間接費最適化のベストプラクティス ~利益体質への変革~


日本企業の利益率は欧米企業と比べて低く、その原因の一つは間接費の管理レベルの低さにあると言われています。しかし2016年9月に電子帳簿保存法が規制緩和され、経費精算処理の生産性向上の可能性が大きく広がっています。出張・経費管理システムを提供する株式会社コンカー代表取締役社長の三村真宗は、2018年3月13日に開催されたセミナー「SAP Finance Day 2018、CFO領域におけるデジタルテクノロジーの活用」の中で、最新テクノロジーを活用した理想的な経費管理について講演しました。

改革次第で大きな差を生む間接費

Mimura

 

企業のコストの中でも、直接費は比較的最適化が進んでいますが、間接費は長く見過ごされ、効率化や最適化が進んでいない分野です。しかし、間接費の中でも人件費や償却費は短期的な改善が難しい一方で、従業員経費、ベンダー経費、出張費は、短期的な改善が可能です。さまざまな部門の一般社員が関わるため、古いプロセスが残されていますが、テクノロジーの進化や規制緩和の恩恵による改善余地が大きいのです。改革次第で企業の地力に大きく差がつく領域と言えます。

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まず、従業員経費で起きやすいのは、管理職のスクリーニングが「ザル」になり、不正が発生しやすくなるという、ガバナンスの問題です。しかし、Concur Expenseの導入により、通勤定期券区間、二重申請、上限金額など、多くの確認作業を自動的に行うことができ、管理職のスクリーニングの手間は最低限に抑えられます。ガバナンスの強化につながるのです。

さらに大きいのは生産性の問題です。従来の経費精算作業は、「とにかく面倒」とされてきました。作業が煩雑だと生産性が劣化するだけでなく、経費精算が雑になり、違反が生まれる温床になります。生産性の悪化が、ガバナンスの低下にもつながってしまうのです。しかし、入力自動化やモバイル化などが可能なコンカー製品の導入で、申請者、経理部門ともに、6割近い工数の削減を実現できます。

ベンダー経費にも、生産性とガバナンスの課題が存在します。多くの企業では、ベンダー選定が各部門に依存しており、統制が取れていないうえ、請求書の処理や確認などが紙ベースなので、現場で膨大な入力作業が発生しています。経理部門は処理だけで手いっぱいになってしまい、分析まで手が回りません。ベンダーとの価格交渉や、最適なベンダー選定を行うために必要となる情報の分析を行うことができず、結局、目の前の作業に追われて現場の判断を追認するだけとなってしまいます。

Concur Invoiceは、ベンダー管理の一元化を可能にします。請求書処理の工数が、請求書電子化前でも52%、電子化後だと79%削減できます。ペーパーレス化が進み、現場の入力作業の手間が大幅に減るだけでなく、ベンダー分析、発注者分析なども行うことができるようになるので、ベンダーに対する交渉力も上がります。

出張費も課題を抱えやすい分野です。特に日本企業の出張費管理は、残念ながら欧米企業に比べて遅れています。会社は間接費最適化のテーマとして着目することなく、半ば放置してきたのではないでしょうか。さらに出張者も、統制されるべき対象という意識でとらえておらず、福利厚生的なものと緩くとらえてきました。そのため、IT化も遅れています。結果、違反や例外が多発し、高額な航空券や宿泊料を支払うことになっているのです。

しかしConcur Travelを導入すれば、これらの課題すべての解決が可能です。ガバナンスを利かせ、楽に可視化やコスト削減を実現できます。導入企業の中では、平均20~30%のコスト削減効果が得られています。

「働き方改革」の期待がかかる「領収書の電子化」

最近、多くの日本企業が大きな期待を寄せているのが、領収書電子化です。コンカーが2016年に行った調査で、日本の会社員は生涯で52日、そのうち12日を領収書の糊付けに費やしていることがわかりました。しかし2017年1月に、ようやく制度が変わり、領収書の電子化が認められることになりました。

この制度を活用することで、これまでのように必要書類を記入、プリントアウトし、領収書を糊付けして上長の承認を得るという作業が大幅に削減できるほか、書類保管や輸送コスト、バックオフィス部門の負担、税務当局による監査の手間なども、大幅に減らすことができます。国内企業の3社に1社は、2019年までに領収書電子化を完了させる計画を持っているとの調査結果も出ています。

コンカーは既に、経費精算の効率化やガバナンス強化、可視化などを実現するConcur Expense、スマートフォンなどのデバイス利用を可能にするコンカーモバイルなどのサービスを提供してきましたが、領収書電子化に対応し、さらに、申請から運用までをワンストップで実現する新サービスを次々に提供しています。スマートフォンや複合機、スキャナーなど、あらゆるデバイスから領収書画像を受け入れ、タイムスタンプを刻印して格納することも可能です。外部サービスとも連携し、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)やOCR(光学的文字認識)機能を取り入れ、お客様企業のニーズに合わせてさらなる効率化に対応しています。 SFD_Mimura_02

領収書電子化で経費精算を70%効率化

コンカーは、日本で初めてスマートフォンを利用した領収書電子化の実運用を行いました。従業員約130人にiPhoneを貸与。従業員はConcur Expenseのアプリ、コンカーモバイルを使って、領収書を撮影します。毎月の経費精算の処理完了後、定期検査を行い、不備がなければ当月分の紙の領収書を廃棄しています。対象の領収書は、月約1200枚に上ります。

この取り組みは大きな成果を上げています。まず、生産性では、経費申請者の負荷が大幅に下がりました。糊付けが不要になり、経費精算にかかる時間を約70%削減できたのです。経理担当者にとってもメリットは大きく、電子画像が原本になったことで、リモートでの作業が可能になったことに加え、経理チェックの時間が約30%削減されました。コスト面では、領収書を保管するスペースのコスト、ペーパーレス化により紙のコストがほぼゼロになりました。また、法人カード利用を推進することで、金額の入力誤りや改ざんを防止、金額突合を省力化できました。さらに、出張先でも経費精算ができるようになり、遅延して提出する従業員は、ほぼ半減しました。

コンカーでは今後もオープンプラットフォーム化を進め、拡張性と将来性をさらに強化していきます。既にタクシー配車、会食場所予約、駐車料金、領収書画像データ入力、不正検出、名刺データなどの外部サービスを、APIを介してシームレスに連動させ、日々発生する経費精算の自動化を図っています。また、経費精算の51%を占めるとされる近隣交通費の精算業務では、Suicaの乗車実績をコンカーへ自動転送します。

間接費改革の進め方は、それぞれの企業の特性やニーズに合わせて、さまざまなやり方が考えられます。まず国内本社で従業員経費の改革を実施することから始め、ベンダー経費や出張費などに改革領域を広げ、そこから他組織へ横展開するやり方。国内本社で従業員経費の改革を行ったあと、全組織で従業員経費の改革を行い、それからベンダー経費や出張費などに改革領域を拡大するやり方もあります。

国内では、業界大手から中堅、成長企業まで、2017年12月末現在で710社がコンカーを導入し、さまざまな形で間接費改革に取り組んでいます。制度の変更やテクノロジーの進化によるメリットを享受しやすい、経費精算のような業務こそ、できる限り自動化・効率化を図って社員の負荷を低減し、「間接費改革」を実施していただきたいと考えています。

 

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