人材育成に必要不可欠なコーチング


Continuous Performance Management(継続的評価管理、以下略してCPM)と呼ばれる、SAP SuccessFactorsの新しい機能をSAP全社で導入を開始しました。新しいモデルでは、従来の年次の人事考課を強化する目的で、上司が部下を継続的に高い頻度でコーチングとフィードバックを行います。KPIという公のゴールと私的なキャリアゴール、両方について成果を上げ、業績に結び付けます。人材育成を通して、人材管理を行ってく新しい評価育成管理と呼んでもいいでしょう。

年に1回の評価

 

今まで年次の評価面接は年に一回、そのため、初年度に立てた目標から遠ざかり、何が目標であったかも忘れてしまう、ということはありませんでしたか。日本の場合は、密に顔を合わせて業務を営んでいますので、毎日の連絡事項などは、頻繁に行われています。しかし、公の組織管理のためのミーティングは、ボーナス時期にしか行われない、ということも多々あります。上司との会話の頻度を上げることにより、また、上長からのアドバイスを多くもらうことにより、軌道修正をしたり、新しい目標を追加したりできます。一方上長は、人事評価という観点よりも、コーチングの才能を評価される側面が出てきて、組織が前向きになる機会が生まれます。

ボーナス時期だけの人材評価

 年に1-2度の上司との評価面接。今年こそ、よいフィードバックが少しでもあるかと思って臨んでいても、いつものごとく期待で終わってしまったことは何回もあります。また、褒められるよりも、間違ったことや達成できなかったことばかりに話が集中することが多々あり、ダンボの耳も閉じてしまいます。そして、同じことだけ毎回言われていては、「馬の耳に念仏」状態となり、上司の声は遠吠えとなって、聞き取れなくなります。これでは、意志の疎通などありません。

このCPMの形式は、チャットのようになっていて、上司と自分との会話が記録されるようになっています。ログが取れるので、便利です。ですから、わざわざ面と向かってミーティングを設定しなくても、チャットで思いついたときに進捗や自分の思いを知らせておけば、相手の好きな時にフィードバックがくるということになります。

特にグローバル企業には、上司が海外在住という人々も多いはず。海外の上司とのやり取りがCPMになると、一段と簡単で、頻繁になるため、関係がよくなるケースが多々あります。このCPMは面と向かっても、離れていても、いずれの方式にも対応できるシステムです。話をした後にログを取るつもりでチャットの中に入れ込んでも、実際、チャットとして活用しても、可能ということになります。

これだけ聞くと、「何だ、それなら、チャットをすればいいだけじゃない!」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、ところが、より優れた機能が備わっているのです。

目標管理との連携

異なる世代のコミュニケーションギャップ

まず、自分が行っているアクティビティの優先度や進捗度を記入できます。そのため、上司にも何が重要で、どの段階にあるのか、理解してもらえることになります。

そして、それらのアクティビティを年初に掲げた目標や発展中の目標に結び付けられます。つまり、自分の今やっていることが、何のためになっているのか、思い出され、また、明確化します。年始目標から離れず、一貫性を通すことができるのは、企業目標を組織として取りまとめるにも重要です。また、一人一人の量的でなく質的な情報をまとめることができ、大変楽なモデルと言えましょう。

さらに、SAPのように5世代が働く会社では、コミュニケーションの方法も様々です。1945年より以前に生まれた伝統的なサラリーマン、1946年から1964年の間に生まれたベビーブーマーたち、1965年から1976年に生まれたGeneration X、1977年から1995年に生まれたGeneration Y,そして、最も理解不可能と言われている1996年以降に誕生したGeneration Zの人々。伝統的な人々とGeneration Zでどうやって話あうのでしょうか。伝統的に顔を見て話そう!タイプと、Generation Zのように、同じ会社にいても顔を合わせず、チャットでコミュニケーション!という人々がいます。そのような世代でも抵抗なく使用できるモデルであることは確かです。

顔が見えないなら、よりコミュニケーションを

コミュニケーションの方法のギャップが大きかったため、思わぬことに発展してしまった例があります。アメリカの知人は、自分のチームにヘッドハントをしてきて、チームの活性化を計ろうとしました。アメリカでは、人事部が雇用プロセスを行わず、上司となる人が雇用プロセスを行います。彼は、米国の一流大学、最高学部出身で、成績優秀な人材を無事射止めることができ、明るい未来を夢見ていました。会社でも、周囲に、「今度はすごいのがくるぞ。優秀だぞう!」と自慢してはばからなかったそうです。

 

カフェで楽しく…

そして、採用の手続きも無事終了し、優秀な部下への期待は募るばかり。会議への招待状やら、トレーニングへの案内などもどんどん送っていました。その子が席に座っていることがほとんどないのは、このようなトレーニングや会議で忙しいから、と勝手に彼は思い込んでいました。しかし、トレーニングなどのクラスのレポートなどをみると、どうも出席率が悪い。デスクにカバンや個人の持ち物は置いてあるが、デスクにいないだけでなく、トレーニングにも出ていない。会社に来た事は来たらしいが、顔を見ない。若い部下の話によると、どうもFacebookなどには、アップデートが頻繁にされているらしい。会社の近くのどこかから、仕事以外の事にいそしんでいたようです。結局、大変優秀な人材ではありましたが、すぐにご遠慮いただくことになりました。しかし、それだけではなく、雇用した方の手腕について、評判を下げて去っていってしまったそうです。

もし、この時、CPMが使用されていたら、どうなっていたでしょうか。上司はトレーニングに出席することが重要課題であることを伝えられます。相手がどこにいても、会社のルールを知ることを伝えられます。もしかしたら、そのようなコミュニケーションであれば、Generation Zも、上司に答えをチャットで送っていたかもしれません。

ここまできて、思ったのですが、もしかしてこの組織マネージメントシステムは、人々がいろいろな組織から参加しているようなプロジェクトでは、とても良い結果を導き出すのではないでしょうか。是非、アイディアを生かしてご活用ください。そして、皆さまの様々なアイディアやご意見をお待ちしております。

 

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