SAP Leonardo Internet of Thingsの全体像紹介


Internet of Things(IoT)で新規ビジネスモデルを構築、既存ビジネスプロセスのスコープを「もの」のレベルまで拡大、工場、物流、倉庫、店舗の可視化、デジタル化、等々、IoTの活用範囲は拡大する一方です。

最近我々が実施したWebinarでのアンケート結果では、約3割のお客様、約5割のパートナー企業様が既にIoTプロジェクトに取り組まれています。計画中も含めるとその割合はお客様、パートナー様ともに約7割に上ります。

本ブログでは、SAPのIoTに対する包括的なソリューションであるSAP Leonardo Internet of Thingsの全体像をお客様事例を含めご紹介します。IoTを検討しようと考えているお客様あるいはパートナー企業様の参考になれば幸いです。

目次

  1. なぜ IoT が重要なのか…
  2. 「もの」から「価値のある結果」へ
  3. お客様事例
  4. SAP Leonardo Internet of Things 全体像
  5. SAP Connected Goods
  6. SAP Leonardo IoT Bridge
  7. SAP Leonardo IoT Edge
  8. SAP Leonardo IoT Foundation
  9. SAP Cloud Platform
  10. まとめ

1. なぜ IoT が重要なのか…

そもそも、なぜIoTがこれだけ重要視されているのでしょう?

例えば、車を考えてみましょう。

車にセンサーが搭載されそれがインターネットにつながれば、自動車メーカーは車両がどのような振る舞いをするのかの実地データを収集できます。保険会社は保険契約ユーザーの運転履歴に応じた契約料金を提供できます。車両運行会社は複数の自社車両を中央監視できます。市役所の道路維持課は道路の補修時期を予測できるかも知れません。

このように、IoTは、これまで解けなかった課題を解決し、見えなかったビジネス機会をもたらす可能性を提供するため、多くの企業が強い関心を頂いているのだろうと思います。なぜIOTが重要なのか

2. 「もの」から「価値のある結果」へ

2020年までに50%以上のビジネスプロセスがIoTと関連すると言われています(*)。

  • (*) Gartner, Analysts Reveal Five Unexpected Implications Arising From the Internet of Things: http://www.gartner.com/newsroom/id/3185623

SAP Leonardo Internet of Thingsは、企業の「ビジネスプロセス」と「もの」を結合することにより、「もの」からビジネスにおける「価値のある結果」をもたらします。現場の従業員、取引先、顧客に対して新しいエクスペリエンスを提供するアプリケーション、そのための基盤、プラットフォームを提供します。02. ものから結果へ

3. お客様事例

幾つかの最近の事例をご紹介します。

フランスの観光都市、アンティーブ市は、水道システムのインフラストラクチャの運用監視を改善するためにInternet of Things(IoT)技術を使用しています。今後は、公共の場に対する危険防止に注目しています。(こちらの動画も参照ください。https://www.youtube.com/watch?v=r6UCFGveKgY

ドイツのドイツの自動車部品メーカーContinental社は、SAP Vehicle Insights(*)とSAP Leonardo Internet of Thingsの機能に基づいて車両データサービスを可能にするエンドツーエンドソリューションを開発しました。(こちらのブログも参照ください。「コンチネンタル – SAP Vehicle Insightsを活用してライブビジネスを可能に」(https://www.sapjp.com/blog/archives/20279

  •  (*) SAP Vehicle Insights は、遠隔測定データの収集、保存、分析、および処理を行うことができるクラウドベースの Platform-as-a-Service です。このプラットフォームでは、保有車両フリートのデータを収集し、これを使用してビジネスを促進し、パフォーマンスを向上させることができます。運転の癖、管理、および損耗に関するデータを収集することによって、顧客に提供する保守点検の改善に役立つ新規ビジネスモデルを構築することができます。

北米最大手の車両管理企業、ARI社は、IoT技術、テレマティクス、予測分析を使用して、顧客が車両運行の全ての詳細を追跡し、レポートするサービスを提供しています。(こちらの動画も参照ください。https://www.youtube.com/watch?v=Stk4AH42cpU03. 事例 page 1 ドイツのエネルギー企業、カイザーウェッター社は、SAP Leonardo Internet of Things機能と他のSAPソリューションを使用して、再生可能エネルギーへの投資に革新をもたらすARISTOTELESプラットフォームを開発しました。

