SAPの電子帳簿保存対応


まだまだ、多くの企業ではコンピュータにより作成した帳簿書類を紙で保管していることが多いと思います。しかし、電子帳簿保存を利用することにより、大幅なコスト削減を実現することができます。SAPではこうした電子帳簿保存を実現する機能を提供するだけでなく、いろいろな記録項目での検索が可能となっており、業務の効率化も同時に実現します。

電子帳簿保存とは

企業はコンピュータにより作成した帳簿書類も、法令によって保管が義務付けられている書類は紙によって保存していましたが、業務のIT化がどんどんと進むに伴い、電子データでの保存・運用を望む機運が高まってきました。

電子帳簿保存法は、1998年7月に制定され、会計帳簿や国税関係書類の全部又は一部を電子データによる保存を認めた法律です。また、2005年にe-文書法が制定されたことにともない、同年3月に一部改正され、紙媒体の書類をスキャナで電子化し、保存ができるよう新たな規定が追加されました。
ご参考:国税庁HPより ( https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/dennshichobo/jirei/index.htm )

当ブログでは「電子帳簿保存法」の要件である、会計帳簿や国税関係書類の電子作成、保存について、SAPがどのように対応しているのかについて解説いたします。

電子帳簿保存の承認を受けることができる基本的な要件は次の通りです。

  1. データ削除が不可能

  2. データ変更履歴が照会可能

  3. データの検索が可能

SAP S/4HANAでご提供するFinanceソリューション(以降、SAP S/4HANA Finance)は上記、電子帳簿保存で求められる基本要件を満たしております。以降にて、どのように対応しているかにつきまして、それぞれ解説いたします。

電子帳簿保存をするための適用要件

1. データの削除が不可能

SAP S/4HANA Financeでは、取引日付、金額、勘定科目等の重要な項目については、一度転記したものはデータから削除することができないようになっています。従って、伝票の修正は反対仕訳を起票することで行います

反対仕訳

反対仕訳2

2. データの変更履歴が照会可能

会計数値に影響しない項目については、ソートキー、テキスト欄等のように転記後も訂正可能ですが、その訂正には、すべての履歴が残されますので、オぺレーター、訂正日、訂正前の内容、訂正後の内容を変更履歴として容易に照会することができます。

監査仕訳帳

 

3. データの検索が可能

SAP S/4HANA Financeでは、いろいろな記録項目で検索が可能です。電子帳簿保存法にて要求されている “主要な記録項目を検索の条件として設定することができる” また、“2つ以上の任意記録項目での検索が可能” という要件にも対応することができます。

GL勘定明細_転記ビュー1

GL勘定明細_転記ビュー2

ここまで、SAPが電子帳簿保存で求められる基本要件をどのように満たしているかを解説いたしました。ただし、実際に適用できるかどうかは「会計帳簿や国税関係書類」の作成に関連するITシステム全体の利用方法に依存します。例えば、SAPを含めて複数システムを連携して利用されている場合には、会計データの上流データを管理するシステムも全て要件を満たしている必要があります。

そのために、どのようにシステムを横断して上記の要件を満たすのか?等、検討が必要となります。適用にあたっては会計士等へ、十分な確認を行う必要があることをご理解いただければと思います。

「電子帳簿保存法(スキャン保存)」「e-文書法」への対応として、紙ベースの証憑管理の電子化による経理業務の標準化と効率化を実現するパートナーソリューション(OpenText社) も合わせてご紹介しておりますので、ご興味ございましたら、こちらもご覧ください。https://www.sapjp.com/blog/archives/13807

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