デジタル社会で変わる大学の在り方(1)


皆さん、こんにちは。SAPジャパンで大学業界(Higher Education and Research) のプリセールスを担当している新村と申します。今日は、大学とデジタル化というテーマで、昨今のデジタル革命が高等教育の業界に与える影響や変化、そしてSAPが、この業界のお客様に対して、変化に対応していくためにどのようなソリューションをご提供しているのかを、お話したいと思います。
今回は、シリーズでお届けします第1回目となります。

このブログの内容は、SAPのHigher Education and Research Industry のGlobal Head である、Malcolm Woodfield が、海外の大学業界のお客様に向けて日ごろご説明させて頂いている内容を取込んで、執筆させて頂きました。

SAPでは、ヨーロッパ、アメリカ、アジアの各地域の大学において、20年以上にわたり様々なビジネスアプリケーションを、ご採用をいただいてきた実績があり、毎年公表されるTimes Higher Education の世界ランキング上位100校のうち93校に、SAPは納入実績を持っています。(2013-2014年, http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2013-14/world-ranking

このブログの内容も、こうしたグローバル・エクセレントと称されるお客様に対して、SAPがお伝えしているメッセージを元に構成しており、海外の大学市場におけるお客様の視点がフィードバックされたコンテンツの一つと思って、お読み頂けると幸いです。

1.未来の教育に対する再考

高等教育の業界を取り巻く大きなトレンドとしては、(1)オンラインでの教育の提供、(2)多様な雇用形態からの教育ニーズの高まり、(3)グローバルでの中産階級の拡大が、教育の未来に影響を及ぼすこととなり、結果として高等教育への需要は、これからも高まるものと考えています。
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私どものお客様の中でもハーバード大やMITは、オンラインの学習プラットフォーム(Edex)を立ち上げて、世界中で500万人にのぼる学習者に高度な教育を提供しておられます。また、世界的にみても非正規を含む多様な雇用形態が増加する傾向にあり、特に働きながらより高度な専門性をもった職業を目指す層の人口が増大すると予測されます。そして、新興国では中産階級の層が拡大することにより、大学教育への需要の増加につながっていくと考えられます。

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■アカデミックビジネスモデルの変化

トレンドからはオンラインでの高等教育の提供や雇用形態の多様化に伴う新たな教育ニーズ等から、教育への需要が高まると書きましたが、限られた経営資源を有効活用し市場競争に打ち勝つには、アカデミックビジネスモデルにも変化が求められていると考えています。

大学の経営は、一般的な営利企業の経営スタイルと同じではありませんが、「優れた経営」という観点では、共通する点が幾つもあります。アウトカム(成果)を指標とした経営資源の最適な配分や資金調達への取り組みは、民間企業でも同様に重視されてきた点であり、少子化の時代を迎えて学校間での競争環境が激化しているこの業界においても重要性が高まっているとの声を、国内でも多く耳にするようになりました。

海外では、特に米国の大学をはじめとする私どものお客様は、収入構造の大半を学納金ではなく、外部からの資金調達により運営する学校も多く、精緻な収支管理と成果との連動性が求められることから、それをITで支える仕組みへの投資も進んでいます。

大学経営を「事業体」ととらえて合理的な管理手法を取り入れるという点では、民間企業の経営スタイルや研究管理のスタイルに近い欧米の大学から、長年SAPのソリューションがご評価いただいているところであり、グローバルな高等教育市場でのプレゼンス拡大を図るアジア・パシフィック圏の大学でも、評価が広がってきているところです。

■ビジネスプロセスの変化

「業務改善」「業務効率化」は、製造業をはじめ日本の企業ではお馴染みのテーマで、これまでのITも、人間が手作業で行ってきたプロセスを自動化し省力化するというところでは、全業種で取り組みが進んでいる分野かと思います。一方で、旧来の組織形態や業務プロセスが足かせとなって、大学にとってのお客様である学生、学生の家族、企業等のニーズの変化に、対応しきれないケースもあるのではないでしょうか。特に、学生(顧客)を中心に、様々なステークホルダーとのかかわりの中で、ビジネスプロセスを再設計する、それにともなって組織の有り様を見直していく、という改革の進め方は、小売り業界等の民間企業がそうしてきた様に、大学業界においてもこれから必要性が高まるのではないかと考えています。

ビジネスモデルやビジネスプロセスが変化することにともなって、働き手である大学の教職員に求められる能力も変わり、これまでと異なる新しい何かを創造することが求められるようになります。一方で、顧客である学生たちが、これから社会を支えていく上で必要としている能力や知識に対するニーズの変化にも、タイムリーに対応した教育や環境を提供していく必要があるでしょう。

そして、上記の様な変化を支え具現化する上で、昨今ではデジタル・テクノロジーの活用が不可欠であり、SAPは、こうしたお客様の期待にお応えするソリューションをご用意しています。

次回は、オーストラリア ラ・トローブ大学の事例とともに、大学のデジタル・トランスフォーメーションをサポートするSAPソリューションを交えて、ご紹介していきたいと思います。

 

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