ブラジルの農業機械メーカー、Stara社は、トラクタにセンサーを搭載した後、それらのセンサーをSAP Cloud PlatformとSAP ERPに接続し、リアルタイムでの農業プロセスの監視するソリューションを開発しました。(こちらの動画も参照ください。https://www.sap.com/assetdetail/2017/01/bc86b0a3-a07c-0010-82c7-eda71af511fa.html04. 事例 page 2 欧州の建築機材メーカー、HILTI社は、建築現場用ツールをSAP Leonardo Internet of Thingsで連携し、カスタマにツールに関する各種サービスを提供しています。(こちらの動画も参照ください。https://www.sap.com/assetdetail/2017/12/7c4e8bd4-e97c-0010-82c7-eda71af511fa.html05. 事例 page 3

4. SAP Leonardo Internet of Things 全体像

SAP Leonardo Internet of Thingsは、製品、資産、インフラから車両、市場、人に至るまでのLOB(Line of Business)とインダストリーで分類したユースケースに対して、異なる用途に適用可能なアプリケーション、ストリーミング分析、デバイス管理、ビッグデータ管理、エッジコンピューティングの接続性をパッケージソリューションとしてご提供します。08A. 全体図

LoBとインダストリーのユースケース

Connected Products

  • フィールドに分散した製品を繋ぎ、監視、制御する。
  • ネットワーク上の在庫を管理、追跡、制御する。
  • 製品ライフサイクルを設計し管理する。

Connected Assets

  • 生産設備を繋ぎ、監視、制御する。
  • 資産パフォーマンスをライフサイクルを通じて最適化する。
  • 資産ネットワークを管理し障害を発生前に解消する。

Connected Fleet

  • リアルタイムで、車両データを収集、地図上にマップ、格納、分析する。
  • ドライバーと資産の安全性を分析し、事故を削減する。
  • グローバルネットワーク上で、ロジステックス戦略をサポートしコンプライアンスを確保する

Connected Infrastructure

  • リアルタイムの情報を活用して、ビル、エネルギーグリッドなどの物理インフラシステムを管理、維持する。
  • 建設プロジェクトを管理して工期と予算を守る。
  • プロセスと情報を統合することで、エネルギー利用率を最適化する。

Connected Markets

  • デジタルと物理的なマーケットを関連付け、顧客エクスペリエンスを改善する。
  • 農業機械、設備からのデータを統合し、効率性と予測を向上する。
  • 都市におけるエネルギー、車、資産を最適化する。

Connected People

  • 環境と安全性のプラクティスへのリアルタイム接続により安全性を向上する。
  • ヘルス情報のネットワークにより、患者へのメリットとヘルスケアコストの削減をもたらす。
  • エネルギーシステムとセキュリティシステムによって、ホームライフをより心地よく、効率よく安全にする。

IoTアプリケーション群

SAP Leonardo Internet of Things アプリケーションには、SAP Connected Goods、 SAP Global Track and Trace、SAP Asset Intelligence Network、SAP Predictive Maintenance & Service、SAP Vehicle Insights、などがあります。また、従来から提供している製造現場をデジタル化するためのオンプレミスのソリューション SAP Manufacturing Execution、SAP Manufacturing Integration and IntelligenceもIoTのために利用できます。

08. IoTアプリケーション

5. SAP Connected Goods

ここでは、上記のIoTアプリケーションの中からSAP Connected Goodsをひとつの例として取り上げてみましょう。

SAP Connected Goodsは、製品の価値を最大化することを目的として設計されたクラウドベースの IoT ソリューションです。遠隔地に分散した製品に対して、在庫の監視、消費予測、在庫補充のトリガー、監視、管理を行うことが出来ます。09. CnG 1適用範囲は、材料や製品のコンテナ、冷蔵庫や自動販売機、コーヒーメーカー、建築用工具など多岐にわたります。10. CnG 2

 

6. SAP Leonardo IoT Bridge

SAP Leonardo Internet of Things 全体像の中の最上位層に配置される IoT Edgeは、ユーザーへのフロントエンドアプリケーション群を表しています。センサーデータやビジネスアプリケーションのデータをマッシュアップして業務ユーザーに全体の可視性と課題解決サポート、関係者とのコラボレーションを提供するシナリオベースのアプリケーション群です。11. IoT Bridge 1例えば、Outbound Logistics シナリオでは、輸送中の物流をリアルタイムで監視し、予想外のイベントに迅速に対応するためのアラートと解決サポートを提供します。皆様が利用する宅配便の追跡サービスを企業の物流管理領域に適用すると捉えても良いと思います。12. IoT Bridge 2

