SAP Leonardo Executive Summitを開催~SAP Leonardoを宣言


Leonardo Demo

SAP Leonardo展示コーナー

2017年10月24日、グランドハイアット東京にて「SAP Leonardo Executive Summit」が開催された。既にSAPの年次イベントSAPPHIRE Nowでは発表されていたものの、その全貌についての情報を得る機会が少なかった「SAP Leonardo」。今回、エグゼクティブを招いて開催された本イベントにおいて、初めて日本でその内容がお披露目された。本稿ではITmediaエグゼクティブと共同取材した内容をレポートする。

基調講演の冒頭に登壇したSAPジャパン 代表取締役社長 福田 譲は、SAP Leonardoが生まれた経緯とその実態について次のように説明した。

SAPジャパン 代表取締役社長 福田譲

SAPジャパン 代表取締役社長 福田 譲

「企業が先進テクノロジーを使ってイノベーションを意図的に起こすための支援を行うのが、SAP Leonardoの目的。イノベーションを意図的に起こすための唯一絶対の方法論はまだないが、これまでわれわれが、さまざまなお客様とともにイノベーションを起こしてきた経験の中から抽出したノウハウや進め方の方法論を、業種やテーマ別に分類してまとめたもの全体をSAP Leonardoと呼んでいる。従って、SAP Leonardoは特定の製品やサービスを指すものではなく、各社が個別に悩むのではなく、みんなで意図的にイノベーションを実現するために効率よく正解にたどり着くことができるフレームワークである」
企業がデジタル変革を成し遂げる上でキーとなるビッグデータやAI、IoTといったテクノロジー分野は、これまでSAPが主戦場としてきたERPをはじめとする業務アプリケーション分野とはジャンルが異なる。しかし福田は、「かつてSAPは業務システムの分野で、企業の業務の共通項を抽出し、それをパッケージ化することで顧客の業務革新を後押ししてきた。SAP Leonardoはこれと同じことを、イノベーティブな分野に適用しようというもの」と述べ、SAPにとってSAP Leonardoはこれまでのビジネス戦略の延長線上にあるものだと強調した。

Mode1(守り)とMode2(攻め)の密接な連携

Mode1(守り)とMode2(攻め)の密接な連携


続いて、SAP Leonardo データ&アナリティクス担当プレジデント マラ・アナンドが登壇し、SAP Leonardoの基本戦略について紹介した。
SAP Leonardo データ&アナリティクス担当プレジデント マラ・アナンド

SAP Leonardo データ&アナリティクス管掌プレジデント マラ・アナンド

「SAP Leonardoは、顧客のビジネスの“あるべき将来の姿”に向け、顧客とともにイノベーションを推進していくための活動全体のことを指す。そのためにキーとなる製品やテクノロジー、手法などを業種・業態ごとに“業界別アクセラレータ”としてパッケージ化し、価格や提供期間をあらかじめ明確化した上で提供する」
SAP Leonardoがカバーするテクノロジー分野は機械学習、ブロックチェーン、データインテリジェンス、ビッグデータ、IoT、アナリティクスと幅広く、これらをSAP Cloud PlatformやSAP HANA、SAP Data Hubといったプラットフォーム上から提供する。顧客がこれらの先進テクノロジーを生かして、短期間で組織的にイノベーションを実現できるよう、アクセラレータを有効活用したトータルサービスを提供する。
既にこの手法を使ってイノベーションを実現した企業の例もある。例えば日本の製麺機製造大手企業では、SAP Cloud Platform上に構築したSAP LeonardoのIoTソリューションを活用し、顧客に提供した機器に取り付けたセンサーのデータを集計・分析して、製品品質の安定化のための最適な稼働設定を顧客に提案するビジネスモデルを確立したという。

業種別および業務部門別アクセラレーター

業種別および業務部門別アクセラレーター

SAP Leonardo デジタルイノベーションシステム

SAP Leonardo デジタルイノベーションシステム

SAP シニアバイスプレジデント 製品開発部門 IoT Moving Assets担当 ステファン・ブランドは、実際にSAP Leonardoを使ってイノベーションを達成した企業の事例を幾つか紹介した。

SAP シニアバイスプレジデント IoT Moving Assets担当 ステファン・ブランド

SAP シニアバイスプレジデント IoT Moving Assets担当 ステファン・ブランド

「主にIoTを使って既存ビジネスの効率化や、新規ビジネスを実現した企業の事例をプロダクト(製品)、アセット(資産)、フリート(車両)の3つを重点的に紹介するとともに、私自身が開発部門の人間なので、それぞれの事例の背後にある技術的な背景についても簡単に説明していきたい」

コネクテッドプロダクトの事例として、圧縮空気システムのメーカー、ケーザー・コンプレッサー社では、SAPの予知保全ソリューションを採用し、障害が発生する前にメンテナンスを行うことができるようになった。故障率の低下を実現し、顧客へのサービスレベルを向上させることに成功した。
産業用の遠心分離器メーカーであるGEA社では、機械からリアルタイムで取得したデータに基づき、適切なタイミングで保守を実施することで、機械の稼働率を向上させることに成功した。

「あらゆるビジネス」が「あらゆるもの」とつながる

「あらゆるビジネス」が「あらゆるもの」とつながる

コネクテッドアセットの事例として、世界最大の建機メーカーであるキャタピラー社では、自社製品の製造現場である工場から各種のデータを収集し、SAPのプラットフォームを通じて製造工程全体を可視化することで製造プロセスの最適化を図っている。
イタリアの鉄道会社トレニタリアでは、SAPの予知保全システムを使って車両の適切なメンテナンス時期を予測している。
コネクテッドフリートの事例として、商用車両や農業用車両、トラック、バスなどの車軸を供給しているBergischen Achsen社が設立したイノベーションラボでは、SAP Vehicle Insightsを基盤としたトレーラー・テレマティクス・ソリューションを利用し、エンド・ツー・エンドの最適化された輸送プロセスを促進している。
ボッシュ社はIoT分野でSAPと連携し、同社がもともと保有するセンサーシステムのノウハウを、SAPのソフトウェア技術と組み合わせることで、広範囲なIoTソリューションの実現を目指している。例えば、フォークリフトの各種センサーデータをSAP Vehicle Insightsで分析することにより、高度な地理空間分析や運転挙動分析、バッテリー監視などが実現したという。

われわれのミッションは「インテリジェントにヒト、モノ、そしてビジネスをつなぐ」です。これはテクノロジーだけでは解決できず、人にかかわるコラボレーション、アイデアの創出、インスパイアを実現する必要があります。SAPはグローバルな経験を生かしたデザイン思考の活用で、お客様の夢を発掘、実現し明るい未来を支援しますとブランドは締めくくった。

SAP Leonardoによるデジタル変革のビジョン

SAP Leonardoによるデジタル変革のビジョン


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出典:http://mag.executive.itmedia.co.jp/executive/articles/1711/15/news004.html