クラウドERPへの移行のポイント – 運用体制を整えて移行によるデメリットも理解する


情報を一元化し、迅速な経営判断をくだせるよう、多くの企業でERPが導入されています。近年ではその利用環境に変化が起こり、ERPをクラウドに移行する企業が増えています。クラウド化には様々なメリットがあり、導入により多くのことが実現できます。そこでこの記事では、クラウドERPへの移行をするために知っておくべきことを紹介します。

ERPのクラウド化が進んでいる

ERPシステムの登場により、企業内の横の繋がり、つまり複数の部門間での情報共有が可能となり、情報の管理は一気にスムーズになりました。今や企業活動に必要な意思決定において、これらのデータの分析結果は欠かせません。さらにテクノロジーの進化に伴いERPシステムの機能性も向上し、業務の遂行や効率化にますます力を発揮しています。

変わってきたのは機能面だけではありません。ERPシステムの利用環境についても、大きな変化が生まれています。

従来のオンプレミス型のシステムでは、導入した企業自身でシステムの管理やメンテンナスを行わなければなりません。しかしERP環境をクラウド化することにより、さらに利用しやすく、メリットの多い形へと変化しています。すでにERPを導入している企業においても、クラウド環境に移行する企業は年々増えてきています。では、ERPをクラウド化することで具体的に何が変わるのでしょうか。

migrate2cloudERP_01S

クラウドERPの特徴

クラウドERPの特徴を大きく分けると、スピード感、低コスト、そして最後に導入ハードルの低さが挙げられます。

例えばシステムをアップグレードする必要が出たとき、クラウドERPであればサービスを提供する側の企業が、大元となるクラウド上のシステムをアップグレードします。それがそのまま、利用者側の環境に反映されますので、常に最新機能をコストを掛けずに利用できます。

情報技術の進化が目まぐるしい昨今においては、社会の変化も早く、企業もその変化についていく必要があります。ERPもそうした環境に応じて進化を続けています。クラウドであれば迅速かつ柔軟に、変化に適応できるという利点があります。

コストについても、オンプレミス型と比較して企業内で準備すべき要素が少ないために、大きな削減効果が期待できます。日常的なメンテナンスもそうですが、導入期間の短縮も見逃せない点です。

クラウドERPへの移行で何が実現できるのか

多くの企業がクラウドERPに移行しつつあり、今後もその流れが進むと見られています。これはERPに限った話ではなく、様々なサービスやアプリが既にクラウド環境で稼働しています。それだけ大きなメリットがあり、クラウドだからこそできることが多くあるのです。

ERPをクラウドへ移行することで、まずはハードやOS、データベースなどの運用を気に掛ける必要がなくなります。専従部門を設ける必要性が減ることで、金銭的なコストや従業員の労力が省かれ、そこで生まれた余力を本来の業務課題に集中させることができます。

さらに上で説明した通り、変化に強く、常に最新の状態で利用でき、機能の拡張も比較的容易に行えます。

移行にあたってのポイント

すでにERPを導入している企業であれば、ERPそのものについては理解ができていると思います。しかしクラウドERPへの移行にあたっては、業務プロセスの見直しなどが必要になるかもしれません。また、導入を完了させるまでに要する期間の確認や、キーユーザーに対するワークショップ、さらに移行で発生する可能性があるデメリットについても理解しておくことが重要です。

さらにクラウドERPといっても、その利用形態が一様であるとは限りません。例えば完全SaaS型で、Webサイトにログインする形で利用するのか、インフラやシステム部分について管理を任せ、企業独自の業務プロセスも残していくのか、といった違いもあります。

インフラやシステムのみを管理してもらう形であれば、従来の形をある程度残した利用をすることも可能かもしれません。本当に自社で必要なERPが何なのか、しっかり見極めていく必要があるでしょう。

migrate2cloudERP_02S

運用体制を整えておく

クラウドERPに移行するための準備として、運用体制を整えておくことが大切です。特に、完全なSaaS型としてクラウド化を進めるのであれば、これまでのERPに対する考え方を改めなければなりません。多くのクラウドERPでは、企業側が提供される機能に合わせて業務の形を変えていきます。従来のように、企業の業務要件に合わせてERPの機能をカスタマイズする方法とは全く方向性が異なるのです。

また、実際のユーザーとなる社員が新しいシステムを扱えるよう、事前の教育もしておかねばなりません。正しくERPを導入・運用し、有効的に活用することで、業務効率の向上や業務課題の解決を図ることがより可能になります。

運用体制を整えて移行によるデメリットも理解しておく

外部に存在するクラウドサービスの利用で多くの企業が懸念するのが、セキュリティの問題です。企業内のデータや個人情報等が漏れてしまうと、極めて大きな損失と信用を失ってしまいます。導入に当たっては、セキュリティ対策の確認は必須です。

また、企業活動にストップは許されません。システムにトラブルが発生した時の安全性確保も重要です。

さらに、必ずしもデメリットになるポイントではありませんが、移行に際しては自社業務の整理が必要になります。クラウドERPの機能に歩み寄るため、業務の標準化が求められ、再構築から始めなければならないこともあるでしょう。しかしこうした導入体制の整備によって業務がシンプルになり、従来の環境の中に不必要なものがあったと気づくこともあるでしょう。

どのようにクラウドERPを選ぶとよいか

クラウドERPへの移行を検討する際は、できるだけ手厚い導入・運用サポートを受けられる業者・サービスを選ぶと良いでしょう。また、導入や運用のコストの低さも指標のひとつです。それを判断するためにも、費用対効果の評価をしっかりと行い、どのような利用形態でクラウドを導入するかの把握をしましょう。すでに述べたように、クラウドERPであっても、完全にWebを通した利用なのか、自社で機能をカスタマイズしての利用なのか、さらに継続して使う既存の業務システムとの連携が取れるのかも確認すべき点です。

●参照URL:資料SAP SAP S/4HANA® Cloudの5つの重要な価値領域とクラウド導入の第一歩

クラウドERPであれば、常に最新の状態にアップデートされた環境で利用でき、クラウド上のアプリを連携させたり、新たなアプリの構築も素早く行うことが可能です。さらに移行における導入期間の短さや運用のしやすさから、クラウドERPへの移行によってさらなる効率化が図れることでしょう。