SuccessConnect 2016【グローバル経営に寄与する人事の要諦】レポート1/3


こんにちは。SAPジャパン藤田園子です。2016年11月10日、東京・虎ノ門ヒルズで「グローバル経営に寄与する人事の要諦」と銘打たれたセミナーが行われました。そのレポートを3回に分けてご紹介いたします。

エーザイのグローバル経営を支えるリーダーの育成

特別講演1「エーザイのグローバル経営を支えるリーダーの育成」では、エーザイ株式会社 常務執行役 デピュティチーフタレントオフィサーの松江裕二氏が登壇されました。講演では、エーザイがさまざまな事業を行ううえで一番大切にしている経営理念を理解し、その経営理念に基づいた行動ができるグローバル人財の育成プログラムなどが紹介されました。

※詳細を確認されたい方は、Web、電話: 0120-554-881(受付時間:平日 9:00~18:00)へ、
お気軽にお問い合わせください。

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企業理念に基づく行動を全社員に浸透させる

エーザイ株式会社は、医薬品の研究開発、製造、販売、輸出入を主な事業とする製薬会社です。2016年3月末時点の従業員数は9,877人となり、そのうち国内で働く社員が4,500人、海外で働く社員が5,350人と、半数以上の社員が海外で働いています。

海外子会社において現地社員がトップを務め、現地で採用したローカルスタッフによるオペレーションを積極的に進めているエーザイでは、日本人がCEOに就いている事業所でも実質的な経営は外国人の社員に任せているそうです。駐在員の数も少なく、リージョン(地域)ごとの内訳をみるとアメリカが海外社員1300人中25名、EMEA(Europe, Middle East and Africa)が900名に対して4名、アジアが1250名に対して5名、中国が1,900名に対して7名となります。

世界で事業を展開し、現地採用の海外社員とともに経営や組織運営を行うエーザイでは、「企業理念をいかにグローバルに浸透させるか」をグローバル人財育成の鍵としています。

「その企業理念がどれだけ好きか、どれだけ共感できるのか。社員から共感を得られることで、社員自身の仕事へのコミットメントが強化される。これをグローバルで行っていくことが、エーザイ流の育成につながると思います」と語るのは、エーザイ株式会社 常務執行役 デピュティチーフタレントオフィサーの松江裕二氏。

実際に企業理念がどの程度社内に浸透しているかを測るエンゲージメントサーベイを実施したところ、「エーザイの経営理念は、自社が何のために存在するのかという存在価値を示している」に91.5%。「自分は、家族や社外の第三者に自社の経営理念の意味することについて説明できる」に91.3%。「日常業務の中で、これこそ自社の経営理念を体現したといえる実体験がある」に72.7%。「困難に直面しても顧客のためにあらゆる手段を駆使して目的を実現する」に90.6%の社員がイエスと回答したそうです。

エーザイが掲げる経営理念が「患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を考え そのべネフィット向上を第一義とし 世界のヘルスケアの多様なニーズを充足する」です。この経営理念を一言で表したのが「hhchuman health care、ヒューマン・ヘルスケア)」という言葉で、社員一人ひとりが患者様の目線でものを考え、医療の現場で患者様の真のニーズを知り、医薬品の研究開発、製造、販売などに活かすことを重要視しています。この「hhc」の3文字はエーザイのロゴマークとは別に、フィロソフィマークとしてCMや広告にも使われていますね。

全世界の社員に「hhc」という概念とともに経営理念を浸透させるための活動のひとつに、毎年、創業記念日(11月11日)がある11月に行う「hhcイニシアチブ」という会議があります。「会議では事業活動においていかに企業理念を実現する活動や患者様の貢献を目指した提言や論文執筆が行えたかなどを互いに報告し合い、素晴らしい内容のものは表彰します」と話す松江氏。

