Dynpro画面を簡単にFiori化!SAP Screen Personas 3.0の新機能


基幹システムにおいても、コンシューマーアプリと同様に、シンプルかつ直感的に利用できるUXを提供することが、利用者の満足度を高め、生産性を向上させるために重要になります。SAPでは、複雑で難解な旧来のユーザインターフェースをシンプル化することを目的として、UX戦略を定義し公開しています。

SAPのUX戦略

SAPのUX戦略

 

SAPのUX戦略は、以下の3つの分野に焦点を当てています。

  1. コンシューマーグレードのUXで構築された新しいアプリケーションの提供(New)
  2. 多くのお客様に使用されている既存ビジネスシナリオのUXの更新(Renew)
  3. 特定シナリオのUXを向上させるためのツール、教育、およびサービスの提供(Empower)

SAPのUX戦略のコアとなるソリューションはSAP Fioriです。すべての新しいアプリケーション(上記1.)および既存ビジネスシナリオの更新(上記2.)にSAP Fioriを採用することが決まっています。

これに対してカスタムトランザクションを含むSAP GUIやWeb Dynproといった旧来のSAP画面をパーソナライズするためのツール(上記3.)としてSAP Screen Personasが位置付けられています。 SAP Screen Personasを使用すると、適切な情報を、適切なユーザーに、適切なコンテキストで提供することができ、より少ない時間で、より多くの成果を得ることができるようになります。

シンプル化された画面例

シンプル化された画面例

 

SAP Screen Personasについては、こちらをご覧ください。

SAP Screen Personasの最新バージョンは2015年7月にリリースされた3.0ですが、先日開催されたSAPPHIRE NOW 2017直前の5月5日に最新のサービスパックであるSP5がリリースされています。

今回は、最新バージョンであるSAP Screen Personas 3.0について、以前のバージョンから機能強化されたポイントをお伝えいたします。

Silverlightに依存しないアーキテクチャの採用

以前のバージョンのSAP Screen Personasはシンプル化した画面を表示するためにMicrosoft Silverlightのプラグインを使用する必要がありました。但し、Windows O/Sを除くモバイルデバイスは、Silverlightプラグインを使用できないため、これらのデバイスではSAP Screen Personasは実行できませんでした。

SAP Screen Personas 3.0はSilverlightの技術に依存しない設計に一新され、Web GUI(SAP GUI for HTML)と同じように動作するようになりました。これに伴いパフォーマンスも改善され、Web GUIに匹敵するシステムパフォーマンスが提供されています。また、Web GUI用に作成したフレーバーをSAP GUI for Windows上でレンダリングすることもできるようになっています(フレーバーとはSAPトランザクション画面のバリエーションのことで、1つのトランザクション画面に対して複数のフレーバーを登録することができるようになっています)。

SAP Screen Personas 3.0のアーキテクチャ

SAP Screen Personas 3.0のアーキテクチャ

 

スクリプトの機能強化

スクリプトは、SAP Screen Personasの強力な機能の1つです。 スクリプト機能を使用するとキー入力を自動化して画面をスキップしたり、ポップアップを抑制したり、異なる画面間や異なるトランザクション間で情報を移動することができます。

SAP Screen Personas 3.0では、お客様からのフィードバックを元にスクリプトエンジンがさらに強化されています。以前のバージョンでもバックグラウンドのJavaScriptエンジンを使用して簡単なタスクを自動化することはできましたが、SAP Screen Personas 3.0では、独自のJavaScriptコードを追加・編集でき、より複雑でより多くの機能を自動化できるようになりました。

また、ボタンと独立してスクリプトを管理するアーキテクチャになり、フレーバーをまたがってスクリプトを再利用することができるようになりました。

新しくなったスクリプト機能

新しくなったスクリプト機能

より直感的なエディタの採用

SAP Screen Personas 3.0ではエディタ機能が強化され、コントロールのクローン作成や、ボタンの整列、独自定義したカラーパレットからのカラー選択などの新機能が追加されました。また、作成したデザインを複数のフレーバーで再利用するためのグローバルテーマエディタも追加されました。さらに、一貫した直感的な画面を作成するには、さまざまな画面要素の配置を調整する必要がありますが、SAP Screen Personas 3.0は、ピクセル単位で表示位置を設定できるようになり、コントロールをどこにレンダリングするかを正確に制御することができます。これらの新機能により、以前のバージョンよりも素早く、そして簡単にブランディングに則ったデザインのフレーバーを作成できるようになりました。

