クラウドERP導入で実現する会計業務の4つの改善と変革ーそのメリットとは?


会計ルールを従来の日本基準から国際会計基準(IFRS)に移行する企業が増えています。ビジネスのグローバル化やM&Aの推進、海外からの資金調達などをスムーズに実施するには、会計処理も世界標準にしなければならないからです。会計業務の改善と変革は、企業にとって喫緊の課題ではないでしょうか。

そこでおすすめしたいのが、クラウドERP(エンタープライズ・リソース・プランニング)の導入です。クラウドERPは、複雑化・高度化した会計業務を効率化させることができるからです。

クラウドERPは会計業務効率化に役立つ

会計業務には、管理会計と財務会計があります。管理会計では、日々や月次での売上管理や利益管理を行い、会計情報をまとめていきます。経営方針に大きく関わる管理会計業務のアウトプットは、経営のスピード化に欠かせない資料です。

財務会計の大きな仕事は決算資料の作成となります。決算資料は自社の経営状況を確認するだけでなく、融資を受けるときや上場を目指すときなどに使われるため、これも経営戦略に欠かせません。

つまり管理会計業務でも財務会計業務でも、次の4つの改善と変革が必要になります。

  • リアルタイムで進捗の可視化
  • 会計情報の一元管理
  • データの紐づけや部署間の共有で手間を削減
  • 蓄積されたノウハウを活用

クラウドERPは、これらの課題のソリューションになるのです。

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リアルタイムで進捗の可視化

生産管理、販売管理など、セクションごとに利用しているシステムが異なると、在庫の管理、商品の販売、出荷履歴などのデータが各部署で作られるタイミングと、それが経理上の数字として計上されるタイミングが異なります。経理部の担当者は、必要な会計情報が各部署の担当者から入力されるのを待ったり、情報を自ら入手したりしなければなりません。各部署の担当者は情報を集めそれを経理部に提出する資料にしたり、生産管理や販売管理のシステムとは別にさらに経理上のシステムに入力をしたりすることになります。これは手間がかかるだけでなく、情報を移転させる際にミスが生じる可能性がありますし、何より各セクションの間でタイムラグが生じます。

クラウドERPを導入した企業では、経理部の担当者は必要な情報をリアルタイムに追跡することができます。社内の情報を一元管理できるERPでは、生産管理や販売管理のデータが会計情報と連動しており、リアルタイムで経営のために必要な情報を手にすることができます。

会計情報の一元管理

経理部の担当者が必要とする会計情報は、社内のどこに存在するでしょうか。ざっと数えただけでも、会計、経理、財務、請求、予算、人事、給与、営業、顧客対応、受注、販売、仕入、生産、在庫、出荷、Eコマース、マーケティングの各部門、各業務に存在します。

クラウドERPは1つのシステムでこれらの部門・業務に散らばっている会計情報を管理します。会計情報を一元管理することで、会計業務で必要となる、性質が異なる複数のデータどうしの紐づけがスムーズに進みます。経営者としてはさまざまな角度から経営状況を分析でるようになるわけです。また、異なる部署どうしをつなぐ役割を果たしているので、部署間の情報の共有が容易になります。

データの紐づけや部署間の共有で手間を削減

部署間の情報共有をスムーズにします。クラウドERPの「SAP S/4HANA Cloud」を導入した日立ハイテクノロジーズも、ERPによってデータの紐づけや部署間の情報共有が容易になりました。

日立ハイテクノロジーズは分析機器や半導体製造装置などを製造・販売し、26の国と地域に拠点を持ち、売上高の61%を海外で稼ぐグローバル企業です。そして海外M&Aも手掛けています。

同社は2017年4月に、5カ国で展開している統合基幹システムを整備することになりました。整備に要する期間は2018年12月までと、短期間のプロジェクトです。

このとき次のような課題と目標がありました。

  • 従来のシステムは業務に合わせて大幅にカスタマイズしている。新統合基幹システムはこれに対応できなければならない。
  • バリューチェーンをシンプルにする。
  • 生産、販売、購買、在庫、会計を一元管理する。
  • 各現場でのIT要員が十分でない。

データの紐づけや部署間の情報共有を高次元で達成しなければならないプロジェクトでした。これらの課題を解決する手段として選ばれたのかクラウドERPの導入だったのです。

日立ハイテクノロジーズは2017年8月にSAP S/4HANA Cloudの機能検証を行い、それからわずか4カ月後の12月には導入フェーズに入ることができました。

翌年の2018年5月にはグローバルのサービス拠点への実装を完了し、その他各国への導入も当初の予定とおり2018年12月までに終了します。クラウドERPは情報を一元化し、それまで各エリアや各セクションで管理されていたシステムをスマートな形にしました。各セクションに特別なIT要因は必要なくなり、統一されたシステムで情報が管理されることになります。

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蓄積されたノウハウを活用

日立ハイテクノロジーズのクラウドERP導入では、このような課題がありました。

  • 従来のシステムは業務に合わせて大幅にカスタマイズしている。新統合基幹システムはこれに対応できなければならない。

すでに業務のIT化が進んでいる企業や、非クラウド型のERPを先行導入している企業、さらに各部門がそれぞれ異なるシステムを使っている企業は、新システムに移行したときにこれまでのノウハウを活用できるのか、という課題を抱えるはずです。

SAP S/4HANA Cloudでは、複雑にカスタマイズされた旧システム内のノウハウを正確に新ステムに移行させることができます。

日立ハイテクノロジーズの担当者は、今回のSAP S/4HANA Cloudへの移行で「クラウドでの基幹システムの運用という経験を積むことができた。これは当社のマインドセット(先入観による思考)を変えるための先行事例となる」と述べています。

クラウドERP導入にあたっての注意点

クラウドERPを導入するときは、以下の6点に注意する必要があるでしょう。

  1. リアルタイム処理は可能か
  2. モバイル対応は可能か
  3. 業務プロセスに柔軟に対応できるサービス内容になっているか
  4. デートの支援態勢は万全か(アフターフォローは整っているか)
  5. 経理部門がワークフローの簡素化という果実を得られるか

これらの条件がクリアできていないと、ERPを有効活用できないか、もしくはERPを有効活用するまでに時間がかかってしまいます。

日立ハイテクノロジーズは、クラウドERPの導入により会計部門を含む複数の部門をつなぐことができました。スピードが求められる現代のビジネスにおいては、素早い経営判断が必要になります。

SAP S/4HANA Cloudはすでに、世界の840以上の企業が、計16,000以上のシステムを運用し、運用コストを20%削減しています(SAP S/4HANA Cloud, single tenant editionのみの実績)。

クラウドERPの導入は企業の会計業務の効率化を実現し、真のビジネス改革に貢献できるソリューションといえます。