SAP S/4HANA移行計画支援ツール SAP Readiness Check for SAP S/4HANA
作成者:木下 史朗 投稿日:2017年10月25日
SAP S/4HANAへの移行にご興味があるお客様としては下記の項目にご関心があるのではないでしょうか?
- 今のカスタムコード(お客様作成アドオン)が移行時どういう影響を受けるか?
- 今使用中のトランザクションコードのどれがSAP S/4HANAで影響があるか?
- SAP HANAデータベースのサイズは?
- 今使用中の機能に関連するSAP Fioriはどういうのが用意されているか?
- 有効化したEHPのビジネス機能はどう影響を受けるか?
- 移行時に気になる未処理伝票、滞留しているバックログはどの程度あるか?
これらの疑問にお答えしてくれるツールが用意できました。SAP Readiness Check for SAP S/4HANAです。
このツールは基本セルフサービスツールで、SAPサポート契約をお持ちのお客様は追加費用無しでお使いいただけます。SAP ERP 6.0のコンフィグレーション情報を取り出し、SAPが提供するサービス(お客様お持ちのSAP Solution Manager)に投入していただくと、このようなダッシュボードが出力されます。
カスタムコードなどの個々のボックスをクリックするとさらに個々の詳細がご覧になれます。例えばクリックして出てくるサイジングの詳細はこの通りです。分析できたテーブル数とともに、予想されるディスクサイズ・メモリーサイズがSAP HANAデータベースの構成要素毎に見積もられてきます。その他サイジング情報では、準備しないといけないシャドーシステムのサイジングや、現状のテーブルの使用状況(サイズ、レコード数)も確認できます。
また、カスタムコードのボックスをクリックすると、このような詳細画面が出て、影響内容ごとに適したSAPノートが表示されます。
標準機能への影響度については、使用しているトランザクションに応じて関連SAPノートとその関連度が示されます。
また、SAP Fioriアプリについては、現在使用中の標準トランザクションに関係した標準SAP Fioriアプリの詳細を一覧で見ることができます。
未処理伝票、滞留しているバックログも、何カ月、何年滞留しているかの情報を含め、下記のようなチャートで新しいお客様の気付きとして参考になると思います。極力移行時にはきれいにしておく事が望まれます。
下記に実施方法を記述したSAPノートやSAP Solution Managerの条件を記しますので、是非パートナー様の提案ツールや、お客様のセルフアセスメントツールとして活用いただければと思います。
実施方法(2つのOption)
1)SAP Solution ManagerでSAP Readiness Checkアプリを実施する方法はSAPノート2290622をご覧ください
2)管理対象のSAP ERPシステムでカスタムコード分析データ等をダウンロードし、そのデータをSAP Readiness Checkアプリケーションにアップロードする方法はSAPノート2310438をご覧ください。
前提条件
1)SAP Solution Manager 7.1 SP12以上、またはSAP Solution Manager 7.2 SP3以上
2)分析を行いたいシステムにおける過去4~6週の履歴があること(TRCD=ST03)