SAP Cloud Platform Cloud Foundryのアプリケーション開発 第二回
作成者:林田 宏介 投稿日:2017年6月27日
第一回では、SAP Cloud Platform Cloud Foundryのアプリケーション開発に必要なセットアップを行いました。
第二回の今回は、実際にCloud Foundryへアプリケーションをデプロイします。入門によくある「Hello world!」アプリケーションでは面白くないので、Node.jsベースのWebスプレッドシートアプリケーションである、EtherCalcをデプロイして動かしてみたいと思います。
まずは、EtherCalcのソースコードがGitHubで提供されていますのでそれを取得します。以下の手順はGitコマンドがインストールされていることを前提に解説しますが、インストールされていない場合には、こちらからソースコードをZip形式でダウンロード出来ますので、ダウンロードして展開してください。
コマンドライン、Macの場合はターミナルから以下のコマンドを入力してソースコードを取得します。
$ git clone https://github.com/audreyt/ethercalc.git
Cloning into ‘ethercalc’…
remote: Counting objects: 7259, done.
remote: Compressing objects: 100% (6/6), done.
remote: Total 7259 (delta 0), reused 2 (delta 0), pack-reused 7253
Receiving objects: 100% (7259/7259), 10.47 MiB | 55.00 KiB/s, done.
Resolving deltas: 100% (4177/4177), done.
取得すると、ethercalcというフォルダが出来上がりますので、そちらに移動します。Zipファイルでダウンロードした場合には、解凍後にethercalcというフォルダがありますのでそちらに移動してください。
$cd ethercalc
次にCloud Floundryにアプリケーションをデプロイ・起動します。引数はアプリケーション名とアプリケーションが利用するメモリのサイズをオプション「-m」で指定します。EtherCalcはメモリを消費するアプリケーションのため、今回は256Mで指定をしています。
今回はお試しアプリケーションのため引数でアプリケーション名などを指定していますが、実際のアプリケーション開発ではこれらのデプロイの情報を「manifest.yaml」というファイルに定義して引数での指定なしにデプロイが出来ます。構成ファイルの詳細についてはCloud Foundryドキュメントを参照ください。
$ cf push ethercalc -m 256M
xxxx.xxxx@xxx.com としてアプリ ethercalc を組織 <ユーザID>trial_trial / スペース dev 内に作成しています…
OK
経路 ethercalc.cfapps.us10.hana.ondemand.com を作成しています…
OK
ethercalc.cfapps.us10.hana.ondemand.com を ethercalc にバインドしています…
OK
ethercalc をアップロードしています…
次のパスからアプリ・ファイルをアップロードしています: <ファイルが保管されているディレクトリ>/ethercalc
383.6K、246 個のファイルをアップロードしています
Done uploading
OK
〜 中略 〜
1 個の中の 1 個のインスタンスが実行中です
アプリが開始されました
OK
アプリ ethercalc はコマンド `npm start` を使用して開始されました
xxxx.xxxx@xxx.com として組織 <ユーザID>trial_trial / スペース dev 内のアプリ ethercalc の正常性と状況を表示しています…
OK
要求された状態: started
インスタンス: 1/1
使用: 256M x 1 インスタンス
URL: ethercalc.cfapps.us10.hana.ondemand.com
最終アップロード日時: Wed Jun 21 07:16:00 UTC 2017
スタック: cflinuxfs2
ビルドパック: node.js 1.5.34
状態 開始日時 CPU メモリー ディスク 詳細
#0 実行 2017-06-21 04:16:45 PM 0.1% 256M の中の 115.4M 1G の中の 104.2M
デプロイが完了し、アプリケーションの起動も完了しました。
SAP Cloud PlatformのCockpit画面に移動します。アプリケーションにethercalcというアプリケーションが追加され、ステータスが開始済になっているはずですので、ethercalcに移動しましょう。概要画面にアプリケーションルートのリンクがあるのでそちらもクリックしてみます。
EtherCalcのトップ画面が表示されます。
Create Spreadsheetのボタンを押下してみましょう。
起動に少し時間がかかりますが、エクセルのようなスプレッドシートが表示されて、文字の入力や計算なども出来ます。
今回はEherCalcを動かすところまでやりましたが、今の状態では一度作成したスプレッドシートが保存されないため、再起動するとせっかく作ったファイルが消えてしまいます。
次回は、NoSQLのデータストアであるRedisを利用して、入力したデータを保存出来るようにして作成したファイルを保管する機能を実装したいと思います。
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