コントロールの制御メニューとカラーパレット

コントロールの制御メニューとカラーパレット

さらに最新のSAP Screen Personas 3.0 SP5では、自動ヘルパーガイドと、選択したコントロールをスナップして他の画面要素に合わせるオプションが追加されました。 これにより、画面上の位置制御を素早く行うことができ、プロフェッショナルなフレーバーをより簡単に作成することができるようになりました。

アダプティブデザイン

SAP Screen Personas 3.0 SP5では、お客様からのフィードバックに基づいてアダプティブデザインを作成するための新しい機能が導入されました。 アダプティブデザインとは、画面またはブラウザのサイズに基づいて自動的にフレーバーが変更される機能のことです。SAP Screen Personas 3.0では、親フレーバーを作成し、その親フレーバーと同じフレーバーの追加のバージョンを作成し特定の画面サイズに関連付けることで、これを実装しました。SP5より前のバージョンでは、これを実現するために画面サイズが変わったときにフレーバーを変更するためのIf…Then…スクリプトを記述する必要がありましたが、その必要がなくなりました。SAP Screen Personasが、画面サイズに基づいて適切なフレーバーを選択してくれます。

アダプティブデザインについては、以下の動画を参照ください。

アダプティブデザイン

アダプティブデザイン

 

SAP Screen Personas Flavor Gallery

SAP Screen Personas Flavor Gallery は、SAP Screen Personasの開発プロジェクトで利用可能な事前定義された多数のテンプレートを提供しています。テンプレートとは一貫したルックアンドフィールを作成するための画面要素で、これらのテンプレートをSAP Screen Personasにインポートすることで、あらかじめ設定されたデザインパターンに従って、すばやく一貫した画面を作成することができます。

また、SAP Screen Personas Flavor Gallery は顧客およびパートナーが作成したフレーバーを共有する場所としてもご利用いただけます。

SAP Screen Personas Flavor Gallery

SAP Screen Personas Flavor Gallery

 

SAP S/4HANA の画面デザインの作成

リリース当初、SAP Screen PersonasとSAP Fiori はまったく異なる技術で構築され、お互いにまったく関係がないソリューションでした。しかしSAP Screen Personas 3.0がリリースされてから、これらの技術が統合され、SAP Screen PersonasとSAP Fioriを使用して、従来のデスクトップとモバイルプラットフォームの両方で優れたUXを構築することができるようになりました。

SAP S/4HANA 1610の標準UIであるFiori 2.0は、Fiori 1.0のブルークリスタルのテーマを継承した新しいベリーズテーマで構成されていますが、最新バージョンのSAP Screen Personas 3.0では、このベリーズテーマのフレーバーを簡単に作成し、Fiori Launchpadに埋め込んでシームレスなUXを作り出すことができます。

このようにSAP Screen PersonasはSAP S/4HANAイノベーションとの互換性を維持し続けています。

SAP Screen PersonasによるS/4HANAデザイン画面の作成

SAP Screen PersonasによるS/4HANAデザイン画面の作成

 

まとめ

SAPでは1992年にDynpro ABAPベースのアプリケーションの開発を開始して以来、数十万の画面を含む何千ものトランザクションが開発されました。これらの莫大な量のトランザクションをお客様の優先度に基づいて順次SAP Fioriへ移行が行われていますが、完全に移行するまでには多大な時間がかかることは明らかです。よって、SAP Screen Personasは引き続きSAP UX戦略においてとても重要な位置づけのソリューションの一つとなっています。

また、現在SAP Screen PersonasはiPhone/iPadやAndroid等のスマートフォンやタブレットを正式にサポートはしていませんが、これらへの対応がロードマップに記載されており、近い将来SAP Screen Personasで作成したフレーバーをモバイルデバイス上で利用できるようになる予定です。

今後の動向にご注目ください。

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