SAP NOW 展示 利益最大化のための販売戦略 -販社供給枠の管理、顧客優先度に基づく引当調整、効率的な輸配送-


SAPジャパンの年次イベントSAP NOWの展示から事業・生販在計画、サプライチェーンマネジメント関連のソリューション紹介を振り返るブログシリーズの第3回です。
第1回 -機械学習を活用した需要予測と金額・数量両面での事業・販売計画の最適化-
第2回 -拠点横断の在庫最適化と供給計画-
今回の内容は販売・供給計画からの販社供給枠を遵守する補充時の数量制御、優先顧客に対する確実な引当・納期回答、効率的な輸配送計画と倉庫作業を実現するソリューションのご紹介です。全社の利益最大化に貢献する販売・物流戦略の実行を支援します。
SAP S/4HANAに組み込まれている高度なATP(Available to Promise:引当・納期回答)ソリューションを活用することで、製品供給量に制限がある場合でも売上・利益への貢献度が高い販売地域やチャネル、顧客へ確実に配分することができます。またSAP S/4HANAは輸送計画や輸送管理、倉庫作業を効率化する機能も統合しています。今後も世界的に物流量が増加し物流リソースのひっ迫やコスト増が想定される中で、コストを抑えながら輸送リードタイムを短縮、最適化するための配送計画と輸送手配を実行します。倉庫業務と在庫の可視化レベルを高め、リアルタイムで精度の高い在庫情報の提供や倉庫作業の標準化・効率化を推進します。全社の経営方針に沿った販売・物流戦略を確実に実行して収益や利益目標の達成に貢献します。

引当調整と物流最適化

まず本社工場から販社の販売拠点への例でデモンストレーションした、拠点への供給割当と配分について説明します。販社それぞれの部分最適化ではなく、全社戦略として拡販していく地域や重点プロモーションをかけている販路など、全体の売上・利益を最大化する供給配分を実行することができます。
最初に過去実績と季節変動やプロモーションによる需要予測と営業や販社の見込、経営の利益計画を基に全社で合意した販売計画が立案されます(第1回ブログ)。その後その販売計画をもとに制約を加味した生産計画と拠点に対する供給計画が立てられます(第2回ブログ)。販社からの補充発注時には、それらの販売供給計画と連動して販売戦略に基づく供給枠が割当上限として活用されます。システムが上限を超える発注を確実に制限、各拠点への計画通りの供給を担保し、元々の利益計画の確実な実行を助けます。
実際の画面イメージを以下に掲載します。拠点・期間ごとに設定した枠に対して既に消費した量、利用可能な量を管理し、販社からの補充発注時に超過する場合には制限がかかっています。

aATP_供給枠_消費量管理

S4_発注制限

顧客からの注文についても、顧客ごとの優先度に基づいて注文に対する引当を調整し、販売戦略と整合性をもった商品の配分を行います。例えばブランド訴求の象徴でありメーカー自身の販売担当者を派遣したきめ細かい接客で重要顧客を繋ぎとめる旗艦店や、売上が大きく共同プロモーションを実施していて欠品が許されない大手小売など、販売戦略上重要な顧客の注文に確実に応えることができます。ここでも全社戦略で計画された事業利益を確保するための受注引当の実行をシステムが支援してくれるのです。

実際の仕組みとしては事前にロイヤルティや収益性をもとに顧客を分類しておきます。その分類にもとづいてシステムが自動的に優先度の低い顧客の注文から優先度の高い顧客の注文へ在庫を再割当します。

優先度に基づく引当調整

優先度に基づく受注に対する確認戦略

以下のデモ動画をご覧ください。優先顧客の注文に対して、利用可能な在庫がなく引当ができていません。そこで、すでに引当済みの受注も含めて注文を優先度で並び替え、優先度の低い通常取引先に引き当てられていた在庫を優先度の高い顧客に再割当しています。

また引当を出荷直前までマニュアルで調整することが可能です。以下のデモでは、直近の出荷予定の注文に引当ができていないため、マニュアルで、納期がより遅い注文に引当済みの数量を直近の注文に再引当しています。

このように全社の販売戦略に基づいて、収益や利益最大化、顧客ロイヤルティの維持などを確実にする注文対応を個々の取引において実行することができます。企業全体としての利益戦略と日々の販売業務の実行が整合性をもって確実かつ効率的に行われることを支援するのが、高度なATP機能(advanced ATP)を含むSAP S/4HANAの大きな特長の一つです。

加えてSAP S/4HANAには荷主企業の販社や顧客に向けての商品の輸送コストや効率を最適化するソリューション、SAP Transportation Management(TM)が組み込まれています。モノを扱うどの企業にとっても物流の課題が増加している中で、予定された納期を確実に守りコストを最適化することで、販売機会の最大化、顧客満足度の向上と利益確保に貢献します。同一のシステム内で、受注や拠点間の在庫補充依頼(在庫転送依頼)から輸送を手配するための情報が直接連携します。それによって、すべての輸配送対象と日時を確実に把握し個々の輸送単位を効率的にまとめることを支援します。納期や納入先、重量、輸送業者・サービスを組み合わせ、積載効率や輸送ルートを最適化した輸送計画を自動生成します。最適計画に基づいて複数の輸送単位がまとめられて輸送指図となり、さらにその指図を輸送業者に公開、共有することもできます。
また同様に受注や在庫転送オーダーは出荷オーダーとして倉庫管理へも連携し、出庫作業の確実かつ効率的な実施を支援します。出庫のための倉庫内作業内容(倉庫タスク)とピッキングエリアなど作業場所ごとの作業割当が指定された倉庫指図が生成され、それらを元にピッキング、梱包および荷合わせの出荷作業を進めることができます。SAP S/4HANAに統合・連携したSAP Extended Warehouse Management(EWM)によって受発注から庫内管理までのプロセス全体をリアルタイムで可視化し、倉庫作業の効率化と在庫精度向上を推進します。多拠点、グローバル展開に活用することでオペレーションの標準化・平準化にも貢献します。
以下のSAP NOWで展示したデモ動画ではSAP S/4HANAに組み込まれている輸送計画を利用して、輸送単位をまとめて輸送指図を作成するところやその結果の積載率などを見ることができます。

また以下の動画では出荷オーダーから連携した倉庫指図が作成され、ピッキング等の作業指示が行われる様子を確認できます。

第1回でご紹介したSAP Integrated Business Planning(IBP)による金額・数量両面から経営とブランドマネージャー、営業で一貫した販売計画の立案。第2回でご紹介したSAP IBPとSAP S/4HANAによる顧客サービスレベル達成のための全社拠点を横断した最適な在庫配置と制約をもとに最適に調整した供給計画。そして今回ご紹介した、利益最大化やビジネス拡大のための優先チャネル・顧客戦略に基づいた実際の供給配分や引当調整、輸送コスト・配送効率の最適化や納期の確実な実現までを統合ソリューションが包括的にサポートします。
3回にわたってSAP NOWの展示ブースから統合サプライチェーンソリューションについて振り返ってきました。今後もイベントや最新ソリューションの情報を継続的にお届けしていく予定です。

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