「守りの人事から攻めの人事へ」 – 攻めの採用 第1回


こんにちは。SAPジャパンの籔本レオです。「守りの人事から攻めの人事へ」というテーマで人事領域に関連するトレンドや考え方を紹介しています。
今回のテーマは「攻めの」採用です。ここ数年採用に関する考え方が多様化しており、「ダイレクトリクルーティング」、「ソーシャルリクルーティング」等の新しい言葉も出てきています。このような状況の中、「新卒一括採用一本ではよくないのではないか」、「SNSサイトに採用ページを作成しなくてはいけないのではないか」、「”ダイレクトリクルーティング”というものを始めなければいけないのではないか」等と悩み始めている企業もいらっしゃると思います。本投稿では採用手段やプロセスについて説明しながら、自社の採用を見直すためのヒントを紹介していきます。

※詳細を確認されたい方は、Web、電話: 0120-554-881(受付時間:平日 9:00~18:00)へ、
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Students Hanging out on Stairs --- Image by © Milk Photographie/Corbis

多様化する採用

人事領域において、「採用」は従業員の入り口となる重要なプロセスです。新卒、中途等の採用手段の種類はありますが、少なくとも採用というプロセスを経て入社することになります。人材育成が中心に見られがちなタレントマネジメントにおいても、自社の文化にあった人材、既に育っている経験・専門性の高い人材、育成の取組効果の出やすいポテンシャルの高い人材等を獲得するということは重要な要素です。

日本では多くの会社で新卒一括採用を主要な採用手段としており、会社で働こうとする学生にとっても、学校の卒業までに就職活動をして、新卒一括採用で入社し、その会社に長く勤めるということが常識でした。しかし、ビジネス環境の変化により、外資系企業、新興企業だけでなく、今まで新卒採用のみで採用活動をしていた企業も経験・専門性を求めた中途採用をしはじめ、働く側としても、同じ会社で定年まで働き続けるだけでなく、キャリアアップを目的とした転職をする例も多くなってきました。また、ダイレクトリクルーティング、ソーシャルリクルーティングという新しい採用手法も一般的になってきており、関連するサービスも多く登場しています。

このようなトレンドは今までの採用手段を否定するものなのでしょうか。どのような点を意識して検討していくべきなのでしょうか。まずは採用手段としてどのようなものがあるか整理してみたいと思います。

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採用手段の分類

採用手段を分類する場合、多くの方はまず新卒採用と中途採用に分類されることでしょう。日本では新卒採用が準備期間も含めて年間を通しての活動であり、一方中途採用は必要に応じて随時行われる活動であることから、多くの会社では新卒採用と中途採用という担当者/チーム分けをしており、なじみのある分類の仕方なのだと思われます。これらは「業務プロセス(実施サイクル)」という軸での分類になりますが、別の軸で考えると異なる採用手段での分類がされます。以下に主な軸とその分類の例を紹介します。

軸1:業務プロセス(実施サイクル)

人事領域に限らず業務プロセスが異なる場合、実施単位が異なるため担当者/チームもプロセスに合わせて分けられます。日本では年間通しての活動がある新卒採用と、随時採用を行う中途採用でチーム分けされることが多いです。

 ●年間スケジュールに組み込む

  • 年間スケジュールの中に準備期間、活動期間等が組み込まれている採用
  • しっかり準備をした上でイベント的に実施できるため、多人数の一括採用に向いている
  • 一定の準備期間が必要であるため急な欠員補充のようなスピードを求められる採用には向かない
  • 国内で同時期に実施される新卒一括採用、特定時期に一定人数をまとめて採用する採用キャンペーン等が該当する

 ●必要に応じて随時実施

  • 特に時期を定めず必要に応じて実施される採用
  • 随時実施可能であるため、欠員補充や事業拡大に伴う新規採用に向いている
  • 個別案件対応となるため、多人数を一括採用には向かない
  • ポジション別中途採用、非正規(パート・アルバイト)採用等が該当する

 軸2:職種

職種によって候補者の母集団、主要な採用チャネル、選考ポイント等が異なる場合に分けられます。ITエンジニア等の専門性の高い職種において分類されることが多いです。

 ●専門職採用

  •  専門職となることを前提とした採用
  •  特定の職種経験をもった候補者を母集団とした採用に向いている
  •  専門職の特徴を踏まえた採用活動をしなければ当該分類が非効率となってしまう
  •  ITエンジニア採用、技術職採用、研究職採用等が該当する

