SAP Best Practices の実際 ~ 活用パートナー SCSK、TIS による本音トーク


Logo短期間・低コスト・高品質でのSAP S/4HANA 導入:支援ツールSAP Best Practicesのご紹介」では、SAP Best PracticesがSAP S/4HANA導入の際に非常に強力なツールになることをご説明させていただき、「SAP S/4HANAを短期間・低コスト・高品質で導入するパートナーのソリューションとは? ~ SAP Business All-in-One パートナー・ソリューション承認制度のご紹介 ~」では、パートナーソリューションの承認制度についてご紹介させていただきました。

今回は第3弾として、そのソリューションが承認を得ているSCSK株式会社およびTIS株式会社の担当者をお招きして、SAP Best Practicesの活用や”SAP Business All-in-One for SAP S/4HANA, on-premise editionパートナー・ソリューション承認制度”への取り組みについてお話を伺いました。

【参加者】

SCSK株式会社
ソリューション事業部門 AMO第二事業本部 ソリューション第三部
第二課長 増田 敬志 氏

TIS株式会社
産業事業本部 エンタープライズリソースマネジメント事業部
エンタープライズソリューション推進部長 川口 恭弘 氏 *

【モデレーター】
SAPジャパン株式会社
デジタルエコシステム統括本部 ビジネスイノベーション推進部 パートナーソリューションセンター
シニアマネージャー 山川 敦士

山川(以下、SAP)「まずは、会社紹介をお願いします。」

増田(以下、SCSK)「20年以上のSAPビジネスの経験があります。大きなお客様の導入には関わっていて、200社以上の実績があります。流通や商社に実績がありまして、組み立て製造業に注力しています。あと、業界問わず、SAP S/4HANAにフォーカスしていて、グローバル企業への導入支援も併せて行っています。」

川口(以下、TIS)「20年強のSAP導入実績がありまして、化学を中心としたプロセス産業への取り組みが中心となっています。今までに100社以上の導入の実績がありまして、業界のサプライチェーンの川上から川下まで全体をカバーしているのが特徴です。最近では、タイのSAP専業子会社の I AM Consultingとも連携しながら、ASEAN地域への導入にも取り組んでいます」

SAP「それでは、テンプレートの概要について教えていただけますでしょうか?」

SCSK「SAPのソリューションは、Add-Valueというブランドで展開していて、そのうちの組立製造業向けのソリューションがAdd-Value for Manufacturingというものです。売上高300~1,000億円の企業をターゲットに据え、販売、生産、購買、および会計など必要な領域を網羅していて、足りない部分は弊社のノウハウを付加して構築しています。このAdd-Value for Manufacturingが承認を頂いています。さらに、商社向けソリューション Add-Value for Tradingというのがあり、SAP Best Practicesをベースに開発しており、今後SAPのパートナー・ソリューション承認制度にもエントリーしていきたいと思っています。」

TIS「売上高150億~1,000億の化学を中心としたプロセス産業の企業、特に基礎化学、樹脂加工、医薬の原料、消費財メーカーのお客様をターゲットにしています。業績管理を実現する基盤として、製品別・得意先・地域別セグメント分析が実現できるようになっています。プロセス業界特有の連産品・副産物の管理も可能になっています。SAP Best Practicesをベースにしながら、化学業界で必要なパラメーター設定の追加、アドオン機能の追加、および、Embedded Analytics機能を使用した分析レポート系の追加を行っています。」

SAP「ありがとうございます。では、なぜSAP Best Practicesを採用したのかについて教えていただけますでしょうか?」

TIS「SAP S/4HANAのリリースが毎年あり、テンプレートの維持、メンテナンスする工数をできるだけ減らしたいと思いました。SAP Best PracticesのメンテナンスはSAPで実施してくれるので、その工数を削減できます。第2点に、最新のSAP S/4HANAの機能をいち早くテンプレートに組み込めるメリットがあります。第3点に、SAPがSAP Best Practicesの活用に力をいれていることが挙げられます。」

SCSK「工数削減や最新機能の提供の点は、私も同じです。第2点は、SAP S/4HANA Cloudの活用が進むと思っていて、そのベースがSAP Best Practicesになっていているため、これを理解していることが利点だと思いました。3点目として、SAP Best Practicesの部分はどこのベンダーでもそれほど差は出ないと思い、統一してしまったほうが良いと感じ、SAP Best Practicesの底上げに協力したいと思いました。パートナーの強みは、それぞれの得意分野、サービス提供で活かせば良いと思っています。」

TIS「それは私もそう思います。それと、タイの子会社と情報共有する際にSAP Best Practicesで会話をすることができ、スキル、導入方法論の標準化が図れることがあります。」

SCSK「そうですね、SAP Best PracticesのScope Item IDをベースとして、グローバルと共通言語化しやすくなります。」

SCSK

 

 

 

 

 

SCSK  増田 敬志 氏

TIS

 

 

 

 

 

 

