100万アイテムを超える卸売業の膨大なトランザクションを支える情報基盤-トラスコ中山株式会社:SAP HANA導入事例①


トラスコ中山株式会社(以下、トラスコ中山)様は、機械工具や物流機器など、MROと呼ばれる工場用副資材の卸売業を幅広く手がける大手専門商社です。

2012年3月期で初めて100万を超える商品アイテムの膨大なトランザクションの管理基盤としてSAP ERPを運用してきた同社は現在、SAP HANAによるさらなる情報基盤の強化に取り組んでいます。(SAPプレスリリース)

日々発生する顧客からの問い合わせ対応の迅速化、スピーディかつオンデマンドな受発注処理、さらには需要予測や売れ筋分析などのデータ活用による顧客満足度アップに向けて、着々と準備を進めています。

これから3回に分けて、同社のSAP HANA導入背景について解説していきたいと思います。

早くお客様に届けたい!豊富すぎる商品アイテムがビジネス課題に

同社の扱う商品の範囲は、工場などのモノづくりの現場で必要とされる、あらゆるツールや資材にわたります。そのアイテム数は100万以上に及び、これらを製造業や屋外作業関連業ほか、ホームセンターや通販業者向けに供給しています。しかし、「卸売業としての最大の強みであるこの商品点数の豊富さは、一方で当社のビジネスの大きな課題でした」と語るのは、トラスコ中山株式会社 経営管理本部 情報システム部 部長 佐々木伸昌氏です。

「100万アイテムという商品数は、担当者が憶えられる限度をはるかに超えており、お客様からのお問い合わせや受発注にすぐに対応しきれない点は、長年の大きな悩みでした。また当社のお客様の多くはプロの技術者です。このためドライバー1本でも、ご注文があればすぐにお届けするのが基本なのですが、これも商品点数にマンパワーが追いついていないのが実情でした」

「必要な時に必要なモノを必要なだけ」をポリシーに謳う同社ですが、

・商品点数がとにかく多い
・お客様の注文は「すぐにほしい」が基本
・出荷は小ロットかつ頻度が高い

といった自社の商品販売の特性が、問い合わせ対応から受発注、発送までの手間を膨大なものにしていたのです。

将来の成長を支える強力な情報システム基盤の模索

「問題は、注文品の発送だけではありません。見積のご依頼があっても、回答までに時間がかかり、お客様をお待たせしてしまうことがしばしばでした」(佐々木氏)

さらに同社におけるデータ活用の課題は、販売実績データにもとづく売れ筋商品の分析や新規提案、新規訪問先のターゲット選定など、今後のビジネスの成長を支える営業力の強化といった問題にまで及んでいました。これらを解決するためには、膨大な商品数に負けない処理能力を備え、次の成長ステップへ向けたデータ活用が可能な情報基盤が不可欠であることを、誰もが痛感していたといいます。

実は、同社ではすでにSAP ERPを中核とする情報システム基盤が構築され、長年にわたって活用されていました。これはSAP ERPの配下にWeb受注、EDI、物流、在庫適正化、商品データベースなどが置かれ、一方では情報系ツールや人事、ワークフローなどとも連携した、同社の経営、業務全体を統合するシステムです。

「しかし、導入後も年を追うごとに商品数は増加し、現在は完全に負荷オーバーになっていました。周辺システムもパフォーマンスに問題があり、全体に処理の遅れや信頼性といった点で、現場からも根本的な改善の要望が寄せられていたのです」(佐々木氏)

経営計画に照らして4つの達成目標とシステムのコンセプトを策定

そこで同社では情報システム基盤の改善に先立って、解決すべき課題を自社の経営計画に照らしながら検討を重ねていきました。この結果打ち出されたのが、「経営計画から求められるシステム改善ポイント」でした。これらは大きく下の4つの達成すべき目標(課題)と、それに呼応するシステム改善コンセプトから成っています。

①    販売力の強化:支店業務担当者を支援する情報提供の実現
②    取扱アイテムの拡充:アイテム数拡充に対応できる情報システム基盤の整備
③    戦略的在庫アイテムの増強:在庫増強に向けた適正在庫予測の実現
④    IT能力向上で顧客利便性アップ:電子商取引受注比率の向上に対応できる情報システム基盤の整備

「課題の策定にあたっては、抽象的なコンセプトだけでなく、具体的な数値目標も多く採り入れました。たとえば取り扱いアイテムの拡充では、カタログ掲載アイテムを現在の17万8,300点から22万点に増やして受注の間口を拡げようといった達成目標を置いたのです」(佐々木氏)

この他にも、物流拠点に常備している商品を、現在の16万4,600アイテムから20万点に引き上げる。またお客様の利便性を向上させるために、Web受注などを活用した自動受注の比率を80%に高めるといった目標値が置かれました。そして、これらの条件を満たすプラットフォームとして、最終的に採用が決まったのがSAP HANAでした。

次回は、同社のSAP HANAを使った新情報システム基盤の概要についてご紹介します。

【参考リンク】
トラスコ中山株式会社
トラスコ中山は、モノづくりの現場で必要とされる機械工具、物流機器、環境安全用品をはじめとしたMRO商材(工場用副資材)の卸売および自社ブランド「TRUSCO」の企画・開発を事業としています。

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