経営情報の見える化システムの最前線


よく話題にあがる”経営の見える化”について、本ブログではどのようなアーキテクチャーが最新なのかについてご紹介したいと思います。

これまでの経営の見える化

最初に、これまでのシステムで実現されてきた経営の見える化におけるシステムアーキテクチャーの形態についてお話していきます。大きく2つの主流があり、1つがパッケージの利用、2つめが情報系としてDWH&BIのスクラッチ開発があります。

パッケージで実現する場合、SAPを例にするとSAP ERPのCOモジュールを利用したり、SAP BWのビジネスコンテンツを利用したり、SAP Business Planning and Consolidationを利用したりなど方法がありました。

情報系で実現する場合は、どうしても基幹システムからデータを収集しなければなりません。そのため、スクラッチで基幹システムから差分データを抽出し、そのデータをDWHにローディングする処理や、取り込み完了した明細テーブルのデータを基に配賦計算の処理をバッチで構築し、最終結果セットの目的別サマリーテーブルを作成し、これをBIで見せるようなシステムを構築してきたお客様も多いと思います。

SAP HANAがもたらした進化

SAP HANAによるイノベーションはどのようなものかというと、システム全体やデータベースのアーキテクチャをシンプルにすることができるということです。例えば、レポート出力のパフォーマンスの観点で、通常のリレーショナルDBを利用して売上分析を行おうとすると、製品コード別、あるいは営業支店別といったさまざまな軸で目的別サマリーテーブルを事前に作成しておく必要があります。これに対しSAP HANAでは、元の明細テーブルだけで売上分析を高速に回すことができます。したがって、基本的に目的別サマリーテーブルを作る必要がなく、データベースのテーブル構造を簡素化できるのです。そして、目的別サマリーテーブルが不要になれば、更新処理も明細テーブルに対して一回行えば済むようになり、アプリケーション・ロジックもシンプル化されます。

見る視点を変えると、シンプル化されるということは、DB内の夜間バッチの設計・開発において、サマリーテーブルの設計・開発が不要になるということを指しています。これは、開発期間の短縮にも貢献することができるということです。

まとめると、SAP HANAを使うことで、DBのレスポンス性能が大幅に高められた結果、DB内のテーブル構造をシンプル化でき、そのおかげでアプリケーション構造も、よりシンプル化されレスポンス性能が高められます。そして、サマリーテーブルではなく、直接明細テーブルを見ることができるので、真のドリルダウンができるということになります。

リアルタイムな経営の見える化とは

上述したように、SAP HANAによるイノベーションは、大きいものがあります。現在、SAPのERPもDBにHANAを採用し、SAP S/4HANAに進化したことでOLTP&OLAPを実現することができました。このSAP S/4HANAをベースに、現在SAPではリアルタイムな経営の見える化が実現できます。では、どのような点がリアルタイムな経営の見える化をすることでメリットになるのかを見ていきます。

まず、ビジネス・経営観点から言えば、例えば、「量販店などにおいてセール中の日中に、現時点の売り上げがどこまでいっているのか?あとどのくらいで、本日の売上目標を達成するのか?」などを見たい時に正しくかつリアルタイムに把握し、迅速な経営判断、ビジネス判断が可能になるということを意味します。「1日前のCRMデータから集計した結果を用いてBI分析を実施するのに1日かかり・・・」というふうにデータを回していけば、その鮮度はどんどん落ちていき、結果的に経営判断の遅れや判断ミスで、ビジネス上の痛手を被るリスクもあります。しかし、リアルタイムデータの活用で、正しい経営判断を即時に下すことができれば、企業競争力の向上に直結するのです。

実現する製品群

このブログでは、オンプレミスにおいてリアルタイムな経営の見える化を行うことを前提に記載します。

主な製品としては、SAP S/4HANAの会計部分、予実管理を行うSAP BPC optimized for SAP S/4HANA Finance、そしてマスター管理を行うSAP MDGが必要になってきます。これらは、SAP S/4HANAの同一APサーバ内で動作可能になっています。

実現する製品群

まず、どのような仕組みになっているのか見ていくと、SAP Fioriから入力された伝票がSAP S/4HANAの実績の会計テーブルに書き込まれます。ここまでは、OLTP部分になります。このOLTPで利用されているテーブルをOLAPのテーブルとして予実管理を行うSAP BPC optimized for SAP S/4HANA Financeのアプリケーションから見ることができます。また、予算入力については、SAP BPC optimized for SAP S/4HANA Finance にBWのETL機能を利用し、例えばcsvで取り込むか(その他取り込み方法をもあります。)、または、計画機能で取り込むことが可能です。計画機能で取り込む場合、SAP Analysis for Microsoft OfficeかSAP Lumira Designer、または、SAP BPC Webレポート/フォームから直接入力を行うことが可能です。

さらに、この構成の良い点は、単体のSAP BPCではできないSAP S/4HANA専用テンプレートや機能が利用可能になっています。たとえば、原価センタ計画や貸借対照表計画などになります。こちらは、SAP S/4HANAに依存した計画系のものになり、利用するメリットは非常に高くSAPならではの機能になります。

さらに、着地見込みを入力する場合、これまでは入力する人によって個人の感情で入力されていたため誤差が生じてましたが、最近では、機械学習のSAP Predictive Analyticsを組み合わせることで、過去の傾向から導き出した着地見込みを表示することが可能なため客観的なフォーキャストが可能になっています。

また、マスター管理の観点で見た場合、SAP MDGを導入することで、マスターの承認ワークフローや配信機能までを含めたマスター管理が可能になります。現在、SAP MDGは、SAP S/4HANAのモジュールの一部になっています。

このように、技術の進歩により、OLTP&OLAPが1つのDBで実現されたことで、データの移動がなく、入力されたデータを見たいタイミングでリアルタイムに経営の観点で見える化することが可能な世界に入ってますので、是非ご検討いただけたらと思います。

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