こうした活動を通して社員に醸成された考え方や行動規範を、さらなるビジネスの発展につなげるべく、エーザイは2016年に新たな中期経営計画「Plan ‘EWAY 2025’」を定めました。その中心コンセプトとなるのが「hhcナレッジのビジネスへの転換」です。

hhcナレッジのビジネスへの転換」においては、①患者様とともに時間を過ごして患者様の状況を共体験する「hhc共同化」、②「hhc的ニーズ」(患者様の真のニーズ)の理解、③ニーズの実現を促す「イノベーションに対する動機付け」、④患者様のニーズが満たされておらず、かつエーザイがフロントランナーとして力を発揮できる「立地」(機会)の発見が重視されています。

そのうえで松江氏は、人事の役割を「最初のポイントとなる『hhc共同化』をタレント・ディベロップメント・プログラム(人財育成プログラムや研修プログラム)に盛り込むことで、患者様のニーズを理解し、イノベーションや『立地』について深く考え、見つけ出すことができる人財を育てることにあります」と説明しました。

※詳細を確認されたい方は、Web、電話: 0120-554-881(受付時間:平日 9:00~18:00)へ、
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豊富な「人財開発プログラム」で次世代を育成

さまざまなタレント・ディベロップメント・プログラムに「hhc共同化」を盛り込むにあたって、エーザイでは人財育成の方針を「グローバル・タレントマネジメントポリシー」として明文化し、グローバルに共有しています。そのうえでエーザイが特に注力しているのが、同社の次世代を担うリーダーや若手社員の育成です。

エーザイでは現在、各リージョンで活躍している将来のエーザイを担うマネジメント候補を「グローバルエーザイリーダー」、時機読解能力(今起こっている事象を直視して、将来の機会を見出す能力)のポテンシャルを持つキャリア早期の若手社員を「次世代タレント」として位置づけ、さまざまな課題や研修を通した計画的な「人財育成」を進めています。

多様な研修メニューの中には、グローバルエーザイリーダー向けの「E-GOLD」、次世代タレント向けの「E-ACE」という、それぞれCEO(Chief Executive Officer)やCTO(Chief Talent Officer)が主催する重要な研修プログラムもあります。プログラムの最終段階では参加者が、研修を通して得た知見や今後のエーザイに対する提言などをCEOへプレゼンテーションを行うなど、経営陣と参加者のコミットが非常に強いのが大きな特徴です。

「すでに、研修を通した人財育成の効果も出始めており、E-GOLDの卒業生約94名からは、すでに9名の執行役と39名のヴァイスプレジデント、マネージングディレクターが輩出されています」(松江氏)

他方で、エーザイではより多くの社員の自己研鑽を促す、「人財育成プログラム」も多数用意されています。TOEICのスコアアップをはじめ、グローバル人財に求められるスキルを磨く「日本事業グローバルチャレンジ」や「MBA派遣」は、入社5年以上などの要件や書類審査の結果によりますが、「TOEICコンペ」のような社内の有志メンバーでチームを作り参加できるものもあります。

また、グローバル志向の社員たちが、国境を越えた人財交流を活発に行えるよう、「グローバルモビリティ」を体系的に推し進めるため、新たな制度も整備されているそうです。

また、サクセッションプランニングにも力を入れており、SAP Success Factors を活用することで、国籍を越えたタレントマップを可視化し、「グローバルモビリティ」を体系的に推し進めることも可能にしているそうです。これにより、20年ほど前から脈々と続けてきた国境を越えた「人財交流」がさらに盛んになったそうです。

新たな人財開発プログラムの導入、そして中期経営計画を刷新するにあたって、エーザイでは大規模な組織改編と人事異動が行われましたが、変革はまだ続くようです。講演の最後に松江氏は「人事施策の目的はビジネス・パフォーマンスを向上させること、中期計画の方向性に沿うよう機動的に組織や制度を見直していきます」と今後の展開を明らかにしました。

■エーザイが掲げる「グローバル・タレントマネージメントポリシー」

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いかがでしたか?海外子会社を含めた全社員に企業理念を浸透させ、現地社員にマネージメントを任せる、グローバルで将来を担う若手社員を育てる、といったエーザイ様のお取組み、大変参考になりました。

イベントの概要は、東洋経済オンラインにも掲載されましたので、こちらも是非ご覧ください。

 

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