顧客行動を常にウォッチして、興味をもった“タイミング”を逃さない。ストリーミング・データ活用という考え方


突然ですが、もしこのブログをお読みの皆さんが、新しい海外旅行パッケージ商品のWeb販売担当者だったら、どんなWeb広告のプランを立てるでしょうか? 通常であれば、まずWebで広告をご覧になるお客様に対して、「なぜこのパッケージを買うべきなのか」、「このパッケージを買うと、どんなメリットがあるのか」を明確に、簡潔に伝えなくてはならないはずです。

しかし、Web上には無数の広告があふれ、せっかく商品について詳細な情報を並べても、肝心のお客様には、すべてを読んで比較検討する時間もモチベーションもありません。となると、限られた時間で情報収集するお客様が「ほしい」と思うであろうタイミングを捉えて、最適な広告を表示する必要があります。つまり、「このパッケージは、誰に、どのように魅力的なのか?」をお客様の行動データと、過去の行動データをリアルタイムでマッチングできる仕組みが必要になります。

顧客の購買意欲が高まる瞬間をとらえて攻略

実はいまご紹介したのは、海外の大手海外旅行サイトを運営する企業様の例です。この企業様は、競争が激化するオンライン旅行サイトでのパッケージの売上を上げるため、最先端の手法を用いたサイト運営を検討されていました。その対象は飛行機、ホテル、車や電車などの移動手段の手配に至るまで様々です。

そこで、

  1. お客様の趣味趣向を先読みするために、お客様のWeb上での行動をリアルタイムにモニタリングし、
  2. パッケージ旅行購入のプロセス・パターンを認識した上で購入する可能性が高い顧客を発見し、
  3. お客様の検索に応じて最適なパッケージ旅行を最適なタイミングで提案していきました。

その結果、パッケージ旅行の販売が7%成長しただけでなく、付随して数億円にもおよぶ売上が増大したとのことでした。

この事例が示すように、お客様へサービスや製品を提供するタイミングが今後のビジネスではますます重要になります。では、必要なデータを正確に分析した後、それにもとづいて、どのタイミングを狙って商品やサービスを提供したらよいのでしょうか?

実は、もっとも効果を発揮するのは、お客様が商品やサービスを買おうと思ったときです。「買おうと思ったその瞬間に、ニーズにあった商品が目に入る」ことが、まさに最適な瞬間なのです。「なんだ、当たり前じゃないか」と思われるかもしれません。しかしこの当たり前の瞬間を、これまで誰も正確に把握できませんでした。それを高度なデータ分析技術を駆使して把握しようというのが、SAPの考えなのです。

お客様の動向や潜在ニーズをあらかじめデータ分析によって知ることができれば、あとはお客様がWeb上でどの旅行会社のパッケージを買おうかと立ち止まった瞬間をとらえて、「なぜ他社のパッケージではなく、わが社のパッケージを買うべきなのか?」を伝えることができるのです。言い換えれば、広告の効果とパッケージ販売の機会の最大化を実現できるということです。

ストリーミング・データのリアルタイム分析を可能にするSAP Sybase ESP

今回ご紹介するSAP Sybase ESPは、顧客の最適な瞬間にタイミングを合わせて、リアルタイムなアクションを起こすための製品で、膨大なストリーミング・データの流れの中で、特定データに対するフィルタリングやトラッキング、あるいは何らかの分析や処理をマイクロ秒レベルの速度で実行できます。このためビジネスにおける次のアクションや判断が、ほぼ完全なリアルタイムで可能となります。

SAP Sybase ESPの“瞬間”のとらえ方は、PCに使うアンチウイルスソフトウェアと基本的に同じ考え方です。PC上でウイルスにチェックするのではなく、ネットワーク上でウイルスをとらえる手法と同様に、SAP Sybase ESPはデータをデータベースに格納せず、流れてくるデータをそのまま分析または処理する製品で、もともと金融サービス市場で生み出された技術です。

例えば、証券売買などをシステムで自動的に行うアルゴリズム取引では、マイクロ秒レベルでの損益の攻防が繰り広げられていますので、取引データを保存・分析し、過去データと照合した後に、どの取引ロジックを実行するかを判断・実行するという一連の処理に数秒も要しているようでは、相場の波に乗れず大きな損失につながってしまいます。SAP Sybase ESPは、このような苛酷ともいえる金融サービス市場で生まれ、鍛え抜かれたリアルタイム処理技術です。昨今では多くの分野で活用されるようになっています。

最大の特長は、「ネットワーク上に絶えず流れているストリーミング・データの解析が可能になる」ことです。

新鮮なデータを即座に共有して大きな顧客満足と利益を実現

これはWebという市場だけにいえることではありません。SAP Sybase ESPにより、企業内のストリーミング・データがその流れを止めることなくネットワークにトランスフォームされ、システム全体で即座に共有されれば、常に新鮮なデータを必要なときに、必要な形で利用することが可能になります。さらにそれらの全ストリーミング・データがインメモリー上でSAP HANAとつながるようになれば、私たちは情報市場におけるリアルタイムなビジネスを実現し、かつてないほど大きな顧客満足と利益とを手にすることができるようになるでしょう。

次回は、分析の対象となるデータの精度と鮮度を保つ方法について、お話したいと思います。ご期待ください。

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