アクセンチュアのワークショップイベントでSAP Leonardoとデザインシンキングを体感

作成者:SAP編集部 投稿日:2018年5月29日

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SAPパートナーのアクセンチュア主催による「デジタル変革期におけるイノベーションの創発」をテーマとするイベントが2018年3月7日、東京・麻布のアクセンチュア・イノベーション・ハブ東京で開催されました。SAPプラットフォームを活用したこれからのイノベーションの在り方などについてパネルディスカッションが行われ、アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部の増野雄一郎氏、デジタルコンサルティング本部の河野真一郎氏とともに、SAPジャパン代表取締役社長の福田譲とバイスプレジデントの大我猛が登壇しました。_MG_0293S

イノベーションとは既存のビジネスを“再創造”すること

SAPジャパン代表取締役社長 福田譲SAPのビジネスは、ERP中心からシフトし、IoT、機械学習などを含めた企業のデジタル化を牽引する形に変化しています。例えば、物流大手のUPS社と3Dプリンターを使った「ものを運ばない物流」の実現や、スポーツ用品メーカーのアディダス社とシューズやウェアの色/サイズを顧客がカスタマイズできるサービスを提供。また、ドイツのサッカーチーム、バイエルン・ミュンヘンと協力してチーム強化、球場内のオペレーション最適化、ファンの交流拡大などにデータ分析、IoTや機械学習を活用しています。
SAPは、イノベーションの実現に「守り(System of Record:従来からの業務実行)」と「攻め(System of Engagement:新たなビジネスモデルの創出)」のITの一体化を提唱しています。IT部門にはこの両方への対応が求められますが、人材や予算など限られた社内リソースの配分は容易ではありません。そこでSAPが提供するバリューは、「守り」と「攻め」の両方の領域を支えるソフトウェアとサービスの統合的な活用です。

SAPは守りの基幹アプリケーションとしてSAP S/4HANAを提供する一方、攻めのデジタルビジネスを展開するためのSAP Leonardoを展開しています。「リソースの再分配のバランスが重要です。守りの領域はパッケージでシンプル化し、攻めの領域に人材と予算を投入してイノベーションを推進してください」(福田)

アクセンチュアでは、デザインシンキングをベースとするスピーディなプロトタイプ作成とSAPアプリケーションを組み合わせることで、クイックなデジタルイノベーションを創造するケイパビリティーとして「Accenture Liquid Studio for SAP Leonardo」を展開しています。アクセンチュアの増野氏は、「こうしたSAPの新しいアプローチは、アクセンチュアの仕事との親和性をより高めています」と述べ、両社がかつてないほど緊密にビジネスを推進していくことを強調しました。

デザインシンキングでデジタルイノベーションを実現

アクセンチュア 河野真一郎氏アクセンチュアの河野氏は、インダストリーX.0の世界観を次のように説明します。「『デジタルカスタマー』と『デジタルエンタープライズ』を、それぞれX軸・Y軸に取って平面上に展開すると、両者の間に『デジタルビジネス』が現れます。これがデジタルトランスフォーメーションのフレームワークです。経営者には、日本型『ものづくり』アプローチと欧米の『設計型アプローチ』が異なることを把握しながら自社のビジネスモデルを変革していくことが求められています」

続いてSAP Leonardoのコンセプトを大我が解説しました。SAP Leonardoは、IoT、機械学習、ビッグデータ、アナリティクス、ブロックチェーン、データインテリジェンスなどを包含したイノベーションを起こすためのツールセットで、新旧のテクノロジーの組み合わせにより、新しいビジネスバリューを生み出します。

SAP Leonardoは従来のシステムと連携することに意味があり、そのアプローチとしてSAPは「デザインシンキング」を採用しています。デザインシンキングの基本コンセプトは、問題や解が明らかになっていない中、仮の問題を設定して解決策を検討し、出されたアイデアを即座にプロトタイプ化して検証するプロセスをクイックに回すことです。これらは、最近注目されている「D-OODA(ドゥーダ)」にも通ずるものです。これはアメリカ海軍が採用しているPDCAを補完する新しい考え方で、Design(指針)、Observe(観察)、Orient(方向付け)、Decide(決心)、Act(実行)の頭文字によるループです。本部が示したDesignに対して、ObserveとOrientを対話型でやり取りしながら進めていきます。

SAPジャパン大我猛イノベーションを始めるには、最初から完璧を目指さず、リスク低減のために「型」から入ることも1つの考え方です。「ある程度の制約条件を設定すると何らかのアウトプットが出る可能性がありますので、既存のビジネスやユースケースをヒントに始めてみてください」(大我)

セミナーを通して、テクノロジーを活用する中で現代の企業が取るべき姿勢や考え方を学ぶとともに、デザインシンキングを体験できる参加型アクティビティも実施されるなど、多くの示唆に富む内容が展開されました。

>> SAP Leonardo e-Bookを公開中

参考:
アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京
Accenture Liquid Studio for SAP Leonardo
インダストリーX.0

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