SAPアナリティクスソリューションの最新情報
作成者:長家 正幸 投稿日:2017年5月2日
SAP S/4HANA、SAPクラウドアプリケーションに蓄積されたデータの可視化、分析を可能にするSAPアナリティクスソリューションは、機能拡張/機能追加などを含む製品アップデートを計画しております。
今回は、SAPアナリティクスソリューションの全体構成と、2017年5月に最新版のリリースを予定している、SAP BusinessObjects BIプラットフォームを紹介させていただきます。
SAPアナリティクスソリューションの全体構成
SAPアナリティクスソリューションは、BusinessObjectsブランドとして統一されており、大きく3つのソリューションを提供しています。
3つのソリューションとは、企業が意思決定するために必要不可欠な機能の集合体です。企業全体のパフォーマンスを向上するためには、各種ソリューションを組み合わせて利用することが可能なプラットフォームが必要です。
<企業が意思決定するために必要不可欠なソリューション>
- ビジネス視点での自由な分析機能を提供:Business Intelligenceソリューション
- 過去の実績から将来何が起こりうるかを予測:Predictiveソリューション
- 事業計画を合理化し、決算処理の迅速化と正確性を向上:Planningソリューション
これらのソリューションが連携されていない、または個別に連携が必要な場合、意思決定のプロセスが途切れてしまい、迅速なビジネス判断に結びつきません。
SAPアナリティクスソリューションは、これら3つのソリューションをシームレスに連携することが可能な統合プラットフォームを提供します。
図1:企業が意思決定するために必要不可欠な3つのソリューション
それぞれのソリューションは、オンプレミス環境とクラウド環境で利用いただくことができます。本社ではオンプレミス環境、子会社や海外ではTCOの最適化からクラウド環境を利用しているような場合、オンプレミス環境とクラウド環境間を、シームレスにデータ連携することが可能です。計画管理をオンプレミス/クラウド間で連携したり、オンプレミス環境で予測分析した結果を、クラウド環境で可視化することなどが可能になります。
図2:SAP BusinessObjects Analytics ポートフォリオ
このように、オンプレミス環境とクラウド環境を統合、連携したハイブリッドシナリオで情報活用いただくことができます。各ソリューションを個別にシステム化したり、既存システムのデータを個別の分析環境に移動/二重持ちすることなく、データに直接アクセスすることで、迅速なビジネス判断に結び付けることができます。
図3:ハイブリッドシナリオによるシームレスは情報活用
SAP BusinessObjects BIプラットフォームの最新情報
2017年5月に最新版のリリースを予定しているSAP BusinessObjects BIプラットフォームをご紹介します。
SAP BusinessObjects BIプラットフォームは、SAPアナリティクスソリューションのオンプレミス環境のBusiness Intelligenceソリューションです。以下の3つフロントツールで構成されており、企業全体の各階層のすべてのユーザーに最適なBIツールを包括的に提供します
- データディスカバリー:情報の発見・分析・共有
- レポーティング:自由分析、書式を整えた情報配信
- Microsoft Office統合:使い慣れたインターフェースでの分析、視覚化
図4:SAP BusinessObjects Business Intelligence ポートフォリオ
※こちらは、Lumira2.0リリース以降のBIポートフォリオです。2017年4月時点とは異なります。
SAP S/4HANAを含む様々なデータソースに対応しており、業務アプリケーション間の情報を連携した経営情報の可視化など、企業全体の資産を有効活用することができます。
また、SAP Best Practicesコンテンツとして、SAP S/4HANAをデータソースとしたレポートやダッシュボードのテンプレートの提供を進めており、更なる情報活用の高度化に役立てていただくことができます。
SAP Fioriライクな新BIラウンチパッドを搭載した最新版
まもなくリリースを予定しているSAP BusinessObjects BIプラットフォームの最新版、BI4.2SP04の情報をいち早くご紹介します。
今までの管理者向けのセントラル管理コンソール、エンドユーザ向けのBIラウンチパッドに加えて、洗練されたユーザーインターフェース、SAP Fioriライクな新BIラウンチパッドの提供を予定しています。
新BIラウンチパッドの最初のリリースでは、各種コンテンツ(レポート、ダッシュボードなど)の閲覧やデータの最新化、レポートのスケジュール設定など行うことができます。レポーティングツールの1つ、Web Intelligenceでは、レポートの閲覧/最新表示、入力コントロールによるレポートフィルタリング(条件絞り込む)、ドリルダウン/アップの多次元分析など、Fioriライクなユーザーインターフェースから操作することが可能となり、エンドユーザの使い勝手がさらに向上します。
図5:SAP Fioriライクの新BIラウンチパッド
Web Intelligenceレポートの編集/加工は、従来のBIラウンチパッドを使用します。新BIラウンチパッドから該当レポートを開き、メニューからデザインモードを選択することにより、従来のBIラウンチパッドのレポート編集画面に、自動的に画面遷移します。
また、Web Intelligenceでは、地図表現としてESRIマップのサポートや、チャート/グラフ表現として速度計/線形メーター/角度メーターの追加機能を利用することで、より分かりやすい表現のレポートが作れるようになります。
レポートのスケジュール結果の確認においても操作性、使い勝手が向上しています。各レポートのスケジュールの履歴を確認する場合、従来のBIラウンチパッドでは、個々のレポート毎に確認する必要がありましたが、新BIラウンチパッドでは、日付指定(対象期間の開始と終了)することで、レポートのスケジュール結果を探しやすくなります。
その他、レポート実行時にグループ/フォルダ毎に処理する専用サーバーを指定することによるサーバーリソースの最適化や、セントラル管理コンソールのBIアドミンコックピットの管理コンテンツの追加、リソースのライフサイクル管理の対象コンテンツの追加など、管理/運用面での機能拡張/機能強化も予定されています。
まとめ
今回は、SAP のアナリティクスソリューションの全体構成と、2017年5月に最新版のリリースを予定している、SAP BusinessObjects BIプラットフォームに関してご紹介させていただきました。
今後は、SAP BusinessObjects BIプラットフォームの様々なフロントツールの最新情報などをお届けします。
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