IT担当者がプロフィットセンターのリーダーに!?データ分析で真価を発揮するITプロの役割とは?


「IT部門は裏方に徹してはならない」というトレンドがあるように思われます。その意図するところは、ビジネス拡大へのITの必要性がますます高まってきているということです。これまでは煩雑な業務の効率化といった社内の「困った」を解決することが多かったIT部門ですが、今後はより事業に直接貢献する働きが期待されています。

そもそもITが担う役割って?

今日、ITを導入していない企業はほとんどないといっていいでしょう。ただし、実際にITを多面的にフル活用している企業、というとそれほど多くないかもしれません。最初にITが持つさまざまな側面についておさらいしておきましょう。

ITといわれて多くの人が最初に連想するのが、仕事を便利にしてくれる「道具」としてのITです。近年発達のめざましいスマートデバイスは、移動中でもチャットツールで社内外の人とリアルタイムにコミュニケーションをとったり、外出先からもパソコンに向かうことなく日報を送信できたりといった便利でフレキシブルな働き方を実現しました。また、もっと古くから使われている表計算やプレゼンテーションのソフトウェアも仕事を効率的に進めるための道具だといえるでしょう。

これをもう一歩進めると、ITは道具ではなく業務を進めるワークフローそのものになっていきます。顧客に見積もりを出し、受注が入力されると倉庫の在庫管理につながり、出荷情報も記録される。こういった日々の企業活動を可能にしているのもやはりITなのです。ここでのITはもはや従来

の業務を便利にするための道具というよりは、業務を進めるためのインフラになっています。

さらに、ITの発展は日進月歩で、数々の新しいイノベーションが世界中で起こされています。クラウドはその分かりやすい一例ですが、この技術の登場によって、それまで社内の専用サーバーでしか運用できなかったシステムのあり方が大きく変わりました。こうした企業の事業運営に新しい考え方を持ち込むのもITの持つひとつの側面だといえるでしょう。

IT部門が経営戦略のリーダーシップをとる!?

このようにいくつもの側面を持つITですが、最近では滞りなくインフラを機能させることだけではなく、IT部門による直接的な事業への貢献がより求められるようになっています。
IT担当者のなかには「いきなりそんなこと言われても……」と途方に暮れる人もいるかもしれません。そんなIT部門へのヒントとなるのが「データ分析」です。日々事業を行っていくなかで企業には膨大なデータが蓄積されています。それらを新しい角度から分析したり異なるデータを組み合わせたり、あるいは分析結果をリアルタイムで提供することができれば、事業への直接的な貢献が可能になるのです。

1つの具体的なソリューションとして挙げられるのが、データの分析から今後のビジネスの流れを予測することです。従来マーケティングや営業部門が担っていた予測と違うのは、まず大量のデータを素早く分析できること、そしてそのスピードを活かしてリアルタイムでビジネスの動きを把握できることでしょう。担当者の経験や勘だけに頼らず、過去の蓄積データではなく直近のデータを参照しながら市場の動向を明らかにすることで、次の一手を市場のリアクションから間をおかずに打っていくことができるのです。こうした予測分析には最新のAIやビッグデータ分析の手法が取り入れられています。

「つながる」「見える」が付加価値に

ITをめぐるもうひとつの大きな潮流として、IoTも見逃せません。これまでは個別に稼働していた機器同士がネットワークを介して「つながる」こと、そして機器の状況が「見える化」されることは、自社の事業内でのシナジーを生み出すことや、無駄を省いて効率化することにつながっていきます。

IoT活用で期待される分野のひとつが、保守保全です。従来、自社で稼働する機器のメンテナンスは「受動的」だったといえるでしょう。障害が発生し、問題が起こりそうになってから手を打つ、という手法だったためです。しかし、こうした設備管理はIoTによって大きく変わろうとしています。機器の状態を常にモニターすることで、「予防」のメンテナンスを行うことが可能になるのです。これは保守にかかるコスト削減につながるだけではなく、設備の稼働率を向上させることにもつながります。自社の設備は当然ながら事業運営の柱となるべく投資を行ったもの。それらに対しての予防保守が実現できれば、資産の有効活用につながるだけではなく、設備を稼働率ベースで運用することで事業をより強い、収益性のあるビジネスモデルに変えていくことにもつながるのです。

SAPはこうした予測保守のソリューションをプレディクティブ・メンテナンス&サービス(PdMS)として提供しています。このソリューションはインメモリープラットフォームによって極めて高速にデータ分析を行うSAP HANAを活用したもので、リアルタイムのデータ分析とIoTを組み合わせることによって事業に直接貢献できるITが実現されていることが分かります。

ここまでで紹介したIT部門の持つ役割の変化ですが、政府外郭団体による調査では大企業においても実際の期待に応えられているIT部門はまだまだ多くない、という結果も出ています。もし自社のITをより事業に直結した方向に改善できれば、先進的な取り組みとして大きな強みとなる可能性があるのです。今回は1つの例としてデータ分析を取り上げましたが、こうした潮流のなかでIT担当者にはデータマイニングへの知見・理解を深めておくことが必要だといえるでしょう。