改めて定型レポート SAP Crystal Reports


今回はSAP S/4HANA、SAPクラウドアプリケーションに蓄積されたデータの可視化、分析を可能にするSAPアナリティクスソリューションの中からレポーティングツールであるSAP Crystal Reportsを紹介させていただきます。尚、前回投稿のSAPアナリティクスソリューション最新情報も併せてご覧ください。

BI_Portfolio

図1: SAP BusinessObjects Business Intelligence ポートフォリオ

SAP BusinessObjects Web IntelligenceとSAP Crystal Reportsの違い

SAP BusinessObjects BIプラットフォームのレポーティングツールは、SAP BusinessObjects Web Intelligence(以下、Web Intelligence)とSAP Crystal Reports(以下、Crystal Reports)があります。一般的には、非定型レポートはWeb Intelligence、定型レポートはCrystal Reportsという用途に分けられます。

この定型レポートとしての特長が“ピクセル・パーフェクト”です。これはデザインとブラウザの表示を、1pxの狂いもなく合わせることです。現実的には、ブラウザによって横幅や利用可能フォントが違うので「寸分の狂いもなく」というのは難しいですが、 出来る限りデザインとブラウザのレンダリングを合わせる定型レポートが作成可能です。したがって、SAP S/4HANAをデータソースとする会計レポート等の場合、定型レポートが多いためCrystal Reportsを活用するケースも多くなると思います。 CR_Sample01

図2: SAP Crystal Reportsのサンプルレポート

Crystal Reportsには2種類のプロダクトが存在する

SAP BusinessObjects BIプラットフォームのメジャーバージョンBI4.0がリリースされた際、旧来製品の流れをくむC++ベースのCrystal Reports 2011Javaベースの新しいCrystal Reports for Enterprise 4.0が存在し、機能拡張を経ながら今日に至りました。それぞれ、最新バージョンはCrystal Reports 2016およびCrystal Reports for Enterprise 4.2になります。(最新のSP: Support PackについてはSAPサポートポータルにてご確認ください。)

双方のプロダクトで若干の機能差はあるものの、作成されたレポートは同じ.rpt拡張子で保存され、機能差を除くとどちらのレポートも相互に利用することが可能です。

Interface

図3: 各レポートデザイナーのインターフェイス

2つのプロダクトの使い分けとしては、基本的にスタンドアロンの利用や、VS.NET等の開発環境での利用や旧来からのSDKによる開発を伴う場合には、Javaでも.NETでも開発可能でVS.NETにもバンドルされていた実績のあるCrystal Reportsを推奨しています。また、SAP BusinessObjects BIプラットフォームと連携して利用する場合には、BI4.0から新しくなったユニバース(業務別目的別ビュー)にも対応しているCrystal Reports for Enterpriseを推奨しています。

Crystal Reportsの機能的な特長

ここでは、Crystal Reportsの代表的な機能を4つ紹介させていただきます。

1. パラメータ(プロンプト)

パラメータは、Crystal Reportsの 式(後述)で使用できる Crystal Reports フィールドです。式、選択式、およびレポート自体の中でパラメータを使用すると、ユーザが入力する値によってその動作を変更することができます。プロンプトは、ユーザによるレポートパラメータ値の設定を支援し、表示されるダイアログ ボックスで値を選択すると、それらがプロンプトの値を設定します。例えば“国”をパラメータとして、レポートを表示する際にプロンプトで選択/指定するような場合に利用します。

CR_Func01

図4: Crystal Reportsのパラメータ(プロンプト)

2. アラート

アラートは、Crystal Reports で作成したカスタムメッセージであり、レポートのデータが一定の条件を満たすと表示されます。アラートは、指定した条件を評価する式から作成され、条件が真であればアラートが発せられ、メッセージが表示されます。メッセージはテキスト文字列またはテキストとレポートフィールドを組み合わせた式にすることができます。以下の例では、レポートを実行(最新表示)した際、“500万以上の受注顧客”に対してアラートが発せられ、その条件に合致したデータのみ抽出して表示しています。CR_Func02

図5: Crystal Reportsのアラート

3. 式

レポートに必要なデータは、データベーステーブルのフィールドにすでに存在している場合が多くあります。たとえば、受注リストを作成する場合は、その目的に合ったフィールドをレポート上に配置すればいいのですが、どのデータフィールドにもないデータをレポートに挿入しなければならない場合もあります。このような場合は、式を作成する必要があります。たとえば、各注文の処理にかかった日数を計算するには、受注日から出荷日までの日数を求める式が必要です。Crystal Reports を使うと、こうした式を簡単に作成できます。

CR_Func03

図6: Crystal Reportsの式

4. フォームオーバーレイ

Crystal ReportsではPDFや画像等をOLEオブジェクトとして取り込み、そのPDFのフォーマット上にデータ項目を配置してレポートを作成できます。したがって、届け出書類や指示書等、印刷時に紙の指定フォーマットがあるような場合に便利な機能です。CR_Func04

図7: Crystal Reportsのフォームオーバーレイ

尚、他にも魅力的な機能が多々あります。以下の動画が参考になると思いますので、併せてご覧ください。

主要機能のデモビデオ

まとめ

今回は、SAP のアナリティクスソリューションの中からレポーティングツールであるSAP Crystal Reportsに関してご紹介いたしました。以下にお役立ち情報サイトをまとめましたので是非ご活用ください。

SAP Crystal Reports公式サイト
評価版ダウンロードサイト
公式チュートリアル
英語コミュニティサイト
日本語コミュニティサイト
開発者向けSDK
関連書籍

今後も、SAP BusinessObjects BIプラットフォームの様々なフロントツールの最新情報をお届けしますのでお楽しみに!

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