 ●非専門職採用

  •  専門職のような特定職種経験を求めない採用
  •  特定の職種経験に限定しない広い母集団形成をしたい採用に向いている
  •  専用の採用チャネルが存在するような職種の採用には向かない
  •  事務職採用、総合職採用等が該当する

 軸3:採用ターゲット

採用ターゲットが異なる場合、母集団形成から選考の考え方まで異なってきます。候補者に求めるものが明確な経験者採用、将来性を重視したポテンシャル採用等に分けられます。

 ●能力・経験等を重視

  • 候補者に求める能力・経験・資格等が明確な採用
  • ポジション別にジョブディスクリプション(職務記述)が定義可能な採用に向いている
  • 求める能力・経験が不明確であると適切な候補者が集まらない可能性がある
  • ポジション別採用、専門職(特定資格者、一定職務経験者)採用等が該当する

 ●ポテンシャルを重視

  • 採用時には特定の経験を求めず、基礎能力から予想される将来性を重視する採用
  • 中長期的に育成可能な環境がある前提で基礎能力が高い人材の採用に向いている
  • 一定の職務経験が必要なポジションへの即戦力採用には向いていない
  • 新卒採用、第二新卒/若手ポテンシャル採用等が該当する

 軸4:仲介の有無

採用活動において採用エージェント等の第3者を介するかどうかの分類です。ダイレクトリクルーティングの実施有無のことです。

●ダイレクトリクルーティング

  • 採用活動において採用エージェント等の第3者を介さない採用
  • ダイレクトリクルーティングのメリットを享受できる
    *ダイレクトリクルーティングの特徴については後述します。
  • 社内リクルータによる採用、自社採用サイト経由の採用、リファラル採用等が該当する
  • 第3者を介さないという意味で、社内候補者を対象としたジョブポスティング(社内公募)も該当する

 ●インダイレクトリクルーティング

  • 採用活動において採用エージェント等の第3者を介した採用
  • 採用エージェント等の知見、ネットワークを活用したい場合、第3者を介した方が採用コスト効率が良い場合に向いている
  • 採用案件が多い場合、採用コストが膨大になってしまうリスクがある
  • 採用エージェントへの依頼、人材紹介会社・サイトでの採用が該当する

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Recruiting Type

採用手段の分類といっても、分類の軸によって分け方、特徴が異なる

 

*ダイレクトリクルーティングとは

ダイレクトリクルーティングはここ数年採用のトレンドとして大きく取り上げられています。さまざまな定義があり、また、関連する活動として「ダイレクトソーシング」、「ソーシャルリクルーティング」という用語もありますが、本投稿ではそれらを含めダイレクトリクルーティングとして「プッシュ型」、「プル型」という2パターンで特徴を整理します。

Dairect Recruiting

ダイレクトリクルーティングの特徴

 

上記のとおり分類の軸によって該当する採用手段が異なり、それぞれの特徴が見えてきます。そして特徴を理解すると今まで常識的に実施してきたことを見直すきっかけにもなります。例えば、「新卒採用」というと、年間イベントによる新卒一括採用を意味し、主要な採用サービスで不特定多数の学生に募集をかけることが常識のようになっていますが、「プッシュ型」ダイレクトリクルーティングによる個別採用や、専門能力を重視した採用とした方がよいかもしれません。逆に、”なんとなく”見直した方がよいと考えていた新卒一括採用について、年間イベントとして効果的に実施しやすい日本の文化、指針があり、自社としても終身雇用を前提とした年齢のバランス確保が必要で、さらに、ターゲットとする日本の学生に即戦力となるビジネススキル・専門能力がなければ、長期育成前提でのポテンシャル一括採用である新卒一括採用が最適な判断かもしれません。また、ダイレクトリクルーティングの考えが広まることで削減すべきと見られがちな採用エージェントも、自社リクルータでは困難な上位ポジションやノウハウのない職種の採用に活用するとダイレクトリクルーティングよりも有効な場合もあります。

第1回では採用手段について紹介させていただきました。次回は自社の採用を見直すポイントについて紹介予定です。

ご質問はWebからも受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

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