TIS  川口 恭弘 氏

SAP「やはり、グローバルで共通語となるというのは大きなメリットですね。次に他に感じているメリットについて教えてください。」

TIS「SAP Best Practicesを有効化するとパラメーター設定とマスタデータが入った環境がすぐにできるのは画期的ですね。あと、テスト手順が記載されたテストスクリプトが入っていて、未経験者の教育にも利用できると思います。ビジネスパートナーや与信管理などS/4HANAの新しい機能について一から調べようと知ると大変ですが、SAP Best Practicesを使うと、コンフィギュレーションのドキュメントを参照することで、機能調査の手間が省けます。SAP Fioriのロールとタイルの関連などの理解も早まりますね。」

SAP「手間が省けるというのは、今回に限らず、次回以降のリリースでも同じメリットを享受できますよね。」

SCSK「調査の手間が省けるというような点は同感です。ドキュメントもSAP ECCの時代に比べると、テストスクリプトも使えるようになってきています。これは工数削減の効果があって、スピード感も高まって、お客様にもメリットがあります。一方で、ノウハウ集としては良いのですが、ゼロから構築する力が落ちてしまって、SAP Best Practicesが合わない場合にゼロから設定しないといけないときなどは、教育の観点からすると懸念も残ります。」

SAP「一方でいくらかデメリットもあるかと思います。これについて教えてください。」

TIS「20年使ってきたTIS独自のテンプレート、業務フロー、パラメーターなどのノウハウと比較すると、SAP Best PracticesのScope Item IDのどこにどう当てはまるのか、整理するのに時間がかかりました。それと、SAP Best Practicesの思想を理解して実装をどのようにやるのか、理解するのに苦労しました。」

SCSK「私は、独自テンプレートと比較して、SAP Best Practicesとのパラメーター設定のバッティングが悩ましかったです。」

SAP「有難うございます。苦労した点はありますでしょうか?」

SCSK「最初のインストールが苦労しました(笑)。毎回あるとは思いませんが。一つあるのはパラメーター設定のバッティングですね。グローバルの思想、日本の思想を組み入れるときのバッティングです。あとは、ドキュメント、説明資料に関してバージョンが上がるごとに苦労すると思います。ビジネスパートナーや与信管理など初期設定に関する苦労は初回だけだと思います。今後は大きな機能追加による苦労は少なくなると思います。」

TIS「SAP Best Practicesを有効化すると、標準パラメーターが取り込まれない点では苦労しました。」

SAP「周囲から驚かれたり、良かった反応、悪かった反応があれば、教えてください。」

SCSK「最初は、従来の日本仕様になっていなかったことで、ネガティブな反応もありました。先ほどお話しした活用メリットや新機能を早く習得できることを訴求して、説得しました。」

TIS「社内で他社とどう差別化するか問われました。SAP Best Practicesはあくまでベースラインで、業界特化の内容は弊社のノウハウとして提供していくということで、理解を得ました。実際に触っているメンバーにはすぐに触れる環境ができるのは、高評価でした。また、勘定コード表やScope Item IDは、共通言語となり、海外展開の際に有利ですね。実際のプロジェクトを経験すると、もう少し良い点、悪い点が出てくると思います。将来のことを考えると、SAP Best Practicesベースにしていることはメリットだと固く信じています。」

SAP「なるほど、それは興味深いですね。では、”SAP Business All-in-One for SAP S/4HANA, on-premise editionパートナー・ソリューション承認制度”について、良かった点、悪かった点について教えてください。」

SCSK「SAPビジネスに関するアテンションが対外的にも対内的にも上がった点は大きかったです。」

TIS「SAP Best Practicesの活用が必須条件でしたので、SAP Best Practices採用への説得材料として活用させていただきました。あとはSAPと協業ができた点は良かったです。」

SAP「ではお客様向けにメッセージをお願いします」

SCSK「SAP S/4HANAのオンプレミスもクラウドも導入支援には特に注力しています。中長期的にSAP Best Practicesを活用してサポートしていきたいと思っています。Add-Valueシリーズで移行サービスがありますので、これを活用しながら、SAP S/4HANAへの移行にも注力していきます。システム刷新をお客様のイノベーションにもつなげたいと思っています。またクラウドでスモールスタートできるように促していきたいです。基幹系システムの刷新を通して、変革して、競争力を高められると信じています。ご興味があれば、ご連絡いただければと思います。」

TIS「SAP S/4HANAのビジネスを通して、お客様への導入支援に力を入れていきます。SOE(System of Engagement)だけではなく、イノベーションへの支援も併せて行っていきたいと考えています。これは、SAP Best Practicesの活用を通して、実現可能だと思っています。それと、各国のバージョンがリリースされているSAP Best PracticesをベースにしてASEAN地域全体に支援していきたいと思っています。」

SAP「ありがとうございます。では最後に、SAPへの依頼事項などあれば、お願いします。」

TIS「SAP Best Practicesのエコシステムで日本要件を取り込んで、クラウドで実装してほしいですね。可能であれば、JSUG(Japan SAP User Group)も巻き込んでSAP Best Practicesの機能を拡張してほしい。」

SAP「お二人とも有難うございました。」All

* このブログ投稿時の川口恭弘氏の役職は、AIサービス事業部 AIサービス企画開発部長