツールが必要になり、SAP CPQが生み出されました。
SAP CPQはオムニチャネルに対応するための基盤であるSAP Hybrisと連携させることで、代理店担当者や顧客、営業担当者といった社内外の関係者が使いやすいマルチデバイス対応画面で、正確な選定処理の実行が行えます。
また、モデリング自体はERPのデータ(品目マスタや既に定義しているバリアントコンフィギュレーションのデータ)を用いて、Eclipse上で構築できるため、既存の資産を活用しながら柔軟な設定が行えるようになっています。

まとめ

ここまで色々と述べさせていただきましたが、本ブログでお伝えしたかったのはと下記3つのポイントとなります。

  • 今まではリスクが大きすぎて対応できなかった「アウトカムエコノミー(成果報酬型ビジネスモデル)」が、IIoTなどの技術革新により検討できるようになってきた
  • 当然、機器との連携や大量データの分析のための基盤は必要だが、それ以外にも課金モデリングのあり方など、考えないといけないポイントがある
  • それらのポイントは調達や製造、販売物流、会計とも密につながるが、そういったところも含めて、SAP S/4HANAをはじめとするソリューションでSAPは企業のデジタル化・アウトカムエコノミー対応をご支援している

今後、様々な業界でアウトカムエコノミー対応の検討が進むと思われます。そういった検討の場において、本ブログが少しでもご参考になれば幸いです。

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