SAPのアナリティクスソリューションが ビジネスにもたらす「新しさ」
作成者:SAP編集部 投稿日:2018年1月10日
2017年11月に開催したSAP Analytics SummitにおいてSAPジャパン株式会社 プラットフォーム事業本部 ビジネスアナリティクス営業部 部長の岩渕聖は、「SAPのアナリティクスソリューション戦略と今後の方向性」と題して、アナリティクスがもたらす変化を「経営会議」、「業務プロセス」、「顧客体験」、「パフォーマンス管理」という4つの側面から説明しました。
企業と顧客の接点を変えるアナリティクス
現在、企業のさまざまな業務と顧客との接点が変わってきています。具体的な変化としては、デジタル化が進んでアナリティクスの対象となるデータが質・量ともに拡大したこと、業界の構造や市場の変化によってアナリティクスを活用するビジネス側の環境や関心が大きく変化していること、さらにはAIやマシンラーニング、リアルタイム処理などの高度なデジタル技術が安価で利用できるようになったことが挙げられます。
このような変化を背景に、アナリティクスがもたらすデジタルトランスフォーメーションの1つが、SAPがSaaSで提供している「経営会議」ソリューションのSAP Digital Boardroomです。ドイツのSAP本社でもCEOのもとでSAP Digital Boardroomを使っていますが、過去の業績や数値を見るだけでなく、この先をどうするかという予測、先行指標としての使い方が重視されています。
「過去の分析から未来の洞察へ」を可能にした SAP HANA の登場
アナリティクスの進化を可能にした大きな要因に、インメモリーデータベース SAP HANA の登場があります。過去に蓄積された数値から特定の傾向や事実を発掘するだけでなく、現在目の前で生成され変化し続けているさまざまなデータをリアルタイムで分析/活用することが可能になり、従来のアナリティクスの概念は大きく変わりました。
画期的な技術革新の1つが、情報系と基幹系のシステムがシングルソース化されたことです。これまでは一般的に情報系と基幹系は別に構築されており、データ分析を行う際には、その都度ERPなどの基幹系システムからデータを抽出し、情報系のBIツールに取り込むといった複雑なプロセスが必須でした。しかもデータ抽出や加工集計処理には時間がかかり、手作業によるミスも発生します。しかしSAP HANAでは、データが発生すると同時にそれを利用可能になりました。しかもインメモリーデータベースの強力なパワーにより、大量データ処理によるボトルネックが発生することもなく、真のリアルタイム経営が実現します。
SAP HANAの処理パワーで業務プロセスを変革
SAP HANAプラットフォームに支えられた新時代のアナリティクスは、さまざまな業務プロセスに変革をもたらします。その1つが、SAP S/4HANA embedded analyticsです。これはSAP S/4HANAの標準インターフェースであるSAP Fiori上に、業務シナリオを実装した分析画面や多次元レポートが組み込まれたもので、業務オペレーションと分析/レポーティングの両方を1つの画面から操作できるため、ユーザーは通常の業務シナリオを実行しながら、分析結果を参照して意思決定を行うことが可能です。
例えば、購買マネージャーによる資材発注登録の場合、資材発注を行うと同時にアナリティクスのトランザクションが開始され、予算や納期の遵守率、在庫、製造指図などの分析/予測レポートが生成されます。マネージャーはこれらのレポートを参照しながら最適な発注先を選択できるため、顧客への出荷を早めたり、平均取引サイズを大きくするといった効率化が実現します。またリアルタイムで情報を確認して需要予測なども立てられるので、在庫切れや機会損失も最小化できます。
顧客体験やパフォーマンス管理などアナリティクスの可能性は無限大
顧客体験も大きく変わります。例えば大手飲料メーカーのレッドブルは、SAPのアナリティクスソリューションを活用したカスタマージャーニー分析によって、さまざまな接点(オムニチャネル)を通じたWeb広告や提案をリアルタイムで提供することにより、ブランドに対する信頼性を高めています。
アナリティクスは、パフォーマンス管理にも効果を発揮します。予算策定と実績予測の精度を高めることはビジネスにおける難題の1つですが、アナリティクスを応用することによって、業務プロセスから先行指標を読み取り、最終的な着地見込みを予測可能です。ERP上の受注情報や在庫情報をもとにした分析/予測に加え、最近では機械学習エンジンを活用した予測モデル作成という新しい試みも行われています。
最後に岩渕は、アナリティクスの活用によるパフォーマンス向上の要点として、「顧客体験の強化」、「マーケティングオペレーションのデジタル化」、「顧客への理解」、「既存オペレーションの合理化」の4つを挙げました。
「これらに基づくマーケティングと予測、実行と検証のサイクルを回しながら、総合的なビジネスプランニングによる動的な予算策定を進めることが、よりパフォーマンスに優れた経営につながります。その実現のためにも、SAPが提供するアナリティクスソリューションとノウハウをご活用ください」と述べ、セッションを終了しました。
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