初心者のためのSAP Landscape Transformation Replication Server

作成者:小畑 政浩投稿日:2016年12月15日

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今回のブログでは、トリガーベースのリアルタイムデータ複製ソリューションSAP Landscape Transformation Replication Serverをご紹介します。slt-overview-dmm838-teched-2016

SLT

SAP Landscape Transformation Replication Serverはとても長い名前のため、SAP LT Replication ServerあるいはSLTと略して表記されることがあります。

また、SAP Landscape Transformation Replication Serverによく似た名前の別製品がありますので、注意が必要です。

  • SAP Landscape Transformationは、複数のSAPアプリケーションを統合するシステム統合や組織変更などの変換プロジェクトをサポートするソリューションです。SAP LTと略されることがあります。
  • SAP Replication Serverは、トランザクションログを転送することによって同一種類あるいは異なる種類のデータベース間でデータをリアルタイムに複製するソリューションです(ログベース)。一方、本ブログの後半で記載しますが、SAP Landscape Transformation Replication Serverはトリガーベースで動作します。また、SAP Landscape Transformation Replication Serverには、データ変換が可能であることやアプリケーションレベルの複製がサポートされていることなどの特徴があります。

概要

SAP Landscape Transformation Replication Serverにより、業務アプリケーションシステムから最新のビジネス情報をリアルタイムに分析システムに転送できます。四半期あるいは月次の決算書のような過去データに基づくビジネス判断ではなく、リアルタイムな最新ビジネス情報(例えば、インターネット販売における受注件数の急激な増加、店舗での予測外の在庫不足など)に基づくプロアクティブな判断を可能にします。

SAP Landscape Transformation Replication Serverは、ソースシステムとターゲットシステムの間に配置され、ソースシステムの特定のテーブルへの変更をトリガーベースでキャプチャーし、キャプチャーしたデータをターゲットシステムへリアルタイムあるいはバッチで転送します。転送途中でのデータ変換も可能です。

ソースシステムとしては、SAP ERP、SAP S/4HANAなどのABAPベースシステムと、SAP HANAおよびネイティブDB(SAPがサポートするデータベース、SAP ASE、Oracle、MS SQL、DB2など)がサポートされています。

ターゲットシステムへの転送方法は、テーブルレベルでのデータ複製のアプローチとアプリケーションレベルでのデータ複製アプローチに大別されます。

  • テーブルレベルの複製によるターゲットシステムには、SAP ERP、SAP S/4HANAなどのABAPベースシステムと、SAP HANA、SAP HANAベースのアプリケーション(例: SAP Customer Activity Repository)、およびネイティブDBが含まれます。
  • アプリケーションレベルの複製によるターゲットシステムには、SAP Business Warehouse(SAP BW)、SAP S/4HANA Finance – Central Finance、SAP Data Servicesが含まれます。

(注)テーブルレベルの複製でターゲットシステムがABAPベースシステムの場合、例えば、SAP ERPの標準のテーブルに対してテーブルレベルでデータを更新するとデータ不整合が発生する可能性があります。お客様が開発されたアドオンテーブルのように、テーブルレベルで更新しても問題ないことが前提であることにご注意ください。

slt-overview-2-slt_overview_september_2016_external-jp

アーキテクチャー

ソースシステムがABAPベースのシステム(SAP ERP)、ターゲットシステムがSAP HANAの場合のアーキテクチャー図を以下に添付します。slt-architecture-slt_overview_september_2016_external-jp

データ転送のプロセスは、初期ロードと複製プロセスの2つから構成されます。

初期ロード

SAP Landscape Transformation Replication Serverは、ソースシステムからターゲットシステムへ既存データをロードします(初期ロード)。初期ロードはソースシステムが稼働中でも実行可能です。初期ロードと並行して、DBトリガーによって初期ロードが走っている間に起ったデータ変更は検知されます。これらの変更は、Logging Tableへ書き込まれ、初期ロードの完了後にターゲットシステムへ転送されます。

複製プロセス

初期ロードの完了後、SAP Landscape Transformation Replication Serverは、ソースシステムのテーブルをモニタしつづけ、ソースシステムのデータ変更(デルタデータとも呼ばれる)をターゲットシステムにニアリアルタイムで複製します。

複製プロセスの詳細

SAP ERPでのデータキャプチャー

SAP ERPでデータベース処理が完了(COMMIT)するとDBトリガー(データベース上のプロシージャ)が、どのデータレコードが挿入、変更、削除されたかに関する情報を、Logging Tableに書きます。リードモジュールは、この情報にアクセスすることで、どのデータレコードをターゲットのSAP HANAに複製すべきかが分かります。

SLTでのデータ複製

SLTのコントローラモジュールがリードモジュールとライトモジュールをインタフェースします。設定されたマッピングや変換を行います。ターゲットシステムでの更新が成功すると、Logging Tableからエントリーを削除します。これにより、キャプチャーされたデータ変更が一時的なシステムダウンなどによって失われないことを保証しています。

SAP HANAでの更新

SAP HANA側では追加モジュールのインストールは不要です。また、SLTのオペレーションは、HANA Studioから実行することも可能です。

メリット

SAP Landscape Transformation Replication Serverは、SAPシステムおよびSAPシステム以外のソースからリアルタイムあるいはバッチでデータ複製、転送途中でのデータ変換を実現するミドルウェアを必要としているお客様に最適なソリューションです。

  • リアルタイムあるいはバッチのデータ複製のサポート
  • SAPシステムおよびSAPシステム以外のシステムのサポート
  • SAP R/3 4.6Cからのサポート、プール、クラスタなどのSAPシステム固有オブジェクトのサポート
  • 転送途中でのデータ変換
  • SAP HANAによるリアルタイム分析の実現をサポート
  • SAP S/4HANA Central Financeシナリオの実現をサポート

まとめ

今回のブログでは、トリガーベースのリアルタイムデータ複製ソリューションSAP Landscape Transformation Replication Serverについて、概要とアーキテクチャー、メリットをご紹介しました。ご検討の第一歩となれば幸いです。

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