 

7. SAP Leonardo IoT Edge

エッジコンピューティング(*)のためのSAP Leonardo IoT  Edge には、Cloudで提供されるSAP Edge Services, cloud editionと、オンプレミスのSAP Edge Services, on premise editionの2つがあります。オンプレミスのSAP Edge Services, on premise editionは従来、SAP Dynamic Edge Processingと呼ばれていたソリューションです。

  • (*) エッジコンピューティングとは、クラウドでの接続が頻繁に切断されるような環境でも、より迅速な意思決定と業務遂行を可能にするために、データソースにより近いエッジで、センサデータを処理し、格納し、分析する能力を表す用語です。

ここでは、Cloud版のSAP Edge Services, cloud editionをご紹介します。

SAP Edge Services, cloud edition

SAP Edge Servicesは、クラウドからコントロールするエッジサービスで構成されるソリューションです。IoTゲートウェイにマイクロサービスを展開し、エッジでのローカルコンピューティング、永続性、予測分析、ビジネストランザクションを可能にします。13. Edge Service 113B. Edge Service 1B

ユースケースの1つは、ネットワーク接続が断続するオフショアープラントの現場でのプラント保全です。遅延や接続性にも関わらず作業指図にアクセスする必要性を解決します。その他、店舗においてセンサーで在庫をカウントし在庫補充を自動化する、リモートサイトでの作業員の安全を守るために緊急事態を検知しアラートを発するなどのユースケースもあります。14. Edge Service 2

8. SAP Leonardo IoT Foundation

SAP Leonardo IoT Foundation は、ビジネスにおけるエンドツーエンドのIoTソリューションを開発することを可能にするために、生のセンサーデータの取り込み、巨大なデータ量を操作するためのビッグデータ機能、基幹システムと連携するためのデータインテグレーション機能を提供します。

SAP Leonardo IoT Foundationには、クラウド版とオンプレミス版があり、それぞれSAP Cloud PlatformとSAP HANA Platform上に配置されます。

クラウド版のSAP Leonardo IoT Foundationに含まれるSAP IoT Application Enablementには、IoTアプリケーションを迅速に開発するためのツールとマイクロサービスが含まれます。物理的な「もの」をデジタル表現するThing Model(デジタルツイン)を作成する、IoTアプリケーションテンプレートを使って迅速にアプリケーションを開発することを可能にします。15. IoT Foundation

9. SAP Cloud Platform

SAP Cloud Platformは、SAP Leonardo のテクノロジー基盤です。SAP Leonardo Internet of Things の基盤としてSAP Cloud PlatformのInternet of Thingsサービスがあり、さらに、SAP Cloud Platformは、機械学習、解析、ビッグデータ、セキュリティ、ユーザーインタフェース開発、ユーザー管理、バックエンドと統合するためのインテグレーションサービスなどのサービスを提供します。16. SAP CP

10. まとめ

SAP Leonardo Internet of Things について、さらに詳細を知るためには以下のサイトをご参照ください。

  • 公式Webサイト https://www.sap.com/japan/products/supply-chain-iot/iot.html
  • 無料のオンラインコース(Open SAP)  https://open.sap.com/ をオープンし、コース「Touch IoT with SAP Leonardo」を選択
  • SAPジャパンブログ https://www.sapjp.com/blog/ をオープンし、“IoT”または”Leonardo”で検索

最後に、SAP Leonardo Internet of Things の概要と特徴をまとめます。

「SAP のIoT対応アプリケーション、プラットフォーム、テクノロジーを利用して、完全に接続されたデジタルビジネスを展開することができます。新しいビジネスモデルを構築し、リアルタイムのインテリジェンスを活用して、コアからエッジまで適応性の高いプロセスをサポートします。」

IoTアプリケーション群の特徴:

  • エンタープライズ対応
  • ビジネスシステムとの統合
  • 業務部門対応価値重視型

IoTテクノロジーの特徴:

  • オンプレミスまたはクラウドでの導入
  • SAP とサードパーティーアプリケーションの統合
  • エッジでのコンピューター、ストレージ、ビジネスセマンティクス

17. まとめ

>> 参考:SAP Leonardo e-Book