ハイドロ・タスマニア: モバイル活用による作業員の生産性向上と意思決定の迅速化


スクリーンショット 2018-09-14 1.47.22

オーストラリアの最南端にあるタスマニア州。
北海道より小さく九州より少し大きなタスマニア島を中心とした小さな州ですが、自然が多く残りオーストラリアの観光地としても人気のあるところです。
タスマニア島は、総面積の3割以上が国立公園や自然保護地域に指定されており世界遺産に登録されている「タスマニア原生地域」はまさに自然の宝庫です。

SAP Work Managerの導入

そんな大自然の中で、ハイドロ・タスマニアは100年の歴史をもつ水力発電と風力発電の再生可能エネルギー会社です。同社では幅広くSAPのソリューションを使っています。発電所設備保全にもSAPソリューションを活用しています。
特にモバイルを活用したSAP Work Managerの導入によって、設備検査作業員の効率化を高めるとともに意思決定の迅速化にも貢献しています。

スクリーンショット 2018-09-14 1.51.52

大自然の中に点在する水力発電所では設備検査作業員が日々の点検を行っています。
今日の作業指図をiPadで確認しながらどこかに不具合はないか、破損箇所はないかなど、設備を丁寧に点検していきます。点検はiPadを使って実施され、その場で結果をiPadに入力していきます。必要に応じて見つけた破損箇所を動画や写真で撮影し点検記録とともにエンジニアリング部門に送信します。

1日あたり1時間の作業時間短縮を実現

受信したエンジニア部門では、各発電所から集まった情報を基に迅速に修繕計画を立て意思決定に利用します。SAP Work Managerの情報はSAP EAM(設備保全システム)に連携され、即座に、コストはどれくらいかかるのか、部材の手配状況はどうなのかまで確認できるのです。
SAP Work Managerの導入以前、作業員は点検作業が終わってからオフィスに戻り、少なくとも毎日1時間はPCの前に座り1日の点検結果を入力していました。エンジニア部門も、すべての作業員の点検結果の入力が終わらなければ、全体の状況を把握することが出来なかったのです。

現在は作業員のデスクワークはほとんどなくなり、作業完了とほぼ同時にボタンをタップして1日の作業が終了します。SAP Work Manager を導入してからは、その時間を別の検査作業に割り当てることができるようになりました。

日本での現場作業効率化に向けて

日本のお客様からは、発電、送配電部門で整備の品質を確保しつつ設備保全の効率化を図りたいということをよくお聞きします。また作業指示にはメールや電話が多く使われ、作業後のデスクワークが煩雑というお話もうかがいます。すでにモバイルを活用されている企業もありますが、モバイルで登録された情報が設備保全システム、資材購買システム、財務会計システムまで一元管理され連携されているしくみの導入は、従来とは次元の違う価値が得られるのではないでしょうか。

ちなみに電力業界の他にも、さまざまな現場でモバイルを活用した作業員の生産性向上や意思決定の迅速化が進んでいます。

設備保守のフィールドエンジニアのデジタル化 ~ ヴェスタスウィンドシステムズの現場強化策

航空機の遅延ゼロを目指して − シェル・エイビエーション社のデジタルトランスフォーメーション

定量的な導入効果の見積もりが比較的容易であり、先行事例も多数あるので、日本企業での導入もそう遠くないと期待しています。

タスマニアの大自然の中で、今日も設備検査作業員の方々は丁寧かつ効率的な点検を続けています。

Hydro Tasmania:発電設備管理作業員の生産性向上の動画

※ 本稿は公開情報に基づき筆者が構成したもので、ハイドロ・タスマニアのレビューを受けたものではありません。