IoTでビジネスをつなぐ!インテリジェンスワークで「働き方改革」
作成者:SAP編集部 投稿日:2017年8月7日
IoT(モノのインターネット)というと、冷蔵庫が自動で商品を購入してくれる機能や、スマホからドアキーをロックできる機能など、身近な製品での実用例が目立ちます。一方で、ビジネスの世界ではIoTはどのように活用されるのでしょうか。「仮想コールセンター」や「インテリジェント(スマート)オフィス」など、昨今話題の「働き方改革」とIoTのつながりについてご紹介します。
仮想コールセンター構築でより効率的に!
産業用機械大手・安川電機の米国法人、米国安川株式会社(YASKAWA America, Inc.)では、120人のコールセンタースタッフによる、24時間・年中無休のサービス対応を実施しています。同社では、SAPの「SAPコンタクトセンター・ソフトウェア」を導入することで、異なるロケーションに位置するコールセンターのバーチャル化に成功。コールセンタースタッフの在宅勤務が可能になったほか、94%の問い合わせ電話を30秒以内に受け付けることができるようになり、待ち時間は半分以下に短縮されました。運営費用が50%減となった一方で、顧客満足度が向上し、売上高は10%増となったのです。
IoTで建設業界の効率化を支援
また、先ごろSAPジャパンと建機大手のコマツ、NTTドコモ、IoTプラットフォームのオプティムは、建設業務における生産プロセスに関与する、土・機械・材料などのあらゆる「モノ」をつなぐ新プラットフォーム「LANDLOG」企画・運用で協業すると発表しました。
2017年10月に建設事業者向けに提供開始することを目指しています。コマツは、自社の建設現場向けに展開するソリューション事業「スマートコンストラクション」において、IoT×製造業の成功例として知られています。SAPとNTTドコモ、オプティムは、長年こうしたコマツのIT化を支援しているのです。
少子高齢化や2020年の東京五輪開催に向けて、国内建設業界では人手不足が顕在化しており、生産プロセスの効率化が求められています。建設生産プロセスには、各工程で複数の専門業者が関わるため、建設生産プロセス全体を一元管理が困難となっていました。
コマツの「スマートコンストラクション」で運用しているプラットフォーム「Kom Connect」は、施工現場ごとに建設生産プロセス全体の情報を収集・蓄積し、解析する層と、プラットフォームに蓄積されたデータを活用して生産性向上・現場の安全を図るアプリケーションの2層に分かれています。今回の共同プロジェクトでは、情報の収集・蓄積、解析層の機能については4社で企画・運用するランドログに移譲し、建設生産プロセスにおけるあらゆる「モノ」のデータをランドログに集積。施工会社などの要望に応じてさまざまなアプリケーションプロバイダーに情報提供していきます。
IT導入で長時間労働の改革を
アメリカの調査会社IDCの「Global IoT Decision Maker Survey(2015年8月)」によると、2018年には世界人口の16%がミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭までに生まれた人)となります。IT技術は日進月歩で進化しており、情報活用が加速する中で企業も変革を迫られているのです。高度経済成長期からバブル時代の「24時間戦えますか」の世代、さらには長引く景気低迷による人員削減で長時間労働が蔓延してきた日本でも、業務効率を高めて生産性を向上する「働き方改革」への道筋が見えています。政府主導での取り組みに加え、生活のために長時間労働を受け入れてきた労働者側の意識も変わりつつあるといえるでしょう。
特に、少子高齢化で労働力人口が減少する中で、ワークライフバランスの適正化は新卒をはじめとする人材の確保という面からも重要です。日本生産性本部が毎年春に発表する、新入社員を対象とした意識調査でも、2017年度新入社員の74.0%が「残業が少なく、自分の時間を持てる職場がよい」と回答し、23.9%が「働き方改革」で重要と思うテーマの1位に「長時間労働の是正」を挙げています。
先のIDCの調査では、58%の企業が「IoTは事業戦略に有効」と見ており、企業を取り巻く厳しい競争を勝ち抜くために、社内外からIoTを利用した働き方改革が求められているといえそうです。
SAPのIoT「Leonardo」テクノロジーは、デジタルイノベーションで働き方を変えていこうとする企業を